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トヨタ「ライズ」がどうにもとまらない!? 小さなSUVが販売好調な理由

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トヨタ「ライズ」がどうにもとまらない!? 小さなSUVが販売好調な理由

■「ライズ」がどうにもとまらない!

 トヨタのコンパクトSUV「ライズ」の勢いが止まりません。2020年2月の登録車販売台数では、ライズが2か月連続で首位を獲得しました。なぜ、ライズはこれほどまでに人気なのでしょうか。

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 自動車業界では「SUVブーム」といわれて久しいです。国内のSUV市場では、2010年頃から現在のSUVブームが形づくられたとされています。

 当時は日産「2代目エクストレイル」やマツダ「初代CX-5」などのミドルサイズSUVがけん引していました。その後、SUV市場を確固たる地位にしたのが、ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」といったコンパクトSUVです。

 その後も新型モデルとして、マツダ「CX-8」や「CX-30」、三菱「エクリプスクロス」が登場。2019年には、国内市場への復活組としてホンダ「CR-V」やトヨタ「RAV4」が話題となりました。

 なかでも、RAV4は2019年4月の登場以降、5月6817台、6月7822台、7月8646台、8月6277台、9月6601台と好調を維持。消費税増税後の10月こそ3919台と3000台に落ち込んだものの、11月4988台、12月5759台となり、2020年1月5549台、2月5739台と新車効果が薄れてくる現在でも人気を保っています。

 RAV4が安定して売れ続けている理由について、トヨタの販売店スタッフは次のように話しています。

「これまでSUV新車市場をけん引してきたのは、スタイリッシュな都会派クロスオーバーのコンパクトSUVでした。具体的には、『C-HR』や『ヴェゼル』などが挙げられます。

 対して、RAV4はミドルサイズSUVであるほか、デザインもワイルド系です。機能面では世界初の4WDシステムを採用するなどの点も、売れ筋だった都会派SUVとは方向性が異なります。これまでと方向性の違うSUVという点などが、売れている要因といえます」

※ ※ ※

 そして、このRAV4人気の勢いを超えたのが前出のライズです。2019年11月5日に発売されたライズは、月間目標4100台に対して、発売後1か月で約8倍となる約3万2000台を受注しました。

 なお、ライズの販売台数は、発売月の11月が7484台、12月9117台となり、2020年1月の1万220台と2月の9979台は登録車全体で1位となる記録です。

 ライズの開発・生産はダイハツが担当し、ダイハツでは「ロッキー」として販売され、トヨタへはOEMとして供給していますが、あまりの人気ぶりのため、ライズの供給が追いつかなくなる自体にまで発展したことから、一時期はオーダーストップなどの制限が掛かったといわれています。

 前出とは別の販売店スタッフは、ライズについて、次のように話します。

「ライズは、全長4m以下の5ナンバーサイズで、力強いスタイルが特徴の小型SUVです。コンパクトなサイズでありながら、クラストップレベルの広々とした荷室と室内空間、多彩な収納スペースなどを備えた点が、お客さまから好評を得ています。

 また、デザインもRAV4に似ている部分もあり、予算的にやサイズ的にRAV4を断念した人がライズを購入されるケースもあります」

※ ※ ※

 復活して絶大な人気を誇るRAV4を超える売れ行きのライズ。「ちょうどいい、SUV」として、2019年年間王者のトヨタ「プリウス」や12代目へフルモデルチェンジしたトヨタ「カローラシリーズ」を抑えてこれからも首位を独走するのか注目です。

■「ライズ」ノンストップ! でも「ヤリスクロス」が阻止するか?

 ライズが売れている理由として、これまでになかった「空白地帯」を埋められたことが大きな要因だといいます。空白地帯とは、どういうことなのでしょうか。

 トヨタとダイハツのOEM車は、国内の新車市場における空白地帯を埋める目的があるといいます。現在、ライズとロッキー以外にも両社のOEM車は存在します。

 なかでも、ダイハツが開発した小型トールワゴン「トール」と、そのOEMとなるトヨタ「ルーミー」、「タンク」です(スバル向けOEM車「ジャスティ」も存在)。これらの特徴は、国内で人気の高いコンパクトカー(5ナンバー車)のサイズに加えて、ミニバン人気を支える背の高さからなる室内空間の広さとスライドドアを兼ね備えている部分です。

 これらの車種は、「普通車から軽自動車に乗り換えするユーザーへの代替案」という販売戦略の一環として投入。また、ダイハツとしては、「軽自動車から普通車へのステップアップ」に最適なクルマという位置づけとなるうえ、コンパクトカー市場に同様のパッケージを持つ車種がスズキ「ソリオ」とそのOEM車くらいしかなく、まさに市場の空白地帯を埋める車種でした。

 国内市場の空白地帯を埋めるという部分では、ライズとロッキーも同じだといいます。両車のチーフエンジニアを務めたダイハツ 製品企画部の大野宣彦氏は、次のように話します。

「日本の乗用車市場は毎年横這いの状態ですが、SUVについては年々比率が上がっており、SUVの人気が高まっていることがわかります。

 SUVを購入したユーザーに話を聞くと、不満点として『荷室が狭い』『車両価格が高い』『もう少し小回りが利くとよい』などの意見が多く寄せられました。

 そこで、コンパクトサイズで広い荷室を持つ、新しいジャンルのSUVの世界があるのではないかと思い、ライズ/ロッキーの開発をはじめました。

 ライズ/ロッキーは、軽自動車やコンパクトカーから乗り換えるランクアップや、ミニバンや大型SUVからダウンサイジングなど、幅広いお客さまにマッチするのではないかと思います」

※ ※ ※

 では、ライズとロッキーこのまま好調に売れ続けるのでしょうか。その鍵を握るのが2020年3月に開催予定だった「ジュネーブモーターショー2020」です。

 このモーターショーは、新型コロナウイルスの影響によって中止となりましたが、トヨタはこの場で新型「ヤリス」と同じ新プラットフォーム「GA-B」を用いたコンパクトSUVをお披露目する予定でした。

 ショーが中止となったため、詳細は明らかにされていませんがタイなどのアジア圏向けに販売されている「ヤリスクロス」のような車種が登場するとなれば、C-HRよりも室内空間が広く、ユーティリティが向上しているSUVがトヨタのSUVラインナップに加わることとなります。

 トヨタは、米国向けなどに日本未導入のミドルサイズやラージサイズのSUVを展開していますが、コンパクトサイズでは欧州などとラインナップの差はありません。
  
 もし、ヤリスクロスが国内市場に導入されるとなると、「低価格&5ナンバーのライズ」、「ユーティリティ&3ナンバーのヤリスクロス」、「スポーティ&個性的なデザインのC-HR」、「オフロード感あるRAV4」、「ラグジュアリーなハリアー」、そして「プラドを含むランドクルーザーシリーズ」など、さまざまなニーズに応えられるラインナップが完成します。

 ヤリスクロスが国内市場に導入されるかは未知数なうえ、お披露目されていない以上は販売時期も近くはありません。そのため、当分はライズは安定した販売台数を築けるといっても過言ではないようです。

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みんなのコメント

9件
  • 性能はそこそこでも基本性能さえあればヘビーユーザー以外の層は満足。価格も今時のSUVからしたらかなり安い。家族も先週契約してた。
  • 欲しいな、
    三気筒エンジンとテレスコピックが無いのは
    きになるが、目線が高いのはいい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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