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【ヒットの法則388】ジープ パトリオットは難コースもあっさりクリア、走破性能の高さに驚かされた

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【ヒットの法則388】ジープ パトリオットは難コースもあっさりクリア、走破性能の高さに驚かされた

2007年、ジープブランドの6番目のモデル「パトリオット」が登場した。ジープの新しいエントリーモデルはどんな性能を持っていたのか。日本上陸間もなく行われた試乗会の模様を振り返ってみよう。なおこの試乗会にはダッジ アベンジャーも用意されていた。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年12月号より)

好調ジープブランドの裾野がさらに広がる
2007年6月にダッジの4モデルを日本導入に踏み切ったダイムラー・クライスラー日本は、クライスラー部門が11月1日にクライスラー日本として新たなスタートを切った。そのラインアップのなかにあり、本格的なオフロード性能を持つジープだが、今回、コンパクトSUVとしてエントリー層の獲得を狙ったパトリオットがファミリーに加わり6モデルが揃うことになった。

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「愛国者」という意味を持つパトリオットからは、スクエアボディ、丸形ヘッドライト、縦型7スロットグリル、台形ホイールアーチというジープらしいアイコンがまず目に飛び込んでくる。バリエーションはスポーツとリミテッドの2種類。この違いは採用されるシートやサウンドシステム、フォグランプの有無などの差になって現れている。

ユーティリティのポイントは、リクライニングが最大で12度可能な60対40の分割可倒式リアシート。さらに助手席をフラットにすれば、カーゴ容量も最大で1775Lまで拡大できる。カーゴルームの脱着可能な強化プラスチック製ラゲッジボードや多彩なアレンジを可能とする多目的シートなど使い勝手は満足できるレベルにある。

パワートレーンは、Cセグメントのダッジ キャリバーにも搭載された2.4Lのクライスラーのワールドエンジン。トランスミッションは、オートスティックでマニュアル操作が可能なジャトコ製CVTが組み合わされる。これはクライスラーで初めてCVTを採用したキャリバーからフィードバックされた第二世代のCVTで、自然な加速感が味わえ、さらに従来の4速ATに比べて燃費も6~8%向上するという。

4×4性能は、電子制御式センターカップリング(ECC)とデファレンシャル、トラクションシステムで構成されたフリーダムドライブ1と呼ばれる4駆システムを装備。ECCは、通常時はフロントに100%のトルクがかかっているが、必要に応じて最大50%をリアにかけるというもの。左右へはトラクションシステム配分される。

悪路走破性はジープのDNAそのもの
パトリオットのベーシックな部分を頭に入れて試乗に出かけた。キャリバーと基本的なコンポーネンツを共用するため、オンロードでの走りは想像以上に快適なもの。日常のシーンではDレンジのままであらゆる状況にそつなく対応できるだろう。さすがにタイトなコーナーが続く場面は苦手だが、オートスティック機能を使ってマニュアル感覚にドライブすれば、キビキビとした走りも楽しむこともできる。

試乗コースには林間のラフロードも用意されていた。ジープの試乗会でもなければ、普段は絶対に通らない(避けて通る)ようなルートだ。こんな場所を好き好んで走るひとがいるのだろうかと思いながらも踏み入ることにする。しかし、ほんの数100m走っただけで、パトリオットの走破性能の高さを知らされた。ジープのエントリーモデルでしょ、という軽い気持ちがあったのも確かだが、いつのまにかそんなこともどこかに吹っ飛び、予想以上の難コースを難なくクリアするパトリオットに任せたままのドライブとなっていた。

最初こそ「なんでこんなコースに来てしまったのだろう」と後悔したものだが、次第に身体がパトリオットの悪路走破性に慣れるにつれ、撮影に立ち寄る余裕さえできたほど、まったく緊張感がなくなっていく。安心感という部分では、サイドビューカメラで、ドアミラーの死角が確認できるのも大きい。これにより障害物が路面に転がっていてもそれをモニターで確認しながら走ることができるのだ。また、片側が大きくえぐられたような路面では、サスペンションのストロークが長く、上下によく動くといった印象。ちなみにリアサスペンションはジープブランドとしては初めてマルチリンクを採用している。

この試乗会には、ダッジ アベンジャーも用意されていた。このモデルは、3月にスペインで試乗済みなので、日本導入モデルがどのように変わっているのかとても興味があったが、結論を先に言ってしまえば、ハンドルが左から右に変更された以外はほとんど変化は感じられなかった。

感じられない変化にはポジとネガがある。ポジティブな部分としては、HDDナビをはじめ空調機能付の収納などが装備された仕様がそのまま導入されたこと。そしてネガティブな部分は装着タイヤだ。スペインでの試乗車にもクムホECSTA KH11 215/55R18タイヤが装着されていたが、日本導入時には変わるだろうと期待していたのだ。しかし、そのままだったのが、とても残念でならない。アメリカンブランドに魅力を感じてアベンジャーを選ぶユーザーがこれで逃げなければいいが・・・。(文:千葉知充/Motor Magazine 2007年12月号より)



ジープ パトリオット リミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4420×1810×1665mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2359cc
●最高出力:170ps/6000rpm
●最大トルク:220Nm/4500rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:CVT
●車両価格:329万7000円(2007年)

ダッジ アベンジャー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4855×1850×1485mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2735cc
●最高出力:186ps/5500rpm
●最大トルク:256Nm/4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:4速AT
●車両価格:413万7000円(2007年)

[ アルバム : ジープ パトリオット リミテッド/ダッジ アベンジャー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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