フルフェイスヘルメットをかぶって夏場の炎天下を走るのは、苦行と感じることもあるだろう。カブトの新型フルフェイス「シューマ」は空冷性能を追求。もともと換気性能に定評があったカブトの意欲作だ。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
カブトの2021年新製品「シューマ」をテスト&レポート
「フルフェイスは暑い」の既成概念を撃破!
【原付二種のカブを比較】乗り味・燃費・装備・価格を比べてみた!
保護性能の高さは判っていても、「暑苦しい、被り脱ぎが面倒、価格が高い」といった理由でフルフェイスヘルメットを敬遠するライダーが少なくない。だが、そうしたイメージを一挙に覆したのがカブトの新作フルフェイス『シューマ』だ。
まず感心したのが換気性能の高さ。走り出した途端に額から後頭部にかけて空気が流れていることを実感でき、熱気の滞留がまったくない。これは額のKabutoロゴの上と左右に配置されたベンチレーターの形状、サイズが市街地走行に合わせて作り込まれていることと、内装側に空気の通路(溝)を設けて空気を流しているから。
いくら外気を多く取り入れても、排気効率が良くなければ換気性能は上がらないのだ。加えて口元のベンチレーターからの外気流入量も多くので息苦しさを感じず、シールドも曇りにくい。
この換気性能に、紫外線と赤外線をカットするシールドを組み合わせることで、ヘルメット内の温度上昇を徹底的に抑えている。
頬と首の後ろ側への当たりが弱めのチークパッドと、ラチェット式ワンタッチバックルのあご紐で被り脱ぎしやすいことも特徴。引き換えにヘルメット下側から風切り音が入ってくるが、公道の速度域なら気にならないレベルで、口元と首が涼しいという快適さが勝る。3万円切りの価格は間違いなくお買い得だ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
換気性能の高さは文句なしだが、上部3箇所のベンチレーションをひとつずつ開閉するのが面倒。個別に流入量を調整する人はまず居ないだろうから、1本のレバーで3カ所同時に開閉できると便利。
[ アルバム : 【写真6枚】カブト「シューマ」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
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