■2014年道交法改正後、純正で搭載される車種が拡大中
「シーケンシャルウインカー」は、ライトが流れるように点灯することから「流れるウインカー」とも呼ばれています。
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2014年の道路交通法改正に伴い日本国内でも搭載が可能になり、右左折するときにウインカーが流れるように点灯するから視認性が向上したり、見た目のアクションで高級感を演出できることか人気を得ています。
当初は高級輸入車が採用することが多かったのですが、国内メーカーでも徐々に浸透してきており、現在ではSUVやミニバン、軽自動車にまで装備。
純正では設定がなくても、社外メーカーからシーケンシャルウインカーの車種対応モデルが数多く販売されています。
実は、シーケンシャルウインカーには細かい規定があり、その規定に沿っていないと車検に通りません。
まず、光が流れるパターンですが、これは「内側から外側へ」の点灯パターンのみ認められています。
その場合も、ひとつずつが外側に順次点灯していくのではなく、点灯するランプが徐々に積み上げられ、最終的には片側のウインカーがすべて点灯してから消えるパターンしか車検には受からないようです。
純正の場合はこの基準通りでしょうが、複数の点灯パターンを用意する社外品もあるので確認は必要でしょう。
ちなみに点滅周期は毎分60回から120回、点滅の速度が一定であることなどは通常のウインカーと一緒です。また、ハザードランプなど左右同時で点灯させる場合や、前後にシーケンシャルウインカーを搭載する場合は、前後左右の点灯が同期している必要があります。
埼玉県の整備士Fさんに聞いてみたところ、シーケンシャルウインカーに交換したいとの相談は結構多いようです。
「一番のメリットは、ドレスアップ目的のカスタムとしてシーケンシャルウインカーのアクションが加えられることでしょう。
また外側に流れるように点灯するので、後続車などが直感的に曲がる方向を理解しやすいという実用性もあります。
さらに、社外品はたいていLEDを使っているので、純正ウインカーより明るくなり視認性が高まるというのもメリットといえます。ウインカーをLED化するなら選ぶ価値があるといえます」
一方で、流れるような点灯アクションを嫌う人もいるのだそうです。
「実際に、昔ながらのシンプルな点滅パターンを好まれるお客さまも多く、シーケンシャルを通常のパターンに戻したいと相談を受けることもあります」(F整備士)
そういった場合でも、社外品の場合は配線を追加するだけで対応できるものもあるそうです。
点滅パターンと連鎖パターンのどちらも選べるようにできているのが、社外品の大きなメリットなのだそうです。
「ただ、車種に対応した社外品のシーケンシャルウインカーのなかには車検に合格しない形状のものもありますので、選ぶ前に注意が必要です。
たとえばテールランプが縦型の場合、逆L字のような形状で流れるパターンが多いのですが、タテの長さがヨコの長さの1/2程度でないと車検は通らないとされています。
縦長のシーケンシャルウインカーは連鎖点灯アクションができる構造だとしても、残念ですが点滅パターンに変更する必要があります」(F整備士)
■純正で未設定のクルマに後付け装着がトレンド
今後もシーケンシャルウインカーを採用する新型車が出てくると思われますが、純正ではなく、社外品のシーケンシャルウインカーに交換した人は、どのような目的で取り付けたのでしょうか。
トヨタ初代「86」にお乗りのCさん(20代・男性)は、なぜシーケンシャルウインカーを取り付けたのでしょうか。
「やっぱり、新しいものを取り入れてみたかったのが一番の動機です。
エアロパーツもそうですが、ベース車両の魅力を現代風にアップグレードするためにも、ライトのカスタムでLED化は必須かなと。
86でLEDウインカーはあっても、シーケンシャルウインカーはまだ数少ないのも魅力でしたね」
たしかに、スポーツカーにシーケンシャルウインカーの組み合わせはかなり目立つでしょう。
スバル「WRX」にお乗りのSさん(20代・男性)も、ほかの人とは違うWRXにしたいと考えてライトのカスタムに着手中だといいます。
ヘッドライトはすでに社外品に換装済みで、今回シーケンシャルウインカーを取り付けたそうです。
アフターパーツ業界では、車種専用でアセンブリー交換だけで装着できるキットが数多く販売されており、シーケンシャルウインカー装着はしやすいといいます。
一方、トヨタ「ハイエース」に乗っているTさん(40代・男性)は、縦型テールランプにシーケンシャルウインカーを取り入れたオーナー。
しかし、前述のように縦に流れるタイプは車検に受からないことから、流れるように点灯させられず、通常の点滅パターンとなりました。
「ハイエースにLEDウインカーを装着する際に、せっかくならトレンドを取り入れたくてシーケンシャル型にしたかったんですが、タテヨコの比率が社外品の場合は基準に満たなかったようで断念しました」
残縦に流れるランプはNGとなってしまったのですが、社外品のシーケンシャルウインカーを取り付けるのはやはりドレスアップ目的が多いようです。
ハイエースはカスタムベースとしても人気が高く、トヨタのほかの車種が純正として装備化が進んでいることもあり、純正では設定がないからこそいち早く取り込みたかったとTさんはいいます。
埼玉県の整備士Fさんも、今後もカスタムとしてシーケンシャルウインカーは人気が高まっていくだろうとのこと。
「エアロパーツなどを装着したことによる構造変更や、車検のたびに取り外したりするパーツは好まれない傾向があります。
むしろ車検に対応したパーツを、純正のイメージを残しつつ好みに仕上げるカスタムが人気になってきていると感じます。
弊社のような整備工場でも、純正品と同じクオリティや形状のパーツなら十分対応できますし、整備性を考慮しても車種専用の社外品パーツの需要はこれからも高いのではないでしょうか」
※ ※ ※
シーケンシャルウインカーは見た目の良さだけでなく、直感的にどちらの方向へ曲がるかを周囲に認知させやすく安全面でも効果は高そうです。
もちろん従来の点滅式が悪いということではありませんが、今後新車を買うときは、シーケンシャルウインカーが当たり前の装備になっているかもしれません。
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在来の普通のが良いです