RRからレイアウト一新!新時代のスバル軽自動車
スバル・レックスはR-2の後継として1972年に登場した軽自動車であり、2回のフルモデルチェンジを経て20年以上も生産・販売されたヒット作である。初代レックスは、それまでのR-2、ひいてはスバル360にまで遡る伝統のRRレイアウトを採用していたが、二代目モデルでそれは完全に刷新されることとなった。
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【画像38枚】懐かしき80s軽自動車レックス・コンビとその制作過程を見る!
二代目レックスは1981年10月に発売された。エンジンは水冷・直列2気筒OHC、排気量544ccのEK23型で、最高出力は31ps。これを横向きに積みデフを横に配置したFF方式を採用、これにより室内スペースを広く採っている。サスペンションは前ストラット/後セミトレ。ボディ形式は3ドアと5ドアのハッチバックだが、前者はレックス・コンビを名乗る。これは、スズキ・アルトが先鞭をつけた商用登録のボンネット・バンであるためである。
1983年には、3ドアの5ナンバー仕様モデルが追加されたほか、4WDも登場。これはシフトノブに設けられたスイッチで切り替えが可能なパートタイム方式の四輪駆動で、リアサスペンションはストラットに変更されている。さらに同年末には、FFモデルにターボ(最高出力41㎰)も追加。1984年9月にはマイナーチェンジを行い、ヘッドライトを丸型から角型に改めたほか、4WDにもターボ仕様を加えた。1986年11月に三代目へとモデルチェンジされているが、のちのヴィヴィオにも繋がる基礎を作ったのがこの二代目レックスだったと言ってよいだろう。
走行ギミックから開閉アクション、レイアウトまで実車を再現した好キット
この二代目レックスのプラモデルはイマイ製1/20スケールのキットがあり、金型を引き取ったアオシマから幾度もリリースされている。最後の再販からすでに数年が経っているが、現在も入手は比較的容易なはずだ。しかし、1/24スケールのキットとなると、当時の日東によるキットしかなく、貴重な絶版キットとなっている。ここでお目にかけているのは、この日東製レックス・コンビXLを制作した作品であるが、これについて作者・棚瀬氏による解説を、以下お読みいただこう。
「旧イマイと日東のレックス・コンビはどちらも、当時のカーモデルの標準仕様とも言うべき『モーター走行可能』という構成であるが、イマイのキットが後輪側にモーターを置き後輪を駆動させるという、よくある方式であるのに対し、日東のキットは実車同様に前輪側にモーターを据え、前輪を駆動させるという非常に意欲的な構造を採用している。
また、サンルーフがポップアップ可能、電池ボックスを後席下(実車では燃料タンクの位置!)に収め、リアゲートを開閉可能にし、さらに後席背もたれを可倒式にすることで、まさしく実車同様荷室を最大限に活用する姿まで再現できることができるという、非常に至れり尽くせりなキットである。この姿は前輪駆動とした実車のアピールポイントそのものであり、実物を模型化するという行為のまさに鑑(かがみ)というべきものである。各パーツのディテールも細かく、古いキットにみられるパーツの合いの悪さも見られない(むしろピッタリすぎて塗装するとキツくなる)という、メーカーの技術力の高さがあちこちに窺える製品だ。
今回の制作は基本的に素組みであるが、実際のところ大きく手直しが必要となる箇所はない。初心者でも安心して作れる、とまでは言えないかもしれないが、各パーツの擦り合わせをきちんと行い丁寧に組んでいけば、どなたでも完成した姿を手にすることは出来る筈である。また、作例は別売のモーターを組み込み配線も行い、実際に走行できるようにした。直進は問題ないが、ステアを切った状態での走行は残念ながら困難であった(これは私の組み立て能力によるものが多分にあると思われる)。
日東の自動車キットの多くは、同社廃業(のちに再建)後、金型は童友社を経てフジミに移り、ヨタハチやSR311等が発売されているが、このキットは再販されていないと記憶している。もし可能なら、是非とも再販して欲しい名作である」
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みんなのコメント
このシリーズ全般に言えますが、マニアックな車種選定と、凝ったFFギミックで、ギア含め可動部全てがインジェクションパーツできちんと組上がるのは驚きです。また、電池ボックスが後部シート下にスッポリ隠れ、ディスプレイモデルとしても十分な出来です。
少々作りづらいところはありますが、良いキットです。