日産「アリア」に追加されたNISMOバージョンに小川フミオが乗った!
開発に込めた思い
新感覚のエキサイトメント、と、謳う日産のアリアNISMOが話題を呼んだのは、2024年1月12日に開催された「東京オートサロン2024」だった。なにしろ「GT-Rを上まわる旋回性能」と、開発陣は胸を張るモデルだ。実際、驚くほどの加速性能を堪能させてくれた。
アリアNISMO B9 e-4ORCE(イーフォース)に乗れたのは、2024年3月初旬。このとき日産では、2024年3月8日に、アリア全グレードを3月下旬から発売すると(ついに)発表。人気を集めるいっぽうで、部品供給の遅れからデリバリーが思うように進んでこなかったアリアのデリバリーがようやく始まる。
私自身、乗りたいなあぁ、と、思っていて未体験だったのが、シリーズ中もっともパワフルなB9 e-4ORCE。なので、これも楽しみになった。
今回のアリアNISMO B9 e-4ORCEは、「アリアの持つ圧倒的な動力性能をさらに引き上げた」(日産)とされ、B9のAWDモデルを上まわる動力性能を持っている。これは楽しみでしかない!
B9 e-4ORCEをベースに、NISMOが加速チューニングを施し、最高出力は320kW(ベース車より30kWアップ)に引き上げられている(同時に270kWのアリアNISMO B6 e-4ORCEも発売)。
今回のプロジェクトを担当した成富健一郎主担は、「EVのポテンシャルをめいっぱい感じていただきたい」と、開発に込めた思いを語ってくれた。
エモーショナル面の演出実際のドライブフィールはまさにその言葉どおり。鋭い加速に驚かされた。私がベース車のB9 e-4ORCE未体験とは書いたとおりだが、66kWhのバッテリーで250kWの最高出力と560Nmの最大トルクを持つB6 e-4ORCEでも、十分速いと感心したものだ。
加速性能はさらにその上の上を行く、と印象。「とくに80km/hから120km/hまでの加速を体験していただきたい」と、開発を指揮した饗場(あいば)貴博チーフプロダクトスペシャリスト(CPS)は言う。
試乗の場になった日産のテストコースで加速性を試してみた。驚いた。中速コーナーから立ち上がるとき速度を80kmに持っていき、直線を眼の前にアクセルペダルを強めに踏み込んでみると、あっというまに120km/hに達してしまうのだ。
最初は「スタンダード」というドライブモードでこれを試し、次におなじコースで「NISMO」モードを選択してみた。これは異次元、というぐらいの加速だ。ベース車より、だいたい20から25%ぐらい加速度が速いというのにもうなづける。
速度計の表示は、120km/hで止まろうとしない。加速はとてもスムーズ。ただし、速く感じるのは速度計の数字からだけ。体感的な速度感はかなり低い。これにも驚いた。ステアリングフィールはどっしりと安定し、乗り心地はしなやかで、かつ、騒音レベルが低いせいだろう。
いっぽうで、アクセルペダルに載せた足の力をゆるめたときの減速も予想いじょうに速かった。回生ブレーキもそなえているのだけれど、唐突な効きは感じられず、さーっと速度が落ちていく。これも市街地で扱いやすい特性だと感じられる。
カーブを上がるときの車体の姿勢は安定。「もはやEVが特別であるという時代ではない」と、アリアNISMO B9 e-4ORCEの機能主義的デザインを手がけたアドバンストデザイン部、森田充儀主管の言葉は、走り全般の印象にも通じるものがあった。
そうはいっても、わざわざNISMOが手がけたモデルである。ドライブモードでNISMOモードを選ぶと、「(日産も参戦している)フォーミュラEマシンを参考にしました」と、森田主管が言う、独特のサウンドが加速に合わせて室内に響く。レースマシンの高揚感を目指したというだけあって、走行性能に加え、エモーショナルな面でも演出が盛り込まれているのだ。
エレガンスも重要な要素前出の成富主担によると、今回の走りのよさは、サスペンションシステムやタイヤまわりのファインチューニングと、ミシュランと共同開発した専用タイヤに負うところが大きいそうだ。
「ミシュランは、これまでフォーミュラEのタイヤ供給を担当していたこともあり(2203年シーズンからはハンコック)、日本のメーカーのなかで唯一、同グランプリに参戦している日産とは、高性能EVづくりにおけるいい技術的パートナーとして、グリップ性能に優れると同時に静粛性が高い、素晴らしいタイヤを開発してくました」
饗場CSPはそう語っていたとおり、コース場に設けられた円錐型のコーンの間を縫うように走るスラローム走行でも、減速、曲がり、加速、すべての曲面で、NISMOチューンの成果を堪能させてもらった。
「アリアNISMO B9 e-4ORCEは、ただし、サーキット走行を前提にしたモデルではありません。NISMOモデル内のポジションとして“ストリートチューンド”として、より速く、気持ちよく、安全をモットーに開発しました」。成富主担もそう語る。
競合になりそうな高性能EVで、すぐ思い浮かぶのはヒョンデが2024年中に日本導入を計画しているといわれる「アイオニック5 N」だ。同社の高性能モデルに付けられる「N」(一説にはニュルブルクリンクの頭文字)をもったモデルである。
アリアNISMO B9 e-4ORCEの開発陣は、ほかにもポルシェをはじめ、高性能EVの市場での争いは厳しくなるであろうことを認めつつ、アイオニック5 Nを例にとれば、サーキットやドリフト走行を前面に押し出している感があるので、市場でのポジションは違うという。
「エレガンスもこのクルマの重要な要素です」としたデザイナーの森田主管の言葉が、ふたたび思い出されたのだった。
価格は、アリアNISMO B9 e-4ORCE」が944万1300円、アリアNISMO B6 e-4ORCEは842万9300円だ。ベースのアリアB9 e-4ORCEは798万7100円、アリアB6 e-4ORCEは719万5100円である。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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