闇雲に世界を追わず日本のニーズに応えた繊細なクルマ作り
日本屈指のサルーンとしての長い歴史を持ち、レクサスが誇る最高峰のテクノロジーがすべて搭載されたLS。その実力がワールドクラスであることに疑いの余地はないが、ならばLSを世界の超高級サルーンと比較してみるとどうか。あらためてその優位性について探っていこう。
【試乗】まるでスポーツモデルのような身のこなし! 新型レクサスLSは運転の楽しさ抜群
新型レクサスLSは、全長が5235mm、全幅は1900mmに達する。先代LSのロングボディ仕様より大きく、高級セダンの代表であるメルセデス・ベンツS560ロングとほぼ同サイズだ。ボディが大きければ高級という話ではないが、大半のブランドで全長とホイールベースの長さは高級の度合いに比例する。つまり新型LSは、世界の最高級車市場に挑むことになったわけだ。
パワートレインは一時代前の感覚で見ると、V型8気筒エンジンの廃止が物足りないだろう。クーペのレクサスLCにはV8を用意しながらLSはV6だけになるのも、旧来のヒエラルキーでは立場が低く見られそうだ。しかし今は時代が変わり、高級車に小排気量ターボやハイブリッド、ディーゼルを搭載するのが最先端の賢いクルマ作りになった。この数年間で、高級車の排気量に対する価値観は大きく変わっている。
1000万円超級サルーンの条件
1)圧倒的なクオリティと最上級のおもてなしこそが必須
車内はクラストップレベルのゆったりとしたスペースを確保し、乗る人が落ち着いてくつろげることに注力している。とくに同乗者をもてなす機能と装備が充実しており、どんな遠方への移動であっても最上の心地よさが維持できる。また、乗り込んだ瞬間から普通のクルマでは感じられないゴージャスな雰囲気を演出するべく、細部に至るまでまるで職人が手がけたような繊細な作り込みがなされているのもポイントだ。
2)フラッグシップに相応しい最先端機能と装備の充実ぶり
1000万円超級のクルマでは、あらゆる部分に各メーカーが持つ「最新鋭」の技術が導入されている。大衆車とは違い、潤沢な開発コストを投じることができるという事情があるのはもちろんだが、そこまでする理由は、フラッグシップと呼ばれるクルマにはメーカーの威信がかかっているからである。クルマの基礎であるプラットフォーム、内外装デザインや走りを司るパワーユニットやフットワーク。そして安全、快適装備など、すべてにおいてオーナーに最上の満足感を与えてくれる。新型LSも、もれなくその領域にある。
3)自動車の未来を先取りしたハイレベルな運転支援機能
いまや運転支援システムは大衆車にも採用される技術となったが、1000万円超の高級サルーンでは技術的な観点はもちろん、法規的な面でも現時点で採用可能なシステムがすべて投入されている。あらゆる走行状況でドライバーを支援することで事故を未然に防止し、安全かつ快適なドライブが行えるよう注力している。新型LSは世界のライバルとの比較においても引けをとらない先進性を身に着けている。
レクサスLSを包囲する世界最高峰サルーンと比較
高級車に小排気量エンジンを搭載するのが最先端の賢いクルマ作りになった背景には、エコロジーもあるが高性能エンジンが限界に達したことも影響している。今はターボの装着が当たり前で、メルセデス・ベンツAMG S65ロングのように、V型12気筒6リッターにツインターボを加えれば、最高出力は630馬力、最大トルクは1000N・mに達する。もはや際限のない性能数値に至ったことから、不毛なパワー競争を控えダウンサイジングに向かっているわけだ。
見方を変えると、今は世界のクルマ作りが日本の5ナンバー車時代に回帰しているような状態と言えるだろう。小さな排気量で高性能を得たり、軽いボディで広く快適な室内を備えるなど、今の高級車の価値観はかつて合理性で脚光を浴びた5ナンバーサイズの日本車に近い。
その意味で3.5リッターのハイブリッドは、この技術で20年におよぶキャリアを持つトヨタにしか開発できないパワーユニットだ。しかも全長が5mを超えるボディに搭載して低燃費を達成することは、日本の伝統的なクルマ作りにも合致する。
ライバル1) メルセデス・ベンツ Sクラス
威厳と躍動感を兼ね備えたスタイルは、メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルに相応しいもので、LSにとっては格好のライバルとなる。革新的なテクノロジーが惜しみなく投入され、究極ともいえる快適性。さらに、効率と安全を徹底して追求するなど、すべてにおいて次元の違いを見せつけるが、LSも数多くの最新鋭で対抗する。
ライバル2) BMW 7シリーズ
カーボンファイバー強化樹脂、アルミニウム、超高張力スチールを用いた複合構造ボディを採用。これが軽量化とともにボディ剛性の強化、さらに低重心化に絶大な効果をもたらし、大柄なサルーンでありながら軽快な走りが堪能できる。クルマが運転操作に関与する機能をあえて採用していないことから、運転支援機能についてはLSに及ばない。
ライバル3) ポルシェ パナメーラ
流麗なボディラインで構成されるエクステリアは、既存の4ドアサルーンとは一線を画すもので、いかにもポルシェらしいスポーツ性と、高級サルーンとしてのエレガンスが見事に融合されている。パワフルな動力性能や切れ味のいいハンドリングなどポルシェらしい特徴をもち、LSにとってはもっとも手強いライバルになるクルマだ。
ライバル4) アウディ A8
アートの領域にまで高められた美しいデザインと、軽量・高剛性で優れた安全性を誇るアルミニウムボディ「アウディ・スペース・フレーム」を採用。クワトロシステムによる走行安定性は、とくに降雪地域で大きな効果を発揮する。ただし設計の古さは否めず、運転支援をはじめとした最新鋭の機能を数多く採用している点でLSが有利となる。
世界初の装備を多数採用した新型LS
新型LSに「世界初」が豊富なことも、往年の日本車を想起させる。インテリアでは内側だけが可動する空調吹出口や、降車するときにシートを上昇させ、座面のサイドサポートを開いて腰の移動を支援するオートリフトアップ/クッションサイドアウェイ機能。フロントウインドウの視野内に、ドライバーの目から3mの距離を確保して多彩な情報を表示するヘッドアップディスプレイなど、世界初の装備が多い。
もうひとつの世界初は安全装備だ。夜間を含めて歩行者の注意喚起を積極的に行い、ハンドル操作による衝突回避も支援する。日本の道路には歩道のない場所が多く、歩行者と車両が接近しやすいから、万が一の状況における操舵の支援は有効に働く。
車庫などの駐車スペースで後退しながら出庫するときも、歩行者を検知して緊急自動ブレーキを作動させる世界初の機能を採用している。このような緊急自動ブレーキの歩行者対応は、裏通り、小さな交差点、歩道を横切って出入りする駐車場など、歩行者とクルマが交わることの多い日本の使用環境に根ざしたものと言えるが、海外市場においてもアピールポイントになるだろう。
つまり新型LSが海外のライバルに対して誇れる優位性は、ボディサイズのわりに優れた燃費性能を発揮する、ハイブリッドシステム搭載車をラインアップしている点や、レクサス流のおもてなしを体現するべく車内に用意された快適装備の充実ぶり、そして歩行者に対応した安全装備など、すべて日本のニーズに基づくものとなる。
従来のLSはメルセデス・ベンツSクラス、アウディA8など欧州のプレミアムブランドを強く意識していたが、新型LSは「日本車であること」を大切に考えているように思う。
LSがライバルに優っている先進装備の数々
POINT 1.世界トップクラスの熱効率を実現したパワーユニット
パワーユニットは2タイプ設定されているが、高級サルーンとはいえ燃費は無視できないという観点から、ハイブリッドを選ぶユーザーは多いはずだ。しかし、新開発の3.5リッターツインターボエンジンは世界トップクラスの熱効率を実現し、動力性能と燃費のバランスが絶妙だ。10速ATとの強調も見事で爽快な運転感覚を味わわせてくれる。
POINT 2.アクティブ操舵回避支援をプラスした高度な予防安全技術
従来の「レクサス セーフティ システム+」に新たな機能を加え、さらに進化発展した「レクサス セーフティ システム+A」を搭載。アクティブ操舵回避支援をはじめとした予防安全機能や、将来的に自動運転への発展を視野に入れた高度運転支援技術である「LexusCoDrive」など、現時点で考え得るすべての技術が盛り込まれている。
POINT 3.デザインと機能を融合して最上のもてなしを実現
ハイテク満載のクルマだが、車内の作りは先進性をあえて抑え、乗り込んだ瞬間からくつろぎが感じられる空間としている。日本人ならではの美意識にこだわった造形を随所に盛り込みながら機能を巧みに融合させることで、高級サルーンを選ぶユーザーの高い審美眼にかなう作りと、最上のおもてなし空間に仕上げている。各種機能が直感的に操作できるのも心地よさをもたらす要因だ。
POINT 4.高品質で高機能を徹底追求心地よさはクラストップレベル
シートは前後ともに手触り、座り心地ともに質の高さが実感できるのはもちろん、リラックスして座れるための機能が数多く採用されている。フロントは長時間でも心地よく座れるようサポート位置をきめ細かく設定できる28Way調整式としている。また上級グレードの後席には、オットマン付きの22Way調整式リヤパワーシートが装備されるなど、快適性はクラストップレベルだ。
日本人の価値観やニーズに対する細やかな配慮こそLSの魅力
欧州車を追従したような国産高級車を作ったとしても、それを見た多くのユーザーが国産高級車と相対する本場の欧州車に魅力を感じてしまう。日本車としての魅力を訴求するからには、やはり日本人の価値観やニーズに応えることが重要なのである。したがって新型LSの輸入高級車に対する優位性は、日本車の価値、そしてレクサス(トヨタ)ならではの魅力が余すところなく反映されているところにあると言っていい。
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