ボンネットが付くと、また別の課題が
旧グンゼ製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作っていく連載、第8回目となる今回は、ボンネット開閉機構の自作(と言うより、アレンジであろうか)の続きである。
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【画像22枚】再現性にも考慮した開閉機構の自作を見る!
話が突然変わるが、「プラモ作りは段取り力を身につけるのに役立つ」というような言い方がある。なるほどそうか、と思ってしまうのだが、筆者は、これについては少々疑問にも思っている。あまりにも段取りを考えすぎる癖がついてしまい、段取り力ではなく「石橋を叩いて渡る力」が身についてしまうのではないかと思うのだ。いや、それならまだいい方で、ヘタをすると身についてしまうのは「石橋を叩いて叩いて仕舞い込んでしまう力」や、「石橋を叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて……力」だったりする。
例えばこのEタイプについてだが、まず足周りのバランスについて確認するために、前後サスペンションをある程度実際に組み立ててしまいながら仮組みする、というところから始めた。そこまではいい。だがその後、「段取りを考慮すると仮組みとバラシの回数が少なくて済むように、ボンネットの組み付けも確定しておこう」となった。そして、そのためにフレームへサブフレームを継ぎ足し、ボンネットの開閉機構を自作するところまできた(そう、これについては成功したので各画像のキャプションをお読みください)。
そしてボンネットを組み付けてみると、「まだフラフラするからフレームの取り付けをもっとしっかりと確定しなくてはいけない」となり、そのためには「バルクヘッドの取り付けがフレームにも影響するが、テープの仮止めではフラフラ動いてしまうので、シャシーにもう接着してしまいたい」という気になり、そうすると「バルクヘッドをここで接着するにはプレスパターンの自作、とりわけ下の方は今の時点でやってしまわないと……」となり、「バルクヘッドを固定してからではやりづらそうなシャシー側の工作(これもプレスパターンの追加など)を先に行った方がよいか……」と、段取りについての思案が際限なく広がっていってしまうのである。
もどかしいようでも、作りたいものを作れる最善の道を行きますよ
こうなると、段取りを考えているのか、自分で段取りをわざわざ複雑にしているだけなのか、よく分からなくなってくる。そしてこうしたことを考え出すと、自分のこれまでの人生を振り返って「段取りばかり考えてタイミングを逃してばっかりだったな……」「それは結局、やらない理由を探していただけのことではないのか……?」と、自己嫌悪に囚われ始めるので、非常に良くない。
ハイテックモデルの中でもフルディテール版のキットを、もっと再現度を増して作ろうとしているわけだから、そうなるのも当然ではないか。と考え直して、一番確実と思われる道を進んでいきたいと思う。そのため、タイヤが付くのはまだ先のことになるだろう。
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