大型タッチスクリーン
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
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最近、ボタンやダイヤルが減り、大型のインフォテインメント・タッチスクリーンを搭載するクルマが増えている。
依然として、テスラのタッチスクリーンは特別な印象を受けるが、タッチスクリーンへの移行は業界全体で確実に進んでいる。
タッチスクリーンのサイズの拡大は、あらゆるエリアでの使用の増加に関係している。
新しいアウディA3の、エレクトロニクスの責任者メラニー・リマーは、物理的なボタンを廃止したのは「スマートフォンでタッチ機能を使用する人が増えている」ためだと説明している。
多くの車載インフォテインメント画面は、物理的なコントロールも保持するが、保持しないタイプの数も増えている。
タッチスクリーンのみのインターフェイスの登場により、それらの安全性に対する疑問も生じている。
スマートフォン・ミラーリングシステムが鍵
大きなディスプレイは、注意が散漫になる可能性があり、物理的なボタンのような触覚的な応答が得られないため、行った操作を確認するためドライバーは道路から目を離してしまう傾向がある。
それでも、ザッチャム研究所を統括するマシュー・エイブリーは、タッチスクリーンの大型化は安全性を後押しすると言う。
「大きなインフォテインメント・ディスプレイは、アイコンを大きく、表示をシンプルにすることが可能です」
「アイコンが小さくなりがちな、小さなディスプレイよりも、懸念は少ないでしょう」とエイブリーは言う。
エイブリーはまた、このようなシステムのレスポンスまでの時間が、非常に重要であると述べている。
「スマートフォンのようなレスポンスが期待されています」
「アイコンをより速く認識できるようにするため、アイコンの明確さと、ユーザーインターフェイスの共通性が重要です」
エイブリーは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートのスマートフォン・ミラーリングシステムがその鍵となると述べている。
その理由として、どのモデルでも操作が共通していることと、スマートフォンに代わってさまざまな機能を果たすことが可能となることを、挙げている。
運転中に使用可能なシステムの提供
英国政府は、運転中の通話以外のスマートフォン使用に対する、取り締まりを強化している。
しかし、そのような注意散漫に関する懸念は、タッチスクリーンにも当てはまる可能性がある。
ハイウェイズ・イングランドのボス、ジム・オサリバンは「安全の観点から、タッチスクリーンは好きになれません」と述べている。
もちろん、クルマとスマートフォンのタッチスクリーンを、直接比較することはできない。
運転中の携帯電話の使用に関する、さらなる制限が検討された際、運輸委員会はハンズフリー通話をその禁止事項から除外している。
スマートフォンの実際の操作ではなく、ドライバーの「同乗者以外の人との関わり」への欲求が、そのリスクに大きく関わっていることを示す研究がある。
タッチスクリーン開発に携わる人にとって、システムはスマートフォンのスタイルを引き継ぐだけでなく、それらを補完するものでもある。
「安全にはさまざまな形があります」と、グーグルのハリス・ラミスは言う。
ラミスは、新しいアンドロイドベースの、タッチスクリーン・オペレーティング・システムに取り組んでおり、そのバージョンは、今後のすべてのボルボモデルとポールスターモデルで使用される予定となっている。
「運転中に携帯電話を使用する人が絶えません」
「携帯電話を使わずに、車内のシステムを通じて、必要なサービスに確実にアクセスできるようにすべきだと考えました」
ラミスは、そのアプローチを「ドライバーの注意散漫の最適化」と呼んでいる。
人々がスマートフォンで、通話や音楽サービスを使用したいと考えていることを認識した上で、自動車のインフォテインメント・システムを介して、それらの機能をできるだけ安全に提供する方法を模索している。
「運転中に使用可能なシステムとなっていることを確認するため、多くの時間を費やしました」
XC40リチャージP8に最初に搭載される、新しいボルボ・アンドロイド・システムは、固定テンプレートデザインとなっている。
「いつもの操作」を実現するため、同システムで提供される「第三者」のアプリを含む、すべてのアプリで、基本的なコントロールを同じ位置に設定している。
ボイスコントロールの可能性
新しいボルボ・システムが提供する、もう1つの重要な機能に、ボイスコントロールがある。
ボイスコントロールが幅広く使われるようになれば、タッチスクリーンや物理的なコントロールを使用する必要がなくなる可能性がある。
ボイスコントロールは、フォルクスワーゲングループ、メルセデス・ベンツ、BMWなど、多くのメーカーが独自のシステムを開発しており、長年にわたり自動車業界全体で広く使用されている。
ボルボの、デジタル部門を総括するオドガード・アンダーソンは「ボイスコントロールは、ドライブ中の操作に最適です」と述べている。
これに対し、ザッチャム研究所のエイブリーは「ドライバーが目線を道路から離さずにすむことで、明確なメリットがもたらされます」と同意している。
しかし、「このような機能は、モデルが登場する数年前に構築されることが多いため、アップルSiriや、アマゾン・アレクサなどの最新版を搭載することが出来ません」
「ドライバーが言っていることをボイスコントロールが認識できなければ、安全上の利点は失われます」とも述べている。
アンダーソンは、グーグルとのパートナーシップによって、グーグル・アシスタントのボイスコントロールへのアクセスが可能となることについて「喜ばしく、重要なこと」だと述べている。
グーグル・システムは、スマートフォンやその他の電子デバイスを使用している人々からの、実際のフィードバックにもとづいて、継続的に更新されており、複数の言語と方言に対応している。
アンダーソンは「今のどのクルマに搭載されているものよりも、はるかに優れています」
「より自然に話すことが可能となり、より安全性が高まると、わたし達は考えます」と語っている。
このような改善により、ボイスコントロールの支持は増えるかもしれないが、コントロール方法を複数提供し、それぞれのドライバーが最も快適に使用できるようにすることが、安全性への近道だとも言えるだろう。
需要を反映するように、タッチスクリーンを搭載したコンセプトカーを、最近数多く見かけるようになった。
技術開発によって安全性をさらに高めることが、今後の課題となるだろう。
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