この記事をまとめると
■クルマにおいてファッションブランドとのコラボはとくに人気が高い
日産とBEAMSが異色のコラボ! ヴィンテージデニムのようなシートがオシャレ度MAXな「ビームス エディション」を人気6車種に設定!
■国内外、安価・高価問わずさまざまなファッションブランドとコラボしたクルマがある
■そのなかから特徴的な4車種を紹介する
ファッションブランドとクルマのコラボは意外と大人気!
コラボ商品についてとやかくいうのは昭和世代のデフォ、かもしれません。ノーマル商品にコラボ先のバッジなりロゴをくっつけただけで商売しようなんて、甘い甘い! そんな小うるさい気もちでしょう。
とはいえ、クルマの世界でもよくあるコラボ商法は、限定商品ということや、意外にお手頃なクルマが選ばれたりして、ほとんど完売! なんならプレミアまでついたりして人気商品となることも珍しくありません。いったいどんな手口なのか、昭和生まれの小うるさい筆者も探ってみたくなりました。
シトロエン 2CV Hermès
2008年にシトロエンが創立60周年記念として、馬具&ファッションブランドのエルメスとコラボ、大衆車の代表たる2CVをカスタムしたのはちょっとしたニュースになりました。
ノーマルのビニールとファブリックしか使っていないインテリアを、エルメスが独特な技法でなめした馬具用レザーでドレスアップ。シートやトリムをはじめインパネからシフトノブ、はてはウインカーレバーに至るまで、内装のほぼすべての部分が品のいいナチュラルカラーの革で覆われているのです。
大衆車と高級ブランドの一見アンバランスな組み合わせながら、市場では好意をもって迎えられたこと記憶に新しいかと。それ以前、2003年にもシトロエンはC3というコンパクトカーでエルメスとコラボしたワンオフモデルを発表しており、これまたオークションで驚くような高値を付けています。
彼らの名誉のために付け加えれば、オークションで得られたお金は国際人道医療支援団体である「メドゥサン・デュ・モンド ジャポン」に寄付されたとのこと。ですが、なんだか高級ブランドとグルになって話題作り、人気取りをしているようで、筆者はモヤモヤした記憶も(笑)。
その後、懲りずにシトロエンはC3を使ってサーフブランドのRIP CURLや、女性誌のELLEとコラボするなどやりたい放題! 数あるクルマメーカーのなかでもダントツのコラボ好きといえるのではないでしょうか。
ランボルギーニ ムルシエラゴLP640-4クーペ VERSACE
昭和世代、というかバブル世代にはなじみ深いヴェルサーチ(当時風)もランボルギーニとのコラボに駆り出されています。カクカクしたお馴染みの模様「グリーク・キー」をサイドシルやインテリアにあしらい、ヴェルサーチのイメージからしたらシックな雰囲気。
最近ではご自分でヴェルサーチ仕様にカラーリングするユーザーもいたりなんかして、そちらはメデューサあり、キラッキラのゴールドありでよほどヴェルサーチっぽいんですがね。
もっとも、2008年のリリースとなると、創始者のジャンニ・ヴェルサーチが亡くなって(1997年)、妹のドナテラがデザインワークを担っていたタイミング。となると、バブルの頃のギラギラ感に乏しいのも納得です。
ホワイトとブラック、いずれも20台の限定販売とのことですが、すでにコレクターの車庫にしまわれており、市場で見つけるのは困難を極めるはず。なるほど「ならば、オレのヴェルサーチを!」と作ってしまうのも無理はないでしょう。
あの国産ブランドの意外なコラボも!
フィアット500 Gucci
シトロエンに負けず劣らずコラボ好きなモデルが500に違いありません。なにしろ、限定モデルだけでも2008~2018年の間に80車種も売り出されているのです。このうち、ファッションブランドや自動車関連ブランドとのコラボがそれなりの数を占めているのですから、なんだかノーマルモデルを買うのがもったいない気までしてきますよね。
さて、500とファッションブランドといえば、やっぱり地元イタリアのグッチ抜きには語れません。500 by Gucciと名付けられた限定車で、グッチのテーマカラーとなるグリーンにセンターがレッドのストライプをソフトトップやサイドピラーに 配置。
また、シートベルトはずばりグリーン・レッド・グリーンの配色となり、ミーハーなブランド好きは飛び上がらんばかりに大喜び!
マセラティやフェラーリとのコラボを凌ぐほどの人気を博したとのことで、これまた昭和世代が思わず眉根を寄せてしまいそうなエピソード(笑)。もっとも、マセラティとかフェラーリとのコラボというのも、フィアットグループを総動員しての掟破りみたいで、感心しないオヤジも大勢いるのではないでしょうか。
スバル「インプレッサ BEAMS EDITION」
コラボモデルはなにも輸入車に限ったものではありません。国産各社もさまざまなブランドにあやかったモデルをリリースしているのですが、意外な組み合わせというか、昭和世代が驚いたのは、スバルと若者向けブランド「ビームス」のコラボモデルではないでしょうか。
だいたい、スバルは体育会系の男くさいイメージがよかったのに、「よりによって原宿系の意識高い系のシュッとしたビームスかよ!」とお嘆きの諸兄も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、ビームスのブランドカラーであるオレンジをイメージさせるボディカラー「アクティブオレンジ・パール」はわりとインプレッサに合っているような気もします。
また、ボディカラーとコーディネートしたヒーター付きオリジナル本革シートというのもさりげなく高級感が漂ったりして「なんだかインプレッサがあか抜けたね」なんて気分に(笑)。
そのほか、ビームス・エディションのロゴをあしらったメーターやスマートキーというのもミーハー、もとい若者の所有欲を満足させてくれたことでしょう。
ちなみに、スバルはインプレッサのほかにも「レガシィ アウトバック」ではアウトドアブランド「L.L.Bean」とコラボした特別仕様車をリリースしており、好評のうちに完売した模様。こうなると、コラボ商法のキモを知悉したメーカーと呼んでも差し支えないでしょう。
スバルの硬派なイメージは、コラボからこっち都会派のシュッとしたブランドに生まれ変わったと思うと、一抹の寂しさを感じてしまうのは昭和世代の小うるさいオヤジだけでしょうか。
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