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国内試乗 ジュリア・クアドリフォリオ 対C63/M3 第3極登場

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国内試乗 ジュリア・クアドリフォリオ 対C63/M3 第3極登場

もくじ

どんなクルマ?
ー クアドリフォリオ あくまで控えめに
ー 内装「愉しむ場」 価格がポイント

『ジュリア・クアドリフォリオ』すべての画像を見る

どんな感じ?
ー 「ふつうに走らせられる」という美点
ー 纏まりのよさを、どう見るかがキー

「買い」か?
ー C63/M3に対する「第3極」誕生

スペック
ー アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオのスペック

どんなクルマ?

クアドリフォリオ あくまで控えめに

2.9ℓのV6ツインターボは510psの最高出力を発生。ルーフ及びエンジンフードにはカーボンパネルを採用。乾燥重量におけるパワーウェイトレシオは3.0kg/psを下回る。2016年にはニュルブルクリンク北コースで4ドアセダン最速となる7分32秒を記録。

と綴ると、怪物マシンと身構えてしまうが、エアロパーツのテンコ盛りとかボンキュッボンの張り出しフェンダーでもなく、標準系と外観上の目立った差異はエンジンフードとフロントフェンダーのエアアウトレットくらい。

ぎらつくようなハイパフォーマンス誇示はなく、存外大人しい外観。穏やかな好青年なのに実は世界チャンピオン、みたいなクルマである。

内装も押しつけがましい機能感はない。

内装「愉しむ場」 価格がポイント

カーボン加飾等の高性能車らしさの演出はあっても、仕事場的ではなく愉しむ場なのだ。

吟味された素材と仕立てのよさに細部のキザな演出を加えているのがアルファ・ロメオらしい。

アルファ・ロメオのシンボルマークとなる4つ葉のクローバーを車名に持つジュリア・クアドリフォリオはジュリアシリーズの頂点モデルとして設定されているが、メルセデス・ベンツにおけるAMGやBMWにおけるMモデル同様に特別な高性能車として開発され、アルファ・ロメオのプレミアムとハイパフォーマンスの象徴的存在だ。

標準系の上級設定となるジュリア・スーパーの543万円という値付けに対してクアドリフォリオは1132万円。

スーパーが戦略的価格設定を採用したことを差し引いても倍以上の価格は中に隠された部分にどれほどの手を加えたかの証明のひとつ。新生アルファが求める理想の具現化でもあるのだろう。

どんな感じ?

「ふつうに走らせられる」という美点

限界性能を極めようとすれば辿り着くのはレーシングカーだろう。しかし、レーシングカーは限界領域で走らせるクルマであり、中庸域の性能には無関心である。

ところがロードゴーイングでは中庸域での高性能も求められる。レーシングカーもどきであってはならない。

この按配がジュリア・クアドリフォリオはとてもいい。

アイドリングは穏やか。走り出しは滑らか。高回転で息詰まることも低回転でむずかることもない。応答遅れも少なく狙ったとおりの加速を引き出せる。

苦手とする部分のないパワートレインである。しかも、エンジンフィールは紳士的であり、全開で加速させても威圧感もそう大きくはない。

このエンジンにしてこのブレーキ、と制動力も強力だが、適度なストロークを使い、ストロークと踏力のバランスがいい。加速同様に狙いのGを維持でき、リリース側の減速コントロールも自然だ。

減速を残してアプローチする現代的なスポーツドライビングでは制動力の立ち上がり以上に抜き側の特性が重要。ここでも味付けや虚仮威しではない本質を感じさせてくれた。

渋滞路でも走らせてみたが、ふつうのクルマと何ら変わらずに止まるか止まらないかという端境のコントロールも容易である。

500psのクルマの渋滞路チェックというのも妙だが、クアドリフォリオ開発陣の視野の広さと良識が伝わるポイントでもあった。

纏まりのよさを、どう見るかがキー

サスチューンはこの手の高性能車の基本でまとまっている。つまり、高速コーナリングでの安定性とラインコントロール性である。操舵初期の回頭反応は穏やかだ。踏みしめるように鼻先をインに向けていく。

タイトターンと高速コーナーの操縦感覚に著しい違いがない。同じというわけでもないが、どっしり高速コーナリングの反動で、タイトターンは「どアンダー」とはならない。タイトターンもどっしりと舵角に追従してラインをトレースしていく。

この感覚は限界近くまで負荷を掛けても、ゆるっと走らせていても、ロールを押し込む時も戻す時もあまり変わらない。

サスのバネとダンパーだけ考えると当たり前のように思えるが、クルマには車体骨格や取り付け部や関節部のブッシュやカラー等々のバネ要素もダンパー要素もあり、これらが綿密に作用しないとこうはならない。個々がばらばらに作用すると負荷変動時の挙動が一律ではなくなる。

冒頭の話はこういうことだ。また、アクティブトルクベクタリングやアクティブサス等の電子デバイスが絶妙に介入した効果も見逃せない。ハードウェアの好チームワークというか交響楽的というか、どこにも不協和音はない。

こんな特性なのでクアドリフォリオを上手く操るのはごく基本的なドライビングだけでいい。それは街中でも、高速や山岳路でも、たぶんサーキットでも同じだ。

中庸も限界も上手く纏まりすぎて迫力不足の印象もある。だが、ホントに速いクルマは遅く感じるものなのだ。

「買い」か?

C63/M3に対する「第3極」誕生

乗り手を選ぶ高性能車もあるだろうが、「そういうのもアリ」であって外連の考え方である。

誰が乗っても効率よく安全に速く走れてこその高性能。クアドリフォリオはそういったクルマである。ちなみにジュリア・スーパーに採用されている全車速型ACCやBSM等々の安全&運転支援装備はすべてクアドリフォリオにも標準装着だ。

速さに無関係な物は要らないなんて妙なストイックさがないのもいい。

ふだんは楽ちん安心で気持ちよく走るという楽しみもひとつの側面だ。もしかするとジュリアの中でも一番の優等生かもしれない。

で、避けて通れないのがAMG C63とBMW M3との比較。志向で見るとスポーツ性の熱さでM3に近いが、懐深さはC63にも近い。

C63の1224万円、M3の1185万円と比較すれば、コスパ勝ちとも言える。色々と考えたが、結局このタイプのクルマはサッカー等々のご贔屓チームや選手みたいなもので、どれが一番と論じたところで結論は出ない。

それよりもAMG vs MモデルだったFRスーパースポーツセダンの第3極が加わったことが重要だろう。熱く贔屓したくなる要素はかなり濃い!

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオのスペック

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