1981年11月11日に発売されたホンダ「シティ」。背が高くてコンパクトな〝トールボーイデザイン〟を採用した1.2Lのクルマは、若者を中心に大人気となった。
ホンダ「シティ R」
自分でクルマの運転を上手いと思っている人はどれくらいいるのか?
その後、1982年9月21日は、小型高性能ターボ車ホンダ「シティターボ」が誕生。やんちゃな走りで瞬く間に若いドライバーのハートを射止めた。
ホンダ「シティターボ」
ホンダ「シティ」の勢いは留まることを知らず、1983年11月10日に、1.2Lクラス初のインタークーラーを装備したホンダ「シティ・ターボII」が発売された。
ホンダ「シティ・ターボII」
「これで、シティのバリエーション展開は終わりだろう……」と思っていたら、飛びっきりの変化球が用意されていたのだ。
それが、今回ご紹介するホンダ「シティ・カブリオレ」だ。
ホンダ「シティ・カブリオレ」がデビュー
1984年8月1日より発売されたホンダ「シティ・カブリオレ」は、本格的なソフトトップ(幌)と、オーバーヘッド・バーを装備した、当時国産唯一のファッショナブルなフルオープンカーだった。
シティ・カブリオレは専用色を含める12色のボディーカラーを採用。
内装は高級感のあるファブリックシートと、汚れなどにも強いビニールレザーシートの2タイプが用意された。
エンジンは、燃焼効率の高いニューコンバックス(高密度速災燃焼原理)エンジンを採用。1231ccで67PS/5500rpm(5速マニュアル車)を発揮。ATも選択可能だった。
ホンダ「シティ・カブリオレ」のソフトトップにはピニンファリナ社の技術を導入
ホンダ「シティ・カブリオレ」の開発では、ボディの基本構造やソフトトップのスタイリング、レイアウトをイタリアのカロッツェリア、ピニンファリナ社に依頼。各種の技術的協力を受けている。
そのおかげで、スムーズに開閉できてスタイリッシュなソフトトップが実現した。
ソフトトップ先端の両側にあるロックハンドルを解除し、持ち上げながら後の方へ押してセットすればフルオープンに。
折りたためばコンパクトに収納が可能。ソフトトップを汚れやゴミから守り、走行風でのバタつきを抑えるソフトトップ・カバーが標準装備された。
リアウインドウを傷つきにくく、後方視界に優れたガラスとしているのも特筆だろう。
ホンダ「シティ・カブリオレ」のボディデザインの多くは「シティ・ターボII」と共有
ホンダ「シティ・カブリオレ」のエンジンは自然吸気(NA)ではあるが、外観デザインは「シティ・ターボII」に準じる、ダイナミックフェンダーやエアロスカート、リアコンビネーションランプなどを採用。スポーティさと力強さを打ち出している。
ホンダ「シティ・ターボII」
ホンダ「シティ・カブリオレ」は中古車で購入できる?
大手中古車販売サイトにて調査したところ、ホンダ「シティ・カブリオレ」は2021年2月中旬現在、7台の掲載車両があった。
最安値は、1985年式、走行距離不明、5MT、赤で車両本体価格は65万4000円。
最高値は1985年式、走行距離7万8000km、5MT、赤で車両本体価格は178万円だった。
すでに各車、車歴が35年となる車両ばかり。どうしても欲しいなら、値上がりがさほどではない今がチャンス。程度へのリスクを覚悟の上、「発見したら確保」という感じだろうか。
ホンダ「シティ・カブリオレ」はオープンカーブームを呼び起こす先駆者
12色のカラフルなボディーカラーで彩られた、ピニンファリナ社の技術によるフルオープンボディ。しかも、ホンダ「シティ・ターボII」に準ずるスポーティさも兼ね備えるなど、魅力満載のホンダ「シティ・カブリオレ」。しかし、新車価格は東京地区の標準現金価格で138万円と、バーゲンプライスだった。
当時の若者がこの、ちっちゃくてかわいいオープンカーにハートを射貫かれたのは当然のこと。登場から35年以上経過した現在でも、ホンダ「シティ・カブリオレ」の魅力は褪せることがない。
※データは2021年2月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/中馬幹弘
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みんなのコメント
聞いて驚け 車高は1.470
現在のアルトより低い。
てっきり、ノーマルフェンダーのスタイルで出ると思っていたから、ラッキー!
で、格好は好みに寄ったわけだし、あとはコイツにターボが載ったら買おうと思っていたが、結局そんなモデルは出なかったので、しょうがないから、モトコンポだけは買って、今も家にある。