車のニュース [2024.08.30 UP]
マツダ CX-80の日本仕様が公開! どんなモデルがライバルになるの?
2024年8月22日、マツダ CX-80の日本仕様が公開された。マツダのフラッグシップSUVだけあり、発売を心待ちにしているひとも多いはず。そこで今回は現段階で判明している情報をお伝えしつつ、ライバルモデルと比較することで、CX-80とはどういうポジションのモデルなのかを紹介したい。
マツダ CX-80について、現段階でわかっていること
マツダ CX-80が初めて公開されたのは2024年4月のこと。まず欧州で最初に公開され、現地ではすでに5月から予約受注がスタートしている。そして先日、待望の日本仕様が公開されたので、その概要をお伝えしよう。 まずはボディサイズを以下の表にまとめてみた。
全長4990mm全幅1890mm全高1705mm~1710mmホイールベース3120mm最小回転半径5.8m 全長はほぼ5mとなっており、国産SUVのなかではかなり大きめ。デザインコンセプトを「Graceful Toughness」とし、大人の風格を備えたエクステリアが見どころだ。ボディカラーは全8色が設定され、そのうち「アーティザンレッドプレミアムメタリック」と「メルティングカッパーメタリック」はCX-60にも設定されない新色。前者は深いレッドメタリックとなっており、アダルトな雰囲気。後者は欧州車のようなブロンズ色で、どちらも高級感のあるCX-80にベストマッチしていると感じられた。
次にパッケージングだが、最大の売りは3列シートを備えること。2列目シートは、キャプテンシート仕様はもちろん、キャプテンシート(センターコンソール無し)、3人掛けベンチシートの3タイプが設定されている。センターコンソール無しの仕様はウォークスルーが可能なので、子どもがいるファミリー層に好まれそうだ。特に気になるのは3列目のスペースだろう。ここがどれだけ快適なのかによって、購入の可否が決まってくる。公式の発表では、身長170cm相当の乗員の着座を保証し、深く腰掛けた姿勢での快適性を改善しているという。また3列目からの乗降性を高めるため、ドア開口部の高さを見直し、グリップやワンタッチウォークイン機能などの装備にもこだわった。SUVでありながら、ミニバンとしても使えそうだ。
またインテリアのデザインにも注目。インパネは大胆さを感じさせる形状で、サイドルーバーがドアトリムに食い込む造形により、高級感が伝わってくる。細部をクローズアップされた画像が公開されたが、これをみる限り室内のクオリティはさらに上の高みに達したといえそうだ。
次にパワートレインを見ていこう。CX-80に搭載されるのは、3.3L 直6ハイブリッド・ディーゼル(e-SKYACTIV D 3.3)、3.3L 直6ディーゼル(SKYACTIV D 3.3)、ガソリンのプラグインハイブリッド(e-SKYACTIV PHEV)の3つを設定。パワートレインは縦置きされ、8速ATが組み合わされる。このラインアップはCX-60と共通であるが、CX-80には純ガソリン車は設定されない。
マツダのSUVとサイズを比較してみた
ここ最近、マツダのSUVラッシュには目を見張るものがある。セダンのアテンザ改めマツダ6は生産終了し、プレマシーやMPVのような多人数乗車のミニバンもラインアップから外されて久しい。それとは対照的にSUVのフルラインアップ化により、セダンやミニバンのニーズにも応えていく戦略をとっている。では、CX-80は具体的にどのようなポジションにあるSUVなのだろうか。同社のほかのモデルとどこが違うのだろうか?
現在国内で販売されているマツダのミニバンは、サイズの小さい順番にCX-3、CX-30、MX-30、CX-5、CX-8、CX-60が存在する。これらに加え、海外市場ではCX-4、CX-50、CX-70、CX-90、CX-9まであるのだから、その違いを把握するだけでも大変だ。ここでは日本市場で販売されているモデルを紹介し、CX-80と比較してみよう。
CX-3
2015年に発売されたコンパクトSUV。当初はディーゼルのみの設定とし、コンパクトSUVとしては高品質な内外装と上質な走りが人気を呼んだ。新車価格帯はおよそ230万円~340万円となっており、サイズ面、価格面でもCX-80とは競合しないだろう。運転のしやすいSUVを探しているひとにおすすめ。
CX-80CX-3サイズ差全長4990mm4275mm+715mm全幅1890mm1765mm+125mm全高1710mm1550mm+160mm
CX-30
2019年に発売されたコンパクトSUVがCX-30。マツダ3がベースのCセグメントに属しており、CX-3よりひとまわり大きいサイズ。特に車高が1540mmと低く抑えられ、SUVというよりハッチバックベースのクロスオーバーというポジション。価格帯はおよそ300万円~370万円となっている。広さと多人数乗車を重視したCX-80とはコンセプトが異なり、一般的なハッチバックの感覚で乗りたい人向け。
CX-80CX-30サイズ差全長4990mm4395mm+595mm全幅1890mm1795mm+95mm全高1710mm1540mm+170mm
MX-30
2020年に発表された新世代SUVがMX-30。CX-30と共通部分が多く、ボディサイズもCX-30に近い。ただしデザインはクーペ風で、スペシャルティ色の強いキャラクターが特徴。電動化モデルのほか、発電用ロータリーを積んだ「ロータリーEV」も設定するなど、メカニズム面でCX-30と差別化が図られている。新車価格帯はおよそ260万円~500万円(ロータリーEVを含む)。
CX-80MX-30サイズ差全長4990mm4395mm+595mm全幅1890mm1795mm+95mm全高1710mm1550mm+160mm
CX-5
2012年に初代が登場したミドルクラスSUVがCX-5。現行型は2017年に登場しており、スタイリッシュさを身につけた。ガソリンとディーゼルを設定し、好みに応じて選べるのも特徴。CX-80と比べて415mmも全長が短いが、2列シート車なので快適性は十分高い。実用性とスポーティさを両立したバランスが持ち味である。新車価格帯はおよそ300万円~420万円。
CX-80CX-5サイズ差全長4990mm4575mm+415mm全幅1890mm1845mm+45mm全高1710mm1690mm+20mm
CX-8
2018年に登場したラージサイズのSUVで、CX-80の前身となったモデル。プラットフォームはCX-5と一部共通であるが、全長は4925mmに拡大され、かなり大きなボディを持つ。CX-80と同様に3列シートを備えており、SUVにありがちなエマージェンシー用ではなく、大人も座れる広さが確保されている。CX-80と比較すると、全長と全幅はやや短いが、全高は20mm高い。2024年8月現在すでに生産終了しており、今後は在庫のみの販売となる。CX-8からの乗り換え先がCX-80になるケースも多いはず。新車価格帯はおよそ300万円~500万円となっており、CX-80はこれよりも高くなると予想される。
CX-80CX-8サイズ差全長4990mm4925mm+65mm全幅1890mm1845mm+45mm全高1710mm1730mm-20mm
CX-60
マツダのラージ商品群の第1弾として発売された上級SUVがCX-60。フロントマスクをはじめ、エクステリアはCX-80と共通点が多く、一見すると区別しにくい。ただし全長は250mmも短く、室内も2列シート。CX-80と同じくエンジン縦置きプラットフォームを採用し、エンジンラインアップもほぼ同じだが、こちらはガソリン車も設定されるのが違い。3列シートが不要ならばこちらをチョイスしたい。新車価格帯はおよそ320万円~650万円となっており、CX-80はこれよりも高い価格帯になるだろう。
CX-80CX-60サイズ差全長4990mm4740mm+250mm全幅1890mm1890mm0mm全高1710mm1685mm+25mm
他メーカーのライバルモデルはどんなクルマ?
国産車のSUVはコンパクト~ミドルクラスが中心となっており、3列目シートを備えたラージクラスのSUVは非常に少ない。ここでは、どんなモデルが競合するかを考えてみよう。
トヨタ ランドクルーザー250
3列シートのSUVという視点でいえば、ランドクルーザー250はCX-80に最も近い存在だ。ボディサイズはCX-80よりやや小さいものの、全長4925mmの堂々たるサイズに3列シートを備える点では、強力なライバルになりうるだろう。しかし、こちらはオフロード性能を重視している一方、CX-80はあくまでオンロード主体のクロスオーバー的な性格が強い。新車価格帯は、ランドクルーザー250はおよそ550万円~790万円となっており、CX-80のほうが手頃な価格で買える可能性が高い。
ジープ コマンダー
全長5m級のSUVといえば、ジープ コマンダーにも注目。現行型は2022年に発売され、ジープブランドのフラッグシップとして現在も販売されている。全長は4770mmとCX-80よりもやや小型だが、3列シートを備えている点は共通。パワートレインは2.0L ディーゼルターボが搭載されるが、電動化モデルは設定されていない。オフロード寄りの性格なので、アウトドア志向のユーザーにぴったりだ。新車価格帯はおよそ600万円~。
ボルボ XC90
輸入車の各メーカーのラージSUVの多くがライバルとなりうるが、なかでもボルボ XC90はCX-80に近い存在だ。全長4950mmはCX-80とほぼ同じ程度で、室内には3列シートが備わっている。またPHEVも設定されており、スムーズで快適な走りを約束する。オンロード寄りのキャラクターはCX-80に近いものの、新車価格帯はおよそ920万円~1300万円とCX-80と比べて大幅に高額。
正式発表は秋! 今後の情報に注目すべし
現段階では、内外装のデザインやグレード構成、ボディカラーは判明した。あとは詳細な主要諸元と装備表、そして価格が未発表となっている。正式発表は秋とされているので、ディーラーに並ぶまでもうすぐ。ターゲットは、5名以上のファミリーでプレミアムなSUVを求めている人。完全に競合するライバルが不在な日本市場では潜在的な需要も大きいはず。正式発表の日を楽しみに待っていよう。
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