フォルクスワーゲン(VW)から、新しいゴルフRヴァリアント(2022年10月4日)、ポロGTI(2022年11月21日)が発表された。「VWオールラインナップ試乗会」でホットな2台に自動車評論家 松田秀士氏が試乗した。
※本稿は2022年12月のものです。試乗日:2022年12月14日
文/松田秀士、写真/VW、ベストカー編集部 ほか、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2023年1月26日号
世界的ベストセラーの最強モデルが劇的進化!! VW 新型ゴルフRヴァリアント&ポロGTI試乗
■ゴルフRヴァリアントは極上乗り味のステーションワゴン!!
VW ゴルフRヴァリアント。サスの仕上げ以前に、クルマ作りそのものが素晴らしい。最もスパルタンなレースモードでも極上の乗り心地を実現!
新しくなったゴルフRの進化点を説明しよう。
まずエンジン。ゴルフR専用の2.0TSI EA888evo4(先代はevo3)エンジンは燃料噴射インジェクターの高圧化やフリクションロスの低減などによりプラス10ps/2kgmの出力アップとなる320ps/42.8kgmを達成。
同時に排出ガスを低減し燃費が向上している。
そのパワーアップに対してブレーキもフロントディスク径を1インチ拡大した18インチ。
車高はノーマルに比べてマイナス15mmのハイトダウン、さらにスプリング&スタビは先代R比で約10%の剛性アップが施され、フロントアクスル・サブフレームのマテリアルをアルミ化することで約3kgの軽量化を実現した。
2L、直4DOHCターボはエボ4に進化し、320ps/42.8kgm
ゴルフGTIと異なりRはフルタイム4WDの4MOTIONを採用するが、ティグアンRに採用されるRパフォーマンストルクベクタリングとビークルダイナミクスマネージャーを採用して最適なトルク配分を行い、ニュートラルなハンドリングを目指している。タイヤ&ホイールはオプションで19インチが選べる(標準は18インチ)。
エクステリアではR専用バンパー、グロスブラックのリアディフューザーに左右4本出しマフラーがRである印だ。
ステアリングを握るとR専用スポーツシートがしっかりと身体をホールド、コンフォート、スポーツ、レースと各ドライブモードを試す。
R専用の片側2本、左右4本出しのマフラーが精悍
アダプティブダンパーの減衰変化でコンフォートは乗り心地も悪くない。
極めつきはレースモードで、しっかりとタイヤの面圧を上げダイレクト感が増す。かといってピッチングやバウンシングを起こさないところはさすが。
コーナーでしっかりとアクセルを踏み込めば、リア外輪にしっかりトルクをかけるRパフォーマンストルクベクタリングによってニュートラルなハンドリングが印象的だった。
■ポロGTIも大きく進化!
ポロGTIはシャープなハンドリングが官能的!
もう一台の新型ポロGTIは2LのTSIエンジンが7psアップの207psに。こちらもノーマル比15mmハイトダウンのローダウンサス。
電子制御式ディファレンシャルロックXDSにスポーツとノーマルモードの切り替えが可能なアクティブダンパー(オプション)を採用することで、これまでとはひと味違ったスポーツ性の高いハンドリングだ。
R専用のバケットシートはホールド性に優れていると同時に座り心地も上質
そのフィーリングは官能的でコーナーに進入した瞬間に身体を震わせる。
フロントタイヤのグリップが抜群に高く、初期応答から切り足しを含めてステアリングを切り込むほどにノーズをインに向けてコーナリングする。
最近のFFスポーツとしてはリアが軽く感じられ、ホットなコーナリングが楽しめるハンドリングマシンに成長している。
●VW ゴルフヴァリアントR主要諸元
・全長:4650mm
・全幅:1790mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1600kg
・最小回転半径:5.1m
・エンジン形式:1984cc、直4DOHCターボ
・最高出力:320ps/5350-6500rpm
・最大トルク:42.8kgm/2100-5350rpm
・WLTCモード燃費:12.2km/L
・車両本体価格:652万5000円
●VW ポロGTI主要諸元
・全長:4085mm
・全幅:1750mm
・全高:1430mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1310kg
・最小回転半径:5.1m
・エンジン形式:1984cc、直4DOHCターボ
・最高出力:207ps/4600-6000rpm
・最大トルク:32.6kgm/1500-4500rpm
・WLTCモード燃費:15.7km/L
・車両本体価格:411万3000円
【番外コラム】VWのそのほか注目モデル
●フォルクスワーゲン ID.4
フォルクスワーゲン ID.4
驚くほど高級感のある乗り心地と室内静粛性。インテリア、特にコックピットは未来感にあふれる。すべてが新しく官能的
●フォルクスワーゲン ティグアンR
フォルクスワーゲン ティグアンR
ゴルフRと同じevo4エンジンを搭載し4WDも同じく左右輪のトルク配分を連続可変。0~100km/h加速は4.9秒の俊足!
●フォルクスワーゲン T-Roc R
フォルクスワーゲン T-Roc R
300ps/40.8kgm+7速DSGにRであるがゆえの4MOTION。FFとは一線を画す乗り心地、室内静粛性、ハンドリングだ
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みんなのコメント
円高とは言え流石に無茶な値段設定でしょ。