■30周年迎えるソーラーカーレース、オーストラリアで開催
ブリヂストンは2017年6月5日(月)、今年10月にオーストラリアで開催される国際ソーラーカーレース「2017 Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ)」の説明会を開きました。
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同レースは南オーストラリア州政府観光局が主催する、今年で30周年を迎える2年に1度の国際イベントで、主に若いエンジニアの育成を目的としています。ソーラーカーでオーストラリア大陸北岸の街ダーウィンから南極海に面するアデレードまで、およそ3000kmを6日間で走破します。2015年の前回大会は22か国の大学や高校から42チームが参戦しました。
ブリヂストンはこのイベントの冠スポンサーを務めるとともに、ソーラーカーに装着される専用のタイヤを供給しています。説明会で檀上に立ったブリヂストンのブランド戦略担当 鈴木通弘執行役員は、同社がこの大会をサポートする意義について、「環境イノベーション技術『ologic』を搭載したソーラーカー専用タイヤの提供を通じ、技術面において大会に貢献すること」「次世代エンジニア育成や未来のクルマづくり、サスティナブルモビリティ(環境に配慮した持続可能なクルマ社会)といった活動を通しての社会貢献」とし、「学生エンジニアの皆様の未来のクルマ作りに向けた情熱や苦闘、そしてゴールの瞬間の歓喜といったドラマを、インターネットを通して広く発信していくことによりまして、ひとりでも多くの皆様に『World Solar Challenge』の魅力、すばらしさを知っていただきたいと思っております」と話しました。
■日本有数の「技術」が集結
2009(平成21)年と2011(平成23)年に同レースで優勝した東海大学から、チーム監督である工学部の木村英樹教授が檀上に立ち、ソーラーカーは「太陽がある限り、走行中に石油を消費せず、CO2ガスを排出しない究極のエコカー」と改めて述べ、利便性や乗員数といった課題があるものの、速度にして90km/h以上、距離にして1日700km以上と、市販の電気自動車よりも大幅な省エネ性能を達成しているとしました。同大学のチームはブリヂストンの低転がり抵抗タイヤをはじめ、パナソニックのソーラーパネル、東レの炭素繊維強化プラスチック製ボディ、ミツバ(群馬県桐生市)の高効率モーター、気象衛星ひまわりの衛星画像処理技術などが集結しています。
「太陽電池が今回4平方メートルと、30年前の半分以下、前回の3分の2まで大幅削減されるということで、かなり厳しい条件を突きつけられていますが、ほぼ前回大会に匹敵する走行性能を実現して、完走、優勝を目指します」(木村教授)
ほか、東海大チームのサポート企業として名を連ねる前述の東レ、パナソニックの担当者が檀上に立ちました。世界に先駆け炭素繊維の商業生産を開始した東レは、同社の「トレカ」という炭素繊維材料からソーラーカーのボディ成型までを担当。パナソニックは2011年より太陽電池モジュール「HIT」の開発で参戦しており、これは2017年2月に発売されたトヨタ「プリウスPHV」のメーカーオプションとして設定されているソーラーパネルとして商品化されています。
「次世代のエンジニアの育成という点で我々も共感をしており、単にモノを供給するということではなく、学生さんが実際に米原の工場に来ていただいて、モノづくりを体験していただくところからご協力させていただいております」(東レ 奥村勇吾 産業材料事業部長)
なお、ブリヂストンが供給する低燃費性能に特化したソーラーカー専用タイヤ「ECOPIA with ologic」は、通常タイヤよりも高圧の空気圧で使用し、これにより通常タイヤではおよそハガキ大あるというタイヤ1本あたりの接地面積が、名刺の半分サイズである10平方センチメートル以下を実現しているそうです。説明にあたったブリヂストン ブランド戦略担当の牛窪寿夫さんによると、1本あたりの重さも2kg以下と軽量で、これらにより、普通の乗用車用転がり抵抗性能AAA(最高グレード)タイヤにおけるRRC(転がり抵抗係数)が6.5以下のところ、ソーラーカー専用「ECOPIA」はRRC3.0を実現しているそうです。
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