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技術者たちの“本気”が物質化されたレヴォーグ──今、男が買うべき「カッコいいクルマ」を考える 第1回

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技術者たちの“本気”が物質化されたレヴォーグ──今、男が買うべき「カッコいいクルマ」を考える 第1回

クルマにとって造形の良し悪しというのはあるものの、男が「カッコいい」と感じる対象は、もっと精神性に根ざしたものでなければならない。伊達軍曹が提案する、男が買うべき「本当の意味でカッコいいクルマ」。第1回は「男たちの“本気”が物質化された」スバル新型レヴォーグを提案する。

そもそも「カッコいい」とはどういうことか

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今度の新型車の“デザイン”がカッコ良いだとか良くないだとかを、大の男がやいのやいのと言い合っている姿を見てしまったとき、筆者は少々の“違和感”ってやつを感じる。

もちろんクルマというマシナリーの造形美について語ることを否定はしない。

クルマにとって造形の良し悪しというのはやはりあるもので、もしも──具体的な車名を出して恐縮だが──アストンマーティンDB11よりもダイハツ キャストの造形のほうが美しく見えたとしたら、可及的速やかに眼科を受診するべきだろう。

だがそれは「美醜の問題」に過ぎず、「カッコいいか否か」とは階層が異なる議題なのだ。

そもそも「カッコいい」とはどういうこと、どういう状態を指す言葉なのか。

人間相手の話で言うと、「あの人は足が長いから」「顔がSixTONESの京本大我くんに似てるから」等々の理由で、「だからカッコいい」と言うのだろうか。

そういった価値観を否定するわけではないが、そんな些末なことを大の男が気にしてどうするというのだ? 男が「カッコいい」と感じる対象は、もっとこう精神性に根ざしたものでなければならない。物事の美醜を完全に無視するのは生物の本能としてさすがに難しいが、そこだけに拘泥するのは「幼い」ということである。

例えばスバルの新型レヴォーグだ。

今年11月26日に発売されるこのステーションワゴンは、走行性能についてはすこぶる評判が良いものの、デザインは今ひとつ評判がよろしくない。「眼が小すぎて、しかも離れていので、とてつもなく醜い」というのが主な意見だろうか。

まぁ「とてつもなく醜い」とまでは言われてないかもしれないが、もしもカッコ悪いか否かについて国民投票で問うならば、6:4か7:3で「カッコ悪い(特に眼が)」が優勢となるだろう。

だが、眼が小さくて離れているからなんだというのだ?

たしかに新型レヴォーグの眼のあたりは、スバルびいきの筆者から見ても「いかがなものか? 」と思うデザインではある。どうしても美しいか醜いかの二択で答えを出さなければならないとしたら、遺憾ながら「醜い」に1票を投じるだろう。

だが美醜ではなく「カッコいいか否か」についての投票を実施するのであれば、筆者は間違いなく「カッコいい」に丸を付ける。

新型スバル レヴォーグのカッコ良さとは何か?

それは「男たちの“本気”が物質化されたものである」ということだ。

「男たち」とは、旧軍に戦闘機等を供給していたヒコーキ屋すなわち中島飛行機株式会社を源流とするSUBARUの、言ってはなんだが「おしゃれ」とか「都会人の洒脱」みたいなものとはほぼ無縁の、群馬の技術者たち。

そんな男たちが寝食を忘れ──かどうかは知らないが、とにかく「300万円台のクルマだが、その軽く2倍近くはする値段の欧州製ステーションワゴンに引けを取らない、いやむしろ凌駕する純国産機を作るぞ!」と固く誓い、実際にそれをやってのけた──というのが新型スバル レヴォーグなのだ。

2016年10月発売の5代目インプレッサで初採用され、怒涛の高評価を得たSGP(スバルグローバルプラットフォーム)は、今回のレヴォーグで「フルインナーフレーム構造」へとさらに進化。おしゃれなGQ ONLINEなので機械油っぽい話は極力簡単に済ませるが、要するにこれは骨格とパネルを溶接する際の手順を抜本的に変えることで、これまでにない超高剛性なフレームおよびボディを作り上げるという新技術だ。

そしてSTI Sportという上位グレードでは、スバル初の電子制御ダンパーを採用。これまた油っぽい話はなるべく割愛するが、この電子制御サスは毎秒2000回の演算速度を持つCPUを使用し、各輪500回/秒の頻度で減衰力を切り替えるというもの。

この電子制御ダンパーには「COMFORT/NORMAL/SPORT”/SPORT+」という4種類の制御モードのほかに「INDIVIDUAL」というモードもあり、こちらのモードでは可変要素の特性を個別に設定することができる。

そしてもちろん、素晴らしいのは電子制御ダンパーのような“飛び道具”だけでない。

シリンダーブロックから新設計された1.8Lターボエンジンや約80%の部品見直しを行ったトランスミッション、取り付け構造までが刷新されたフロントサスペンション・ロワアーム等々々々々により──そしてもちろん、最大の飛び道具である“アイサイトX”にもより──新型レヴォーグは、発売前の事前試乗を行ったジャーナリスト各氏の度肝を抜くクオリティの国産機に仕上がったのだ。しかも同等か、もしくは微妙に同等以下の性能を発揮する欧州機の半値にも近い売価にて、それを成し遂げたのである。

その所業と成果物とを「カッコいい! 」と言わずして、何を“カッコいい”と言うつもりなのか?

そんな新型レヴォーグを作り上げる過程において眼が小さく、離れてしまったことは──もちろんそれは好ましいことではないのだが──まぁ小さな問題ではないか。

それはほとんど、偉大な研究に没頭するがあまり、風呂にも入らず身体が臭くなったり、ネクタイの後ろ側の「細いほう」が長く飛び出してしまっている、ダサいが、本当の意味で尊敬すべき大学教授のようなものだ。

そんな教授よりも、研究ではなく、実は高価でしゃれたスーツの着こなしとヘアセットのほうに多大な関心を寄せている教授を「カッコいい! 」みたいな目で見るのは、どうか未熟な女子学生だけにしていただきたいのである。

そして男は──今回取り上げた新型レヴォーグを選ぶかどうかはまったくの別問題でどうでもいいとして──どうか「本当の意味でカッコいいクルマ」にこそ、乗っていただきたいのである。

文・伊達軍曹 写真・SUBARU 編集・iconic

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みんなのコメント

7件
  • WRCで戦ってた頃の、ランエボを倒す為に改良を重ねていた頃のスバルはもう……
  • スバルなんかカッコいいの対極で本当にとてつもなく醜いねw

    こんなキモオタの車よりアウディやボルボやベンツのワゴンが走行性能やステータス性にも優れてカッコいいに決まってる!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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