この記事をまとめると
■セダンが不人気な現代でもクラウンは月2000台ほど売れている
■高度経済成長期からバブル期まではクラウンのライバルが各社から出ていた
■クラウンを含め今後のセダン市場の動きに注目だ
セダンが輝いてた時代の絶対王者に挑んだ刺客たち
国産セダン冬の時代と言われて久しい。象徴たるトヨタ・クラウンは月販2000台程度で推移しているし、ほかに4ドアセダンを用意している国産車といっても、売れているのはトヨタ・カローラ、スバル・インプレッサ、マツダ・MAZDA3くらい。それ以外のモデルはラインアップには残っていても、販売台数は微々たるものとなっている。
とはいえ、かつてはクラウンを頂点に国産セダンがしのぎを削っている時代があった。そして王者クラウンに対して、各社は刺客を送り込んでいたのだ。そんなクラウンのライバルとして一時代を築いたモデルを振り返ってみよう。
1)日産セドリック/グロリア
まず、クラウン最大のライバルとして知られていたのが日産セドリック/グロリアだろう。もともと日産セドリック、プリンス・グロリアという異なるモデルだった2台が、兄弟車となったのは1971年にフルモデルチェンジした3代目から。
以後、2004年に生産終了となった10代目まで「セド/グロ」の愛称で、日産のプレミアムサルーンとして親しまれた。6気筒エンジンを基本としたグレード構成で、ボディ形状もステーションワゴンや2ドアセダンなど時代のニーズに合わせて用意したのはクラウン同様。
まさにガチのライバルとして30年以上も競ってきた。その中でもエポックメーキングだったのは日本初のV6エンジン搭載車として1983年にフルモデルチェンジをした6代目(Y30型)だろう。
同時期にフルモデルチェンジした7代目クラウンが「いつかはクラウン」というお馴染みのキャッチコピーを初登場させて宣伝した一方、セド/グロはV6エンジンによる新しさをアピールした。
その後、クラウンの敵失的な失敗モデルもあって、このカテゴリーではトップクラスのイメージを掴んだ時期もあったが、徐々に販売を減らしていき、2004年に10代目を最後にセドリック/グロリアの名前は消え、フーガが後継モデルとして設定された。
2)日産シーマ
1988年にセドリック/グロリアの上級モデルとして登場したのが日産シーマだ(そのため、正式な車名はセドリック・シーマ/グロリア・シーマだった)。
1987年にフルモデルチェンジでクラウンが3ナンバーボディを用意したことに対抗したシーマは、一目で3ナンバーとわかるワイドボディに、255馬力の3リッターV6ターボを搭載。フル加速時にリヤをグッと沈める姿勢はインパクト大で、自動車税の改正によって3ナンバー車の税負担が軽減されたタイミングもあって爆発的にヒット、「シーマ現象」と呼ばれるほどになった。
しかし、その後モデルチェンジを繰り返していっても初代のインパクトを超えることはできず、いまやフーガのロングホイールベース仕様という位置づけになっている。
「追いつけ追い越せ」で各社が本気でセダンを作っていた
3)ホンダ・レジェンド
軽自動車「N360」やコンパクトカー「シビック」で四輪マーケットにおける存在感を示してきたホンダが満を持して高級サルーンカテゴリーに参入したのが1985年に誕生した「レジェンド」からだ。
基本的に乗用車においてはFFプラットフォームだけを展開してきたホンダだけにフラッグシップであってもFFレイアウトを採用。日本仕様は2リッターV6エンジンが主軸だったこともあって、クラウンのライバルというのは少し物足りない印象もあったが、1988年にはF1での活躍をイメージさせる「ウイングターボ」を採用したことが記憶に残る。
そもそも、ホンダが海外で展開しているプレミアムブランド「アキュラ」のために開発されたモデルということで、日本のユーザーだけを考えたクラウンとは異なる方向性を感じさせ、ターゲットユーザーも微妙に異なるという印象が強い。
その後、いくどもモデルチェンジを実施したが、4代目で採用したSH-AWDの“踏んで曲がる”シャシーセッティングは記憶に残るメカニズムだ。
現行型では世界初の自動運転レベル3を実現するなどホンダのテクノロジーショーケースであることは変わりないが、販売規模でいえばクラウンのライバルとは言い難く、今モデルを最後にディスコンとなるのが濃厚だ。
4)三菱デボネア
三菱自動車のフラッグシップ「デボネア」といえば、22年間も生産されたことで知られる初代モデルの印象が強い。
その初代デボネアは、車体サイズはともかく、ポジションとしてはトヨタ・センチュリーに対抗したショーファードリブンといえるモデルだったが、1986年にフルモデルチェンジを果たした2代目モデル「デボネアV」は、V6エンジンを横置きにしたFFプラットフォームとなり、パーソナルユースの高級セダンというポジションへと変身している。同時期のクラウンが初めて「アスリート」という名前の特別仕様車を出したが、それはデボネアがドイツのチューナーAMGと提携したスペシャルバージョンを出したことに影響を受けたとか、いないとか。
そんなデボネアは、続く3代目で早くも失速、1999年にディスコンとなっている。
5)マツダ・センティア
クラウンが全車3ナンバーボディとなった9代目と同じ1991年に、マツダから生まれた新しいフラッグシップモデルが「センティア」だ。
全長4.9m、全幅1.8mといったボディサイズだったが、4WS(四輪操舵)を採用したことで小回りが利き、またフロントに縦置きされたV6エンジン(2.5リッター/3リッター)はかなりキャビン寄りに搭載され、クラウンを超える大柄なボディながら軽快なハンドリングを楽しめるマツダらしいプレミアムサルーンとなっていた。
現在のマツダにも通じる流麗なスタイリングも高く評価された。なお、デビュー当初はマツダの別販売チャネルであるアンフィニで「MS-9」という名前でも販売されていた。しかし、1995年にフルモデルチェンジした2代目では、初代ほどの存在感を示すことができず、2000年にセンティアという名前は消滅した。
とはいえ、マツダは直列6気筒エンジンを縦置きにした新プラットフォームを開発していることを明言している。再び、このカテゴリーにチャレンジする日は間もなくといえる。
そうはいっても、国産高級セダンカテゴリーにおける絶対王者たるクラウンでさえ、FF化、SUV化といったうわさが流れる昨今である。はたして国産の6気筒セダンを求めるユーザーがどれほど残っているのか疑問もあるが……。
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みんなのコメント
会社の駐車場に取引先がシーマでやって来て皆んながそれを見にゾロゾロ出ていったのを覚えている
しかしあの人気者を初代だけで潰してしまう日産はやはりおかしい会社だったんだろう