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ウラカンSTOで行く日本自動車紀行「長野から福島、そして東京まで約650kmの旅」

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ウラカンSTOで行く日本自動車紀行「長野から福島、そして東京まで約650kmの旅」

ウルスをドライブした「UNROCK ANY ROAD JAPAN」で、北海道から青森へロングドライブした経験からランボルギーニに乗って再び長旅をしたいと思っていたのだが、それがGIRO JAPANを機に実現した。今回もウルスで極楽旅、と勝手に思い込んでいたのだが、相棒はなんとウラカンSTO。しかしこれが大正解だった。(Motor Magazine 2022年10月号より)

過酷な3日間になると覚悟は決めていたのだが・・・
ランボルギーニのオーナーズミーティング「GIRO JAPAN 2022」に参加した。時は7月の3連休、今回の舞台は長野だったが、せっかくならその休みの期間を利用してさらにランボルギーニと長旅に出かけられたら、と考えていた。たぶん、GIROの走行ルートだけでは走り足りない、と身体が思うはずだと考えたからだ。

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そこでランボルギーニ・ジャパンに相談、プレスカーをGIRO後にそのまま借り出すことにして、「ひとりGIRO」が決まった。ただし車種の選択は、ランボルギーニ・ジャパンに任せた。選択肢はウラカンEVOなどのウラカンシリーズ、そしてウルスがあったが、個人的には、ロングドライブも楽々、快適なスーパーSUV、ウルスが指名されると勝手に思い込んでいたが・・・甘かった。選ばれたのはウラカンSTOだった。

ウラカンSTOは、スーパートロフェオオモロガータの名前が入るとおり、サーキットをその主戦場とするモデルである。公道を走るよりサーキットを走ることに特化されていると言ってもいいだろう。それはド派手なウイングを備えることからもよくわかるし、リクライニング機能のないシートや走ることに集中できるコクピットでもよく理解できる。「これは相当過酷な3日間になる」と覚悟が決まったのは、実にGIRO参加の直前である。

さて今回、「ひとりGIRO」と勝手に名付けて向かった先は、福島だ。以前はよく、試乗や取材で訪れていたが、最近は久しく行っていないこともあり、目的地とした。浄土平のワインディングロードをウラカンSTOで走ってみたい。そういえば東山温泉には、歴史的な建築物の旅館もあったはずだ。そこにも訪れてみたいと思った次第である。

まずは「GIRO JAPAN 2022」のゴール地点となる長野善光寺を出て福島郡山を目指した。初日は出発が午後3時ごろになる予定だったので無理せずに会津の手前で宿泊しようと考えたのだ。Googleマップで善光寺から郡山のホテルまでのルートを探索すると、連休中ということもあり、移動時間はなんと「約5時間半!」と表示された。

実はこの時の気持ちは、「STOをまだ6時間近く運転しなければならない」というものではなく「STOをあと6時間も運転できる」というものだった。せっかく好意で与えられた機会なのだから、思う存分に楽しもう、というマインドになっていたのだ。STOがそうさせたのかもしれない。

ルートは、ほぼ高速道路だが、日本海回りと東北道回りが表示されどちらも移動時間は大きく違わなかったので、走り慣れている東北道からのアクセスを選んだ。

結果的にはこれは正解だった。途中、雨に降られた場面もあったが、実に快適な移動だった。STOは、目的地までドライバーをまったく飽きさせない。刺激的なエキゾーストサウンドは実に心地い。一般道の荒れた路面ではその様子を饒舌に語るSTOだが、路面の綺麗な所では、乗り心地も実に快適なのである。渋滞にも遭遇することなく順調な移動だった。

400km以上走っても全然疲れない。まだ走れる
高速道路を降りても、まだ太陽の光が降り注いでいた。夏の陽は長く、日没まではまだ時間があった。これならまだ走れる。いや、まだ走りたい。STOとも一体感が増しかなり親密になったこともあり、目的地のインターチェンジを降りてからは、少し遠回りして最初の宿泊ホテルにチェックインした。この日は400km以上走ったのだが、疲れは実に心地良いものだった。STOでのロングドライブは、予想に反して過酷なものではないとここで気が付いた。

2日目に目指したのは、浄土平だ。ここのワインディングロードを走ることが今回の目的のひとつである。実際に走ると、休日にもかかわらず交通量が少なく、さらに天候にも恵まれ美しい景色とともにとても楽しめた。

さらにSTOとの一体感が深まったようにも感じられ、このクルマはサーキットばかりが楽しいクルマではないということが確信に変わった。スポーツカーの醍醐味はドライバーの意志どおりにクルマを操ることなのだが、STOはそれがとても強く感じられる。

その後、猪苗代湖周辺など巡ったが、さずがに3連休最終日ということもあり、このあたりはキャンプやドライブを楽しんでいるクルマも多く、どこもかなり混んでいた。やはりみんな制限のない休日を満喫しているようだ。

ウラカンSTOは長旅にも十分に応えられるモデルだ
この日の目的地は、東山温泉の向瀧である。国の登録有形文化財に指定されるこの建物の前でSTOを撮影することである。このエピソードのメイン写真がそれだ。もちろん、この他にも数点、いや数十カット撮影したのだが、そのなかのベストショットを選んだ。

ここは、江戸時代中期に日本建築の粋を集めて建造された旅館で、健在あるの客室はすべて異なる作りとなっている。とくに、はなれの間は皇室の方も宿泊したという。料理は、身体にやさしい味、人気の郷土料理をテーマに会津の郷土料理を化学調味料を使わない料理方法で出されている。 

さて、最終日の天候は雨だった。戊辰戦争の舞台となった鶴ヶ城やその周辺の歴史を感じる場所を散策し、昼食に会津名物のわっぱ飯を食べて帰路に向かった。

今回の総走行距離は、長野→福島→東京で650km以上となったが、長旅が終わる頃には「過酷な旅になる」と覚悟していたことなどすっかり忘れていた。

ちなみに全行程の平均燃費は、7.6km/L、満タン時は、航続距離が620kmと表示された。つまりSTOは、ロングドライブに十分に応えられるモデルということだ。今回は、STOへの先入観が180度覆された3日間であった。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:永元秀和)

[向瀧(むかいたき)]
福島県会津若松市東山町大字湯本字川向200番地 ☎0242-27-7501 https://www.mukaitaki.com
福島県会津若松の東山温泉に登録有形文化財建造物に宿泊できる温泉宿「向瀧」がある。東山温泉の山間の川沿いに進むと、永観橋の対岸側に赤瓦葺き入れの木造2階建が姿を現す。明治時代と変わらぬたたずまいは、いにしえの会津にタイムスリップしたかのような錯覚になってしまう。向瀧の前身は「きつねの湯」と称して会津藩上級武士の指定保養所として使用されていた。1873年の明治維新後に、今の平田家に委ねられたそうだ。以来、家業して営われ、2023年には平田家が引き継いで150年を迎える。

ランボルギーニ ウラカンSTO主要諸元
●全長×全幅×全高:4574×1945×1220mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1339kg
●エンジン:V10DOHC
●総排気量:5204cc
●最高出力:470kW(640ps)/8000rpm
●最大トルク:565Nm/6500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTPモード燃費:7.2km/L(13.9L/100km)
●タイヤサイズ:前245/30R20、後305/30R20
●車両価格(税込):4125万円

[ アルバム : ウラカンSTOで行く日本自動車紀行 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

5件
  • テンションが高い若いときは良いかもしれないけどこの手の車で長距離旅行は単純に苦行だと思う。
  • 自分の身銭を切らない旅なんて何の参考にもならん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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