欧州ではクラス1番人気のSUV
text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
コンパクトなBセグメントに属するSUVの中で、欧州で最も多く売れているモデルがルノー・キャプチャー。みんなのクロスオーバーが新しくなった。
タイヤからルーフパネルに至るまで一新。プラグイン・ハイブリッドも間もなく追加となる。エンジンは3気筒と4気筒のガソリンとディーゼルがあり、最高出力は95psから155psまでの幅がある。トランスミッションはMTが標準で、7速ATがオプションで選べる。
クルマの土台となるプラットフォームはCMF-Bと呼ばれる新しいもの。躍動的なエクステリアデザインの中には、ルノー自ら「革新的」と主張するインテリアがドライバーを待っている。ボディサイズはやや大きくなり、後部座席で目立った恩恵を得ている。
高機能な運転支援システムを標準装備し、今後システムのアップデートによって、自立運転のレベルアップにも対応できる。だが基本的にキャプチャーのレシピに変更はない。
先代モデルは登場してからかなりの年数が経過していたが、販売台数は年々増加傾向にあったという。今や競合モデルは20車種以上が存在する。人気の味付けは、あえて変える必要はなかったのかもしれない。
ちなみに先代の登場は2013年。当時のライバルといえば、日産ジューク程度だった。
高機能な運転支援システムも標準装備
インテリアには大きな変化を感じ取れるが、革新的と呼べるほどでもないだろう。大きな特徴は2つ。オプションとなるが、9.3インチの大きな縦型モニターと、シフトノブが伸びる、半島のように突き出たコンソール。MTでもATでも形状は変わらないそうだ。
シフトノブ前方にはスマートフォンの充電スペースがあり、半島の下側には別のレイヤーで小物入れが用意される。ルノーはかつて「暮らしを乗せる」というテーマを掲げていたことがあった。柔らかい触感の素材がふんだんに用いられ、質感が向上したインテリアによって、それが強調されているようだ。
車内をカラフルにしたければ、オレンジ・インテリアパックを選択することで叶う。金属質なトリムが追加され、サンカラーでコーディネートされた車内は、気分も陽気にしてくれる。このパッケージを選択できるのはトップグレードのSエディションのみ、というのが残念。
リフレッシュされたキャプチャーを牽引するエンジンで、最も多く選ばれるであろうものが1.0Lの3気筒ガソリン。100TCeに搭載されるもので、100psを発生し、5速MTが組み合わされる。
今回試乗したのは129psの4気筒エンジンと6速MTが組み合わされた130TCe。中間グレードのアイコニックで、18インチホイールを履く。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式。電動パワーステアリングとなり、運転支援システムに対応する。白線を認識し車線内の中央に自車を留めてくれる優れた機能だ。衝突被害軽減ブレーキや交通標識認識機能とセットで標準装備となっている。
上質な乗り心地でコーナリングも悪くない
130TCeと155でオプションで追加できる機能は、高速道路と渋滞時での自律運転支援。前方に先行車両がいる条件で、自車速度を調整しながら走行し、交通渋滞時では停止や発進まで行ってくれる。
360度カメラ映像による駐車アシストもオプションで選択が可能。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには標準対応という点も魅力といえる。
運転してみると、より民主化されたという感想を持った。キャプチャーを発進させた瞬間からボディ剛性の高さを感じ、防音性や衝撃の吸収性も向上していることがわかる。静かで間違いなく上質な仕上りだと感じるだろう。
縦長のタッチモニターが鎮座する車内は現代的でもある。位置も見やすい上に使いやすい点も魅力となる。シフトノブの位置も操作しやすく好印象。
多くのBセグメントのSUVと同様に、積極的に運転を楽しみたいというドライバーが、多くの喜びを得るクルマではない。だがステアリングの重さは合理的に設定され、ボディロールは小さく、コーナリングは悪くない。鋭い入力や継ぎ目からの衝撃吸収性も良好で、ボディロールを抑制させた代償も少ない
試乗中かなり強い入力がある場面では、対応しきれない場面はあったが、試乗車が履いていたのは18インチホイール。100TCeなら17インチホイールとなり、より柔軟性は上がるはずだ。
130TCeが搭載する129psエンジンは、活発に走るものの速いと呼べるほどではない。100TCeの100psでは、大人4名が乗車した場合、少々力まなければならないだろう。
人気の高さも納得。PHEVを待つのもアリ
車内幅は広くなり、ほどほどに高い着座位置と快適なフロントシートのおかげで、先代から長距離移動はより安楽になった。ロードノイズも小さく、エンジンもスムーズに静かに回る。2速で高回転域まで引っ張っても、それほど騒がしくは感じられなかった。
リアシートは広々しており、分割して前後にスライドできる。荷室空間もクラス最大の容量を確保。SUVとしてだけでなく、実用的なファミリーワゴンとしても充分に活躍できる実力がある。2トーンのボディなど、カラフルな色使いもフランス的で良い。
運転が楽しいと呼べる部類のクルマではないことは確かだ。だが、クラストップの操縦性と上質で個性的なインテリアを持つフォルクスワーゲンTクロスと並べても、ルノー・キャプチャーは引けを取らない洗練された内容を持っている。
アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープアシストなど、このクラスでは高機能な運転支援システムも、強い訴求力を持っている。日常的に混雑している道路環境において、有用な機能となるはず。
これまでの人気の高さを考えれば、デザインの流れを汲みつつ新鮮さを強めた新しいキャプチャーは、有力候補に選ばれてしかるべき。もう少し待てば、プラグイン・ハイブリッドも登場するから、そちらを待つという手もある。
ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニックのスペック
価格:2万295ポンド(284万円)
全長:4227mm
全幅:1797mm
全高:1566mm
最高速度:194km/h
0-100km/h加速:10.6秒
燃費:15.6km/L
CO2排出量:127g/km
乾燥重量:1234kg
パワートレイン:直列4気筒ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:129ps/5000rpm
最大トルク:24.4kg-m/
ギアボックス:6速マニュアル
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