現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 無敵の名を掲げたピックアップ トヨタ・ハイラックス・インビンシブル50

ここから本文です

無敵の名を掲げたピックアップ トヨタ・ハイラックス・インビンシブル50

掲載 更新
無敵の名を掲げたピックアップ トヨタ・ハイラックス・インビンシブル50

無敵の名を掲げたハイラックス

text:George Barrow(ジョージ・バロウ)

【画像】トヨタ・ハイラックス 全94枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


欧州市場に台数限定で用意された、トヨタ・ハイラックスの特別仕様は、もしかすると本当に無敵かもしれない。ハイラックス・インビンシブル50は、そう思わせてくれる。

ライフスタイルのイメージを大切にする、ピックアップ・トラックのユーザーを惹きつけるべくカスタムされた、ハイラックス・ダブルキャブの強化版。どんなハイラックスより間違いなくオフロード性能は高められている。

過酷な環境に対応するクルマを生み出すエキスパート、アークティック・トラックス社と、サスペンションの専門メーカー、ビルシュタイン社とのパートナーシップによって生まれた。インビンシブルとは、英語で無敵を意味する。

すぐに気づく変更点は、16インチのサテンブラック・アルミホイールと、ホワイトレターが凛々しいBFグッドリッチKO2オールテレーン・タイヤ。ビルシュタイン製のパフォーマンス・ダンパーにより、フロントが40mm、リアが20mm、リフトアップされている。

車高が増したおかげでサスペンションのストロークは大きくなり、アプローチアングルとデパーチャーアングルも改善。急な斜面でもフロントやリアを擦らずに走破できる。見た目もアークティック・トラックス社らしい、冒険仕様の雰囲気に仕立てている。

インビンシブル50には、オーバフェンダーにグロスブラックのスポーツ・ロールバーが追加され、その上には高輝度のLEDスポットライトが4灯並ぶ。マッドフラップやテールゲート、ホイール、車内のトランスミッション・トンネルなどには、アークティック・トラックスのインビンシブル50であることを示すロゴがあしらわれる。

専用サスで圧巻のオフロード性能

アークティック・トラックス社が手掛けただけあって、オフロード性能は圧巻。高くなった最低地上高は、障害物を乗り越えるクリアランスを増やし、大きな窪地でもはまらず、より深い河川を渡ることを意味する。

通常のハイラックの場合、フロントはコイルスプリングだが、リアはリーフスプリング。インビンシブル50の場合、サスペンションは前後ともに専用のコイルスプリングとなり、路面の凹凸をより柔軟に吸収し、乗り心地の質も良くなっている。

砂利道でスピードを上げても、魔法のじゅうたんに乗っているかのように滑らかにいなしてくれるはず。オフロードを走れば、乗り心地の違いは明確に感じられるだろう。

泥炭地などでは大きなブロックパターンのBFグッドリッチ製タイヤが威力を発揮。150psのターボディーゼル・エンジンの太いトルクと組み合わさって、ズブズブの路面を脱出するのも難しい課題ではない。荒野にはうってつけの足回りだ。

だが舗装路はあまり得意ではない様子。特に濡れた路面では、分厚いタイヤは充分に路面を掴むことができず、滑ってしまう場面がある。加えてオフロードに特化したぶん、英国郊外の国道で許されたスピード域(100km/h)では、サスペンションが荒れた路面を処理しきれず、ボディに振動が伝わり落ち着かない。

他のピックアップトラックの場合は、インビンシブル50より乗り心地が悪い。だがビルシュタインとのパートナーシップを考えると、少し残念な仕上がりだと感じた。

ハイラックスファンなら食指が動く

太陽が沈みヘッドライトを灯すと、すべてを許せてしまう世界が広がる。頭上の4灯のスポットライトが信じられないほど明るいのだ。完全な暗闇でさえ、昼間のように見渡せる。丘の向こうの目的地の、目印になるような明かりすら必要性を感じないほど。

振動が伝わる乗り心地は、スポットライトの光をも振動させ、時に夜空を照らすようなこともある。だが圧倒的な明るさは、乗り心地を超えて魅力的に感じられる。

快適で雰囲気の良いインテリアに力強いエンジンを備えたハイラックスは、フォルクスワーゲン・アマロックやフォード・レンジャーなど、ダブルキャブ・ピックアップのカテゴリーでも充分に競争力は高い。この3万9995ポンド(543万円)のハイラックス・インビンシブル50はその頂点にある1台だ。

フォード・レンジャー・ラプターや、その上のフォックス・レーシング・ショックを備えたオフロード・スーパーカーに迫る性能を獲得したともいえる。だが、残念ながらレンジャー・ラプターの横綱相撲に変わりもなさそうだ。

フォード・レンジャー・ラプターは9000ポンド(122万円)も価格は上だが、パワーで大きく劣るインビンシブル50と比較すると、お金の使われ方には妥当性を感じる。

限定生産という魅力もあるトヨタ・ハイラックス・インビンシブル50。確かにサスペンションやボディキットだけという内容には物足りなさもある。だが不死身の堅牢さを誇るハイラックスの根っからのファンなら、充分に食指が動く存在となるだろう。

トヨタ・ハイラックス・インビンシブル50のスペック

価格:3万9995ポンド(543万円)
全長:5330mm
全幅:1915mm
全高:1850mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:12.3秒
燃費:12.8km/L
CO2排出量:204g/km
乾燥重量:2159kg
パワートレイン:直列4気筒2393ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:150ps/3400rpm
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:6速オートマティック

こんな記事も読まれています

道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
motorsport.com 日本版
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
レスポンス
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
Auto Messe Web
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
Webモーターマガジン
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

407.2477.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

89.0690.0万円

中古車を検索
ハイラックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

407.2477.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

89.0690.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村