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モデルチェンジで能力伸長 BMW X1 xドライブ23iへ試乗 高い完成度のファミリーSUV

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モデルチェンジで能力伸長 BMW X1 xドライブ23iへ試乗 高い完成度のファミリーSUV

第3世代でボディサイズはひと回り拡大

第3世代になったBMW X1は、人気だった先代よりひと回り成長した。長さは53mm、高さは44mm、ホイールベースは22mm伸びている。BMWで最も小さいSUVの全長は4500mm、全幅は1845mm、全高が1642mmと、充分な大きさが与えられた。

【画像】3代目にモデルチェンジ BMW X1 Mスポーツ BEV版のiX1 競合クロスオーバーと比較 全159枚

ちなみに、初代BMW X3の全長より60mm短いに過ぎない。近年のファミリーユーザーにとって、コンパクトSUVは代表カテゴリーの1つ。適度に大きい方がありがたいという人は多いのだろう。

ベースとなるプラットフォームは、新開発のUKLと呼ばれるもの。2シリーズ・アクティブツアラーでお目見えしたものだ。

搭載されるエンジンには、すべて電動化技術が採用された。英国へ導入されるのは、2.0L 4気筒ディーゼルターボの18dと23d。また、今回試乗した四輪駆動のxドライブ23iには2.0L 4気筒ガソリンターボが載るが、それぞれマイルド・ハイブリッド化されている。

プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も2種類が選べる。システムとしては第5世代に当たり、14.2kWhの駆動用バッテリーを搭載する。EVモード時は最長88kmを駆動用モーターだけで走行可能とうたわれ、クラスでは頭ひとつ飛び出た性能といえる。

英国価格は3万6225ポンド(約597万円)から。ライバルのアウディQ3より若干高めながら、競争力は充分にある。ゆとりある車内の上質さを知ると、この金額には納得できるだろう。

合計218psのマイルドHV 楽しいブースト機能も

試乗したxドライブ23iの4気筒ターボユニットは単体で203psを発揮し、システム合計では218psと、PHEVを除く新しいX1では最もパワフルになる。恐らく、スポーティな走りを求めるユーザーが1番注目するグレードだと思う。

90%の部品が新しいというエンジンは、間違いなく強力。7速デュアルクラッチATに一体化された、電圧48Vで稼働する19psの電気モーターが効果的にアシストしてくれる。

スポーツモードを選ぶと、エンジンは6000rpmめがけて勢いよく吹け上がる。シフトパドル部分には、加速力を強めるブースト・ボタンも追加された。

ボタンを押さずとも遅く感じないため、ブースト機能の出番は限られるかもしれない。車内はワンランク上の落ち着いた高級感を漂わせ、その雰囲気との不一致感もなくはない。

とはいえ、子供っぽいかもしれないが、正直楽しい。クルマ好きの子供なら、明確に強まる加速度に喜んでくれると思う。

マイルド・ハイブリッド化によって、エネルギー効率ももちろん引き上げられている。低負荷時にはエンジンが停止し、駆動系から切り離される制御も効果的といえる。急にアクセルペダルを踏み込んでも、振動を生じたり、もたつくような仕草は殆どない。

新しいX1を運転していると、常に滑らかでレスポンスが良い印象を受ける。マイルドハイブリッドながら、EVモードとして短時間なら電気モーターのみで走行可能なことにも感心した。

SUVとしてはシャープな旋回性

優れた印象を伸ばしているのが、7速デュアルクラッチAT。短時間にキビキビと流暢に変速をこなし、シフトパドルの操作にも鋭く応えてくれる。

唯一残念に感じられたのが、高回転域で粗さが目立つエンジン音。積極的に回す動機づけにはならないだろう。

操縦性もコンパクトSUVとしては優秀といえるが、BMWとして刺激的というわけではないようだ。ステアリングホイールには路面やフロントタイヤの感触が充分に伝わらず、気持ちが鼓舞されることはない。

操舵時の重み付けは良く、挙動も予想しやすく、コーナリング時の自信は得られる。姿勢制御も悪くなく、このカテゴリーではシャープな旋回性を実現している。xドライブがリアタイヤへパワーを多めに割り振る感覚もあり、運転する楽しさはある。

試乗車のようにMスポーツ仕様の場合は、アダプティブダンパーが標準装備。ホイールは19インチで、乗り心地は悪くない。一方で、攻め込んだコーナーでの安定性はもう少し欲しい。舗装の剥がれた穴などの入力の処理には、改善の余地はある。

このクラスのSUVとして、X1は活発に走る。エンジンもステアリングもレスポンシブだ。ただし、選択肢をSUVに拘らないのなら、3シリーズ・ツーリングの方が流れるような走りを謳歌できることは間違いない。

車内空間と実用性がストロングポイント

新しいX1で最大のストロングポイントになるのが、インテリアと実用性。リアシートは60:40に別れて最大130mmもスライド可能。背もたれは40:20:40の3分割で倒せ、リクライニングもできる。身長180cmの大人が座っても、充分な空間はある。

荷室は使い勝手の良い形状で500Lあり、フロアは適度に低い。ベビーカーの積み下ろしも簡単そうだ。フロントシート裏は硬めの樹脂で覆われ、子供が靴で汚しても拭き取りやすい。ファミリーSUVとして的を得ている。

フロントシート側は、先代からプレミアム感が明確に高められた。ダッシュボード上には、最新OSのバージョン8で稼働する14.9インチのモニターが2面並ぶ。

iドライブ用のロータリー・コントローラーは省かれたもののシステムは扱いやすく、グラフィックは競合をリードする。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに無線で対応し、実装されるナビも有用だが、利用場面は少ないかもしれない。

内装素材には高級感がありつつ、過度な華やかさは抑えられている。全体のデザインもスマートかつモダンで居心地が良く、お手本のようなインテリアだ。

モデルチェンジを果たしたBMW X1。アウディQ3やメルセデス・ベンツGLA、レクサスUXなどとの競争を有利に運べる仕上がりだといっていい。

インテリアの仕立てはBMWにふさわしく、実用性も秀でている。適度に楽しめるドライビング体験もX1の魅力ながら、それ以上にプレミアム・ファミリーSUVとしての完成度の高さを評価したいところだ。

BMW X1 xドライブ23i Mスポーツ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万3250ポンド(約713万円)
全長:4500mm
全幅:1845mm
全高:1642mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:7.1秒
燃費:14.7km/L
CO2排出量:152g/km
車両重量:1655kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:218ps/5000-6500rpm(システム総合)
最大トルク:32.5kg-m/1500-4000rpm(システム総合)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

15件
  • サイズ感もパワートレインも日本で乗るにはピッタリ。
    一足お先にモデルチェンジした2シリーズアクティブツアラーを見る限り質感も充分。
    もはや兄貴分のX3/X4は大きくなり過ぎた今、ベストBMWはこのX1になると思うな。
  • 昨今がSUVもサイズアップが目立つね。
    エントリークラスが衝突安全基準の引き上げ対応の為に
    下のクラスからどんどんゴツくなってる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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