WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、9月4~6日に行われる2020年シーズン第4戦『ラリー・エストニア』に、選手権をリードするセバスチャン・オジエをはじめ、第2戦スウェーデンのウイナーとなったエルフィン・エバンス、選手権4位につける若手カッレ・ロバンペラの3名で参戦する。
オジエ、エバンス、ロバンペラという新しい顔ぶれをトヨタ・ヤリスWRCのドライバーに迎え入れて2020年シーズンをスタートさせたトヨタ。1月の開幕戦モンテカルロでは、オジエとエバンスが幸先よく表彰台を獲得すると、第2戦ではエバンスが移籍後初優勝を飾るとともにロバンペラが3位表彰台を手にした。
続く第3戦メキシコではオジエが今季初勝利。それと同時にドライバーズランキングで首位に立ち、エバンスが同2位、ロバンペラも4位につけている。
また、トヨタはマニュファクチャラー選手権で、ランキング2位につけるヒュンダイ・モータースポーツに対して21ポイントリードしてトップに立っている。チームは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによるシーズンの中断、およびラリージャパンを含む多数のラウンドの中止や延期を経て再開を迎えるエストニアで、このリードをさらに拡げることを目指す。
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そのエストニアでは以前から国際的なラリーイベントが開催されてきた。近年はWRCフィンランドの“前哨戦”として多くのトップチームやドライバーを迎えていたほか、2019年大会はWRC招致大会として実施され、WRCの全マニュファクチャラーが参戦。そのなかでトヨタ・ヤリスWRCは2年連続で総合優勝を飾っている。
ヤリスWRCとの相性の良さを感じさせるラリー・エストニアはグラベル(未舗装路)がステージの大部分を占める。速度域はハイスピードで、ラリー・フィンランドと似たキャラクターを持つが、路面には砂利が多くフィンランドよりも滑りやすいのが特徴だ。
このため、チームはテスト規制の緩和後、フィンランドとエストニアでトヨタ・ヤリスWRCのテストを実施し、WRCの再開に向けて準備を進めてきた。
「この瞬間を待ち望んでいたファンの皆さんやパートナーのためにも、ふたたびラリーに参戦できることをうれしく思う」と語るのはTOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるトミ・マキネン代表。
■ヤリスWRCが「高速グラベルで強いことは確認済み」とエバンス
「このような困難な時期に、人々に楽しみをもたらすことができれば幸いだ。今となっては遠い昔のことのようにも感じるが、シーズンの始まりは我々にとって非常にポジティブなものだったので、これからもそれを維持していきたいと思う」
「ドライバーたちはエストニアのステージにそれほど慣れていないが、ステージはとても高速で、我々のクルマに合っているはずだ。この数週間で可能な限りの準備をしてきたので、上位争いができることを期待している」
選手権リーダーとして出走順1番となるオジエは、厳しいラリーになることを覚悟しながらも、ベストを尽くすとコメント。
「ステージは非常にハイスピードで、きっと厳しいラリーになるだろう。しかし、ヤリスWRCはそのような速いステージでも自信をもって走れるし、フィンランドとエストニアでのテストを経て、クルマに良いフィーリングを感じている。目標はベストを尽くして戦うことだ」
エバンスは「昨年このイベントに参加していたのはラッキーだった」と語り、「場所によっては(フィンランドより)さらにハイスピードだ。そして、我々のクルマが、そのような高速グラベルロードで力強いことはテストで確認できている」と続けた。
また、ロバンペラは「長い休みがあったので、序盤からスピードを上げるのは簡単ではないけれど、(事前に)良いテストができたので準備はできているよ」と準備万端であることをアピールしている。
9月4日に3日間の日程がスタートするラリー・エストニアだが、金曜はエストニア第2の都市タルトゥにあるラディ旧空軍基地に置かれる、サービスパーク近くのショートステージで1SSのみが行われる予定だ。本格的なラリーは土曜からとなり、土日の2日間で計16本のステージを走ることになる。
5日(土)は午前中に5本のSSを走行。サービスをはさみ午後に同じステージを再走する。最終日の6日(日)は、3本のステージを各2回走行するが、前日とは異なり昼間のサービスはない。3日間で走行するSSの数は全17本で、合計距離は232.64kmとなる。これは300km以上ある他のWRCイベントと比べて短い距離となっている。
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