過去事例より大胆なフェイスリフト
BMW最大の量産モデル、SUVのX7がモデル中期のフェイスリフトを受けた。過去の多くの例より、大胆に手が加えられている。導入から3年余りだが、大幅に新鮮味を増すことになった。
【画像】大胆マイナーチェンジ BMW X7 M60i xドライブ 強豪のフルサイズSUVと写真で比較 全128枚
1番注目を集めるポイントといえるのが、新しい7シリーズとイメージを重ねたフロントマスク。切れ長なヘッドライトと大きなキドニーグリルだろう。フラッグシップとなるM60i xドライブの場合、そのグリルには電飾も埋め込まれる。
今回の変更に合わせて、23インチ・ホイールもオプションで指定が可能になった。ここまでの大径は、BMWの純正としては初となる。
MスポーツとMスポーツ・プロという、スタイリング・パッケージも導入されている。専用バンパーとブラックのトリムなどで、通常のX7と差別化できる。今回の試乗車にも装備されていた。
インテリアも刷新されたといっていい。ダッシュボードはデザインし直され、バッテリーEVのiXと同様の湾曲したワイドなモニターパネルが鎮座する。
中央側のインフォテインメント用は14.9インチのタッチタイプ。ドライバー側のメーター用でも12.3インチある。システムは、最新のiドライブ8で稼働する。
エアコンの操作パネルはなくなり、タッチモニター側へインターフェイスが集約された。正直なところ、その操作は面倒といっていいだろう。
車内空間は変わらず広大。3列シートで6シーターか7シーターを選択でき、実用性で困ることはないはず。ただし、3列目を使える状態にすると、荷室は300Lしか残らないのでご注意を。
マイルドHVの新エンジンでパワーアップ
パワートレインには、BMW最新となる3.0L直列6気筒のガソリンターボとディーゼルターボが導入された。どちらも電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーターが組み合わされたマイルド・ハイブリッドで、動力性能とエネルギー効率を高めている。
ガソリンのX7 xドライブ40iの場合、最高出力は50ps増しの380psへ向上。最大トルクも7.1kg-mほど増えて、54.9kg-mになっている。ディーゼルのxドライブ40dは12psと2.0kg-m増え、352psと73.2kg-mを獲得した。
今回試乗したM60i xドライブは、従来のM50i xドライブを置き換える仕様。最新のS68型V8エンジンを採用した、初めてのモデルとなる。N63型ユニットの進化系で、4.4Lのツインターボだ。
最高出力530ps、最大トルク76.3kg-mという額面は変わらないものの、こちらもマイルドハイブリッド化されている。電圧48Vで稼働し、加速時に12psと20.4kg-mを加勢してくれる。
このV8エンジンはとても滑らかで、長距離クルージング時の安楽さと、ゆとりのある魅力的な印象をX7へ与えている。高負荷時には極端なほどのパワーを発揮しつつ、洗練されマナーは極めていい。
V8エンジンらしいサウンドも魅力。車内は高い遮音性で仕立てられているものの、スポーツモードで聞こえてくる図太い唸りには、思わず笑みがこぼれてしまった。
優れたエンジンとシャシーでゆとりある体験
車重はM50i xドライブとの比較で120kgも増えているというが、0-100km/h加速は4.7秒と変わらない。マイルドハイブリッドの効果だろう。燃費は、テスト条件が異なるため直接比較はできないものの、8.2km/Lへ若干改善したという。
トランスミッションは、共通して8速オートマティックが組まれる。素早くスムーズに変速をこなし、追加された動力性能を最大限に活かしつつ、秀でたドライビング体験へ結びつけている。
2600kgと軽くない車重にも関わらず、M60i xドライブの勢いの良い瞬発力には驚かされる。これを支えているのが、高速に可変する四輪駆動システムのxドライブ。常に不足ないトラクションを担保してくれ、都市部でもその恩恵には預かれる。
サスペンションは、可変ダンパーとエアスプリングという組み合わせ。コーナーでは、感心するような姿勢制御を披露してくれた。
ステアリングホイールの重み付けは理想的で、反応も正確。全長5164mm、全幅1998mmという大柄だが、ひと回り小さく感じられるほど。
ラグジュアリーSUVらしく、コンフォート・モードを選び、高速道路をヒタヒタと走るような場面でも充足感は高い。V8エンジンは豊満なトルクを生み出し粘り強く、豪奢な車内は穏やかな静寂に包まれる。
試乗車のアルミホイールは23インチだったが、酷く荒れた路面へ進むと、やや落ち着きを失う仕草は見られた。それでも基本的には路面へしなやかに追従し、乗り心地は快適。スポーツ・モードでも、不快に感じる場面はほぼないといっていい。
訴求力大幅アップ V8エンジンも魅力的
今回のフェイスリフトで、X7の訴求力は大幅に高められたと思う。インテリアは先進的で上質さを増しており、マイルドハイブリッド化で走行フィーリングにも磨きがかけられた。最新の運転支援システムも実装し、技術面で最も先進的な1台でもある。
さらにBMWらしく、大型SUVとしてシャープでマナーに優れる操縦性もストロングポイント。褒めるべき点は数多くある。
日常的な利用条件で検討するなら、穏やかなxドライブ40iやxドライブ40dの方が賢明ではあるだろう。だがV8エンジンの圧倒的な動力性能や豊かな個性を求めるなら、M60i xドライブへの追加料金をためらう理由はないといえる。
BMW X7 M60i xドライブ(北米仕様)のスペック
英国価格:10万3600ポンド(約1709万円)
全長:5164mm
全幅:1998mm
全高:1806mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.7秒
燃費:7.8-8.2km/L
CO2排出量:274-292g/km
車両重量:2600kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:530ps/5500-6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-4600rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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