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布製チェーンで新たな規制にも対応。手軽で安価で性能十分なオートソックの正体とは

掲載 更新 17
布製チェーンで新たな規制にも対応。手軽で安価で性能十分なオートソックの正体とは

これまで高速道路や峠道など降雪時のチェーン装着は、道路管理者や警察の判断で行われていて、雪道用タイヤであるスタッドレスタイヤを4輪に装着していれば、多くの場合チェーン規制でも通行すること許されていた。このチェーン装着は現場の判断によって異なるため、スタッドレスを装着していたもチェーンの装着求められこともあった。

そして2018年末に騒動になった新たな「チェーン規制」。ご存知の方も多いと思うが、2018年の冬シーズン直前に発表されたため、スキーなどウインタースポーツをするためにドライビングをする人を混乱させた。高速道路で降雪があるとチェーンを装着しないといけなくなったと誤解したユーザーは、カー用品店に駆け込む事態も起きた。誤解するのも当然だろう。これまではスタッドレスタイヤを装着していれば、ほとんど通行規制されることはなかったからだ。

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この新たな規制をここでもう一度整理しておく。規制は特定の道路で新たに設けられた標識で行われる。これは「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の一部改正で、規制区間には「タイヤチェーンを装着していない車両通行止め」の標識が設置されている。この標識が示す区間ではスタッドレスタイヤを装着していても、チェーン規制時はチェーンを装着しないと走行不可となった。

規制標識があっても降雪があれば直ちにチェーン装着となるわけではない。降雪が続き気象庁などで「大雪特別警報や大雪に対する緊急発表」が行われるとチェーン規制が発動。そのため降雪があっても大雪特別警報や大雪に関する緊急発表がなければ、通常どおりスタッドレスタイヤで走行可能。

ドライバーとして、ウインタードライブでは雪に備えることも大切。チェーンの携行は必須だ。しかし金属チェーンや収納がかさばる非金属チェーンを荷室スペースに置くのは面倒だし、ほとんど使わない高価なチェーンを買うには抵抗がある。そこでおススメしたいのが「布製カバータイプ」と呼ばれる布製のチェーンだ。

布製と聞いて性能や規制に適合しているか不安になるユーザーも多いと思う。しかし、一部の製品は自動車メーカーが純正部品として指定していた実績があるから、性能は折り紙付きといっていいだろう。それにチェーン規制に適合する布製チェーンである「オートソック」は、規制時に安心して使うことができる。

オートソックの最大のメリットは、軽くて荷室の場所を取らないコンパクトさ。万が一の規制に備えチェーンを用意するなら、オートソックが打ってつけだ。走行時の乗り心地がいいのもうれしい点。金属や樹脂製では凹凸部が大きいためどうしても乗り心地悪化してしまうが、オートソックは布製がタイヤ表面を覆うので凹凸がなく、スタッドレスタイヤと変わらない乗り心地が得られる。それにオートソックの市販価格は比較的安価で、コンパクトカー用なら1万円前後で入手でき、大径タイヤ用でも1万数千円だ。

装着が簡単なこともオートソックの特徴。その名のとおり靴下をタイヤに履かせるように製品をタイヤ半分に被せ、前進させて半周してタイヤ全体に被せるだけだ。布製のため扱いが簡単で力がいらず、ジャッキアップや専用工具で締め上げるという作業も不要。

今回、日産リーフに装着して都内の乾燥路を1kmほど走ったが、オートソックのトレッド部は軽く毛羽立っただけでほとんどダメージはなく、乾燥路でタイヤが空転するほどの加速をしても布は破れることはなく丈夫だった。

耐久性を心配するユーザーも多いと思うが、オートソックは乾燥路を100km/hのスピードで100km走行してもチェーンとしての機能があるという。金属チェーンでは100km/hで走ることは不可能で、非金属系でも振動が大きく破壊される可能性があるため乾燥路ではスピードを出すことはできない。もちろんオートソックも推奨スピードは50km/hとしているので乾燥路の走行では注意したい。

オートソックの担当者に聞くと、ある程度使ってトレッド部の表面が毛羽立った状態のほうがグリップ性能は向上するらしい。これは繊維が毛羽立ことによって毛細管現象を起こす範囲がより多くなり、吸水性能がアップするためだという。アイスバーンでオートソックがグリップするメカニズムも、タイヤが氷に接地することでできる水膜をオートソックのトレッド部の布が吸水するためだ。

もちろんオートソックにもグリップの限界はあるが、金属製や非金属製のようにトレッドに段差ができないため、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・システム)などの横滑り防止装置の作動を妨げにくい。また、金属製チェーンなどを装着できない車両にもおススメしたい。輸入車やスポーツカーの一部はタイヤと車体やサスペンションとの隙間が小さく干渉する危険性があるが、オートソックならほとんどのクルマに装着可能だ。

新たな規制と急な降雪に備えて、コンパクトで軽量な布製チェーンを車載することをオススメしたい。

〈文=丸山 誠〉

■参考
国土交通省が2018年に発表したチェーン規制標識がある高速道路は以下の7路線。
1 新潟県・長野県E18上信越道の信濃町IC~新井PA(上り線)の24.5km
2 山梨県E20中央道の須玉IC~長坂ICの8.7km
3 長野県E19中央道の飯田山本IC~園原ICの9.6km
4 石川県・福井県E8北陸道の丸岡IC~加賀ICの17.8km
5 福井県・滋賀県E8北陸道の木之本IC~今庄ICの44.7km
6 岡山県・鳥取県E73米子道の湯原IC~江府ICの33.3km
7 広島県・島根県E74浜田道の大朝IC~旭ICの26.6km

一般道は峠道や地形上降雪が多い場所が規制区間になっている。直轄国道6路線の一部が規制区間。
1 山形県112号月山道路の西川町月山沢~鶴岡市田麦俣の15.2km
2 山梨県・静岡県138号山中湖・須走の山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口の8.2km
3 新潟県7号大須戸~上大鳥の村上市大須戸~村上市上大鳥の15.3km
4 福井県8号石川県境~坂井市のあわら市熊坂~あわら市笹岡の3.2km
5 広島県・島根県54号赤名峠の広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名の2.5km
6 愛媛県56号鳥坂峠の西予市宇和町~大洲市北只の7.0km

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みんなのコメント

17件
  • いい面しか書いてないけど、デメリットもあるはず。
    記事の通りいい事尽くめならもっとバカ売れしてる。
  • 自分のクルマが走破できる状態でも1台の馬鹿なクルマが立ち往生するだけで、大渋滞や通行不能になるんだよ。悲しいよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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