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新型マツダ・ロードスターRF メーカー純正チューニングカー 歴代初テレスコ

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新型マツダ・ロードスターRF メーカー純正チューニングカー 歴代初テレスコ

もくじ

ー ロードスター改良 RF用2ℓユニットを磨け
ー 排気音の調律 あたかもクルマと会話
ー その仕上がり、メーカー純正チューニング
ー 新型RF 従来型と比較試乗

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ロードスター改良 RF用2ℓユニットを磨け

日本を代表するスポーツカーであるロードスターのマイナーチェンジが行われた。4代目となるND系ロードスターとしては2017年12月に続くマイナーチェンジだが、営業主体の商品性を高めるものではない。基本テーマを「走りで感動を提供」とし、人馬一体の走りの楽しさを追求するためにエンジンを磨き上げることを主としているのが特徴だ。そのため車体や装備の変更は、本当に必要なものだけの追加に留まる。

今回の改良の中心となったのがRFに搭載される2ℓユニット「SKYACTIV-G 2.0」の進化だ。

あらゆるシーンでストレスを感じさせない充分なパワーと、実用性の高い幅広いトルクレンジ、そして高回転まで伸び感を感じる加速Gを確保し、感動できる気持ちの良い走りを実現することが主題だった。そのため最高出力を26ps高め、旧型にあったトルクの谷を埋めて全域で向上させるとともに、レブリミットを6800rpmから7500rpmに高めることによりこれらの課題をクリアしている。

・最大トルク:20.9kg-m(従来型は20.4kg-m)
・最高出力:184ps(同158ps)
・回転限界:7500rpm(同6800rpm)

丹念なチューニングと匠の技の融合

具体的に説明すると、高回転化に伴う吸気の確保としてスロットル・バルブの大径化、吸気バルブの大径化、最適化したコモン吸気ポートの採用、大面積のインテーク・マニフォールドについては合わせ面の段差修正というチューニングの定番といえる変更が行われた。

スムーズな吹け上がりとレスポンスを得るためにピストンはスカートのショート化により27g軽量化され、コンロッドはビッグエンド側をスリム化するとともに、ボルトの径と長さを縮小させ41gの軽量化を行い、クランクシャフトはバランスウェイトの最適配置により、慣性重量の低減とフリクション低減を実現した。




排気音の調律 あたかもクルマと会話

排気系ではエグゾースト・バルブとポート、エグゾースト・マニフォールドを拡大し、バルブのリフト量・開弁角を拡大することにより、増えた吸気に見合うだけのヌケの良さを獲得している。さらにはサイレンサーの内部構造を変更。低背圧化と排気音の周波数の調律を行い、感覚的にクルマと会話できるようにした。

これらの改良はメカニカル・チューニングの定番といえるもので、単にパワーだけを追い求めるのではなく、軽快にトップエンドまで吹け上がり、トルクの谷を埋めたリニアな感覚や、高効率らしいエグゾースト音に仕立てるなど、メーカーだから作れた完成度の高さが特徴だ。なお今回のMCはエンジン関連の変更のみで、足回りの変更は一切行われていない。

ボディ側の変更は僅か テレスコピック追加

エンジンの大幅な改良に対し、ボディ側の変更はミニマムに留まる。全グレードがサポカーSワイドに対応し、歩行者も検知する「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」と「AT誤発進抑制制御」が新たに追加された。サーキット走行をする機会が多いロードスターだけに、それまでのチルト機能に加え、ポジションの自由度を高める30mmのテレスコピック機能が加えられたのは、走りを楽しむロードスターならではといえよう。

このほかホイールのカラーがドアミラーに合わせたブラック・メタリックに変えられた。



その仕上がり、メーカー純正チューニング

会場でエンジン開発担当の方と話す機会があり、「今回の2ℓエンジンの開発はとても楽しかった」と語ってくれた。目標に向けて新たなエンジンを創り上げて結果を出す行為はエンジニア冥利に尽きるもので、それを楽しめるようにバックアップするマツダという企業の志しの高さが見えてくる。


今回のロードスターRFに搭載されるSKYACTIV-G 2.0エンジンの改良箇所を見ていると、トータルな完成度の高さからメーカー純正チューニングカーといえる。この変更でロードスターRFがよりドライビングを楽しめる魅力的な存在になったのは言うまでもない。

なおソフトトップのロードスターは搭載する1.5ℓユニットに2.0ℓエンジンで開発した技術を採用。全域でトルクを向上させ気持ちの良い走りを実現するとともに、燃費性能も向上させた。装備品ではRF同様の運転支援アシストの採用とステアリングのテレスコピック機能が加えられている。

エクステリアでは、ブラウン色の幌とスポーツ・タンのレザーシートを備える特別仕様の「キャラメル・トップ」が追加されたのがニュースだ。



新型RF 従来型と比較試乗


取材班は、短時間ではあったが新旧RFの比較試乗をする機会に恵まれた。

新型に乗ってまず感じられるのが、高回転までの伸び感。「もっと踏みなさいよ」というクルマからのアジテーションだった。

ストレートでは、エンジン回転の上昇にともない直線的にパワーが立ち上がる。レブリミットが700rpm高まったことによる伸びしろと、気持ち良いエンジンの燃焼音がシンクロし、快感に任せてアクセル踏み続けたくなる。


コーナーでは、ステアリングと右足の操作による姿勢のコントロールが従来型に比べ安定していると感じた。とくに3速の中回転域を使いながらの旋回は、クルマ全体が持つ安定感と、トルクの谷間をなくしたチューニングがドライビングの魅力を高めている。

今回はクローズドコースの新旧比較試乗となったが、別の機会に改めて一般道におけるインプレッションを報告したい。

新型マツダ・ロードスターの価格は下記の通り。本日から受注を開始し、7月26日に発売する。

・ロードスター
ソフトトップモデル:255万4200円~325万6200円
特別仕様車「キャラメル・トップ」:309万4200円~320万7600円

・ロードスターRF
リトラクタブルハードトップモデル(RF):336万9600円~381万2400円

なお、AUTOCAR JAPAN上でご覧の方は、「すべての画像をみる」ボタンから、外部メディアの方は、記事下のリンク「『新型マツダ・ロードスターRF メーカー純正チューニングカー』すべての画像をみる」から、ほかの画像をお楽しみいただける。

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