■「ラングラー・ルビコン」にV8モデル誕生!
2020年11月17日、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のジープ部門は、2021年モデルとしてジープの最強モデルとなる、ジープ「ラングラー・ルビコン392」を発表した。
激下り&激登りの過酷試乗!! 硬派SUVジープ「ラングラー」を試す!
「ラングラー・ルビコン」は、これまでも日本市場に、2リッターの直列4気筒ターボエンジンと、3.6リッターのV型6気筒エンジン(ペンタスター)を搭載するモデルが導入されていたが、2021年モデルで誕生するラングラー・ルビコン392(以下ルビコン392)は、それらのパフォーマンスを大きく上回る期待のモデルとなる。
ルビコン392のメカニズムで最大の話題となるのは、やはりエンジンルームに収められるパワーユニットだ。それはラングラーにとって実に40年ぶりの復活となるV型8気筒エンジンで、排気量は車名にも掲げられているように392立法インチ(6.4リッター)となる。
最高出力450ps、最大トルク637Nmと、これまでの直列4気筒(272ps/400Nm)、V型6気筒(284ps/347Nm)とは比較にならないほどのハイスペックが実現されている。
鋳鉄製のシリンダーヘッドにアルミニウム製のヘッドを組み合わせ、さらにルビコン392の機能的なボンネットスクープのためにデザインそのものを見直したというこの新型V型8気筒エンジンには、アクティブエアインテークマニフォールド、可変カムシャフト、ツインスパークプラグ、ナトリウムを充填した排気バルブ、中空幹吸気バルブ、ピストンオイル冷却ジェットなどを装備。
過酷な環境でも十分なタフネスさを持つと同時に、高速道路など低負荷時には燃費性能を向上させるために4気筒モードへとシームレスに移行する。
■450馬力の「ルビコン392」の実力とは?
ルビコン392のV型8気筒エンジンに組み合わされるトランスミッションは、8速ATとなる。
アルミニウム製のパドルシフトを備えたのは、ジープとしては初の試みとなる。そのギア比はトレイル時の障害物をクリアする時から、高速走行時の円滑なシフトをおこなえるまでに設定されており、常に適切なタイミングでシフト制御が実行される仕組みになっている。
ドライブトレイン、すなわち駆動方式はもちろん4WDだ。モードは「4WDオート」、「4WDハイ」、「ニュートラル」、「4WDロー」の4タイプ。
さらに「オフロードプラス」、「セレック・コントロール」というオフロード走行用のモードが備わるほか、ヒルディセンド・コントロールなど最新の電子制御デバイスも搭載される。
ルビコン392のフレームは、そのパワーと使用環境を考慮して、さらに強化を進めたものになった。これにはフロントアッパーコントロールアームや鋳鉄ステアリングナックルが含まれ、ブレーキも地形にかかわらず常に強力な制動力を発揮する。
前後のサスペンションは、伝統のコイルリジッド式を継承したものとなるが、車高はさらに2インチ(約50mm)アップされ、専用のFOX製アルミニウムモノチューブショックを採用する。ホイールは17J×7.5インチサイズ。タイヤは33インチサイズがスタンダードな設定となる。
0ー60マイル(96km/h)加速は、4.5秒という加速性能を持つというルビコン392。だがその真価が語られるべきは、やはり車名にもあるカリフォルニア州のルビコンのような、さまざまな挑戦者を退けるオフロードでの運動性能だろう。
地上クリアランスは10.3インチ(約248mm)、アプローチ/ブレークオーバー/スタートアングルは、各々44.5/22.6/37.5度というデータで、最大渡河水深は実に825mmを達成している。
オフロード走行時に役立つのが、車内の8.4インチスクリーンに投影される「ジープ・オフロードページ」だ。これによってカスタマーは、ピッチやロール、高度、GPS座標、ドライブトレインのパワー配分などを確認することができるのだ。外装色は9タイプからチョイスが可能なルビコン392だが、インテリアカラーはブラック一色のみ。
ちなみに現在の段階で、このルビコン392の販売市場は北米のみとされているが、ぜひこの日本でもその実力を味わってみたいものだ。
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