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フェラーリもデ・トマソも眼中になし! 「ランボルギーニ・ミウラ」は「ミニ」が原点にあった

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フェラーリもデ・トマソも眼中になし! 「ランボルギーニ・ミウラ」は「ミニ」が原点にあった

 この記事をまとめると

■ランボルギーニからミウラが発売されることになったのはふたりのエンジニアの執念

計画どおり30台の限定発売だったら歴史が変わっていた!? 大成功した「ランボルギーニ・ミウラ」と「フェラーリ365GT4 BB」という2台のミッドシップスーパーカー

■ミウラ・プロジェクトの原点にはローバー・ミニの存在があった

■ミウラのメカニズムを検証するといくつかのミニとの共通点を見出すことができる

 スーパースポーツカーに興味がなかった創業者を動かすために

 1963年に創業したランボルギーニは、創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニの意思により、スーパースポーツカーよりも、むしろ高性能で豪華なGT=グランドツーリスモを生産することを新型車開発のコンセプトとしていた。

 それは最初のプロトタイプとして発表された350GTVのために、ジョット・ヴィッザリーニが開発したエンジンが、あまりにもスパルタンな特性であり、それをジャン・パオロ・ダラーラ、そしてパオロ・スタンツァーニという、まだ20代も半ばという若きエンジニアに、よりマイルドでGTのキャラクターに似合うエンジンに改良させる指示を、フェルッチオ自身が即座に出したという事実からも明らかである。

 仮にそれがフェラーリのためのエンジンであったとするならば結果はどうなっていたのか。それを想像するのはきわめて難しい。

 ダラーラもスタンツァーニも、ランボルギーニという新たな自動車メーカーで挑戦したかったのは、市販車の販売にも直接影響するモータースポーツだった。

 だが、フェルッチオにはそれに進出する意思はなく、とりわけモータースポーツのために自由な社風があると信じてデ・トマソから移ってきたダラーラにとって、それは少なからずの不満を残していた。

 どうすればフェルッチオを説得することができるのか。そのためにはまず彼にプレゼンテーションする材料を用意しなければならないと考えたのは、やはり自然な成り行きだった。

 メカニズムで参考にしたのは日本でも人気の小型車だった

 当時、市場にはミッドシップスポーツはルネ・ボネ・ジェット、デ・トマソ・ヴァレルンガなどがあるのみだったが、モータースポーツの世界では、すでにミッドシップは珍しい設計ではなくなり始めていた。

 かつてダラーラ氏にインタビューしたとき、のちのミウラの原型ともなったV型12気筒エンジンを横置き搭載したベアシャシー(実際にはこのシャシーも生産型のそれとは大きくその構造は異なるが)を設計するのに、何か参考にした、あるいはライバルとして意識したモデルはあったのかどうかを尋ねたことがある。

 フェラーリはすでに1963年用のレーシングモデルとして「250LM」を完成していたし、そのライバルとしてはフォードの「GT」が、あるいは日本のホンダもコンパクトなV型12気筒エンジンをミッドシップしたF1マシン「RA271」を1964年には初参戦させているのだ。それらはダラーラにとっても気になる存在であったのは確かだろう。

 だが、ダラーラの答えは意外なものだった。「当時はどのモデルも気にはしていなかった。ミウラ・プロジェクトの原点にあったのは、ミニのパワートレインレイアウトで、それをそのまま流用するとパワーユニットの重心高があまりにも高くなるので、ミッションをエンジンの横に移動させて、ミッドシップスポーツの可能性を探ったもの。実際に「プロジェクト・ミニ」と呼ばれたそれは試作されることはなく、あくまでも机上の設計で終了してしまったものだったけれどね」

 そのコメントを受けて、あらためてミウラのメカニズムを検証すると、エンジンとミッションの潤滑システムが共用されていることなど、ミニとのいくつかの共通点を見出すこともできる。

 意外なところにあった原案からベアシャシー+V型12気筒エンジンの「TP400」を経て、「P400ミウラ」、「P400ミウラS」、「P400ミウラSV」へと進化を遂げた一連のミウラシリーズ。それはいまでももちろん、ランボルギーニファンのなかでは、絶対的な人気を持つヒストリックモデルにほかならない。

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