フォーミュラEのシーズン最終戦ロンドンE-Prixが行なわれ、日産のオリバー・ローランドが優勝。2位でフィニッシュしたパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)がチャンピオン獲得を決めた。
予選ではタイトルを争ううちのひとり、ニック・キャシディ(ジャガー)がポールポジションを獲得。これで3ポイントを獲得し、ランキング上位3人が僅か4ポイント差以内にひしめく大接戦の状況でシーズン最終戦の決勝レースを迎えた。
■フォーミュラE東京E-Prix、2025年はトワイライトレースの可能性も!? 将来の姿はどうなるのか
キャシディは無難なスタートを決めて首位を堅持。一方でタイトルを争うもうひとり、3番グリッドのミッチ・エバンスが2番手にポジションアップ。ジャガーがいきなり1-2体制を築き、絶対的に有利な立場となった。ただ、タイトルを争う3人目、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)も4番手につけた。
しかし前日のレース1に続き、このレースも序盤から乱戦。ジェイク・デニス(アンドレッティ)とエドアルド・モルタラ(マヒンドラ)が2周目にもつれあうようにクラッシュしコースを塞いだことで、セーフティカー出動となった。
5周目からレース再開。エバンスはチームメイトでも容赦せずキャシディに仕掛けにかかったが、順位は変わらなかった。一方で6周目にはウェーレインがマキシミリアン・ギュンター(マセラティ)をオーバーテイクし、3番手に浮上。タイトルを争う3人がトップ3を占める痺れる形になった。
ただその直後、サム・バード(マクラーレン)とユアン・ダルバラ(マセラティ)をクラッシュし、このレース2度目のセーフティカーが出動した。
レース再開後、トップ2を占めるジャガー勢は、まずキャシディにアタックモードを使い切らせようと、エバンスにサポート役に徹するよう指示を出す。しかしキャシディが2回目のアタックモードを起動した時のサポートはうまくいかず、キャシディはエバンスのみならずウェーレインにも抜かれて3番手に落ちることとなった。
ただキャシディがアタックモードを使い切った一方、エバンスとウェーレインはアタックモードを起動するタイミングを見出せないまま走行を続けることになった。しかもエバンスがペースを大きく落として走っていたため、ウェーレインは焦れに焦れ、マシンを右に左にと振ってオーバーテイクを試みるがなかなか抜けない。
28周目、まさかの展開が待っていた。キャシディは前方2台から若干遅れた際に、ポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタに追突されてしまった。これで日産のオリバー・ローランドに抜かれ、その後さらに複数のマシンに追突されたことでマシンに大ダメージ。緊急ピットインを強いられた。ここでキャシディのチャンピオンの可能性は事実上潰えた。
エバンスとウェーレインはアタックモードを起動しに行ったが、ほぼ同じタイミングでセーフティカー出動。アタックモードの起動は認められなかった。ただこの際にローランドはセーフティカー中にオーバーテイクしたとして、審議対象となってしまった。
セーフティカー解除直後に、エバンスとウェーレインがようやくアタックモードを起動。そしてこのアタックモードが終わると、すぐに再びアタックモードを起動しにいく。そこでエバンスが痛恨のミス。アタックモードをうまく起動できなかったのだ。次の周にアタックモードを起動させたが、ウェーレインに先行され、フィニッシュまでにアタックモードを使い切れるか微妙なところになってしまった。
結局トップふたりの攻防に乗じて先頭に立ったローランドがトップチェッカー。ウェーレインが2位に入り、フォーミュラEの2023-2024シーズンチャンピオンを獲得した。
エバンスはアタックモードの起動に失敗したことが痛手となり、なんとか義務を消化するためペースダウンを強いられた。結果としてウェーレインを追いかけることを諦めざるを得ず、3位でのフィニッシュ。ランキング2位でシーズンを終えることになった。
キャシディは結局33周目にピットに戻り、17位完走扱い。ランキング3位でシーズンを終えることになった。
表彰式では、優勝チームである日産の国歌である”君が代”が流れた。ただ優勝したローランドは、前述の通りセーフティカー中に他車を抜いたことにより審議対象となっている。また、キャシディに追突したダ・コスタも、レース後に審議される対象となっている。これらにより、レース結果に変更が加わる可能性がある。
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