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上限85万円の補助金を受けられる電気自動車はどのモデル?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第13回

掲載 更新 25
上限85万円の補助金を受けられる電気自動車はどのモデル?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第13回

型式指定が関わる国のEV補助金

電気自動車(EV)の新車を購入する際に適用される補助金は、今年、令和5年度4月1日以降の支給金額が確定している。一般社団法人次世代自動車振興センターによって、車種ごとの補助金額が公開されている。

「BYD アット3」のCEV補助金が満額の85万円に増額

現在の補助金支給額は上限が85万円となっており、各車種の支給金額の判定には条件が設けられている。

ひとつは、型式指定された車種であるかどうか。もうひとつは、給電機能を持つかどうかである。

型式指定について、日本では、新車を販売するに際し、あらかじめ保安基準に適合していることを国土交通省へ申請し、審査を受ける必要がある。そのうえで、新車登録の際に現物のクルマを1台ずつ検査しなくても同一の品質を備えていると認めることを、型式指定制度という。型式指定された新車を販売し、登録する際に、書類上の手続きで済ませることができる。大量生産されるクルマが対象だ。さらに、新型届け出制度と呼ばれる仕組みがあり、これは仕様が多様な大型トラックやバスなどに適用される。

そして前者の型式指定制度を受けたEVが補助金対象になる。

給電機能とは、ヴィークル・トゥ・ホーム(VtoH、以下V2H)によるEVから自宅への給電機能を備えているかどうか。あるいは、100Vのコンセントを車内に設置してあり、車外の家電製品などへ電気を供給できるようになっていれば、こちらも対象になる。

上記2つの条件の如何によって、補助金額に差が出ている。

V2Hの有無が生み出した補助金の差

日本車は、型式指定を受けて国内で販売されるし、CHAdeMOによる充電を前提として、車両側にV2H機能を持たせている場合が多いため、補助金額は登録車の場合85万円の最高額が設定されている例が多い。

一方、輸入車の場合は、そもそもV2Hへの対応をしていないEVが多く、たとえば2200万円以上となる「ポルシェ・タイカン」の「ターボS」でも42.6万円の支給額だ。一方、1000万円を超えるメルセデス・ベンツの「EQS」や「EQE」もV2Hに対応しているので、68万円の支給額となっている。高額車両についてはV2Hあり:68万円、V2Hなし:52万円となる。ちなみに、V2Hを当初より設定しながら、これまで65万円の支給額だった中国製の「BYDアット3」は、型式認定を受けたことによって上限の85万円の支給対象になった。

軽自動車のEVについて、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」は、55万円の支給額である。軽商用バンの「三菱ミニキャブミーブ」は、41~49万円だ。

欧米市場では、充電方式について欧州のCCS(コンバインド・チャージング・システム)の普及や、米国のテスラ方式へのGMやフォードの追従といった情報が流れている。それらの充電方式ではV2Hへの対応が進んでおらず、単にEVへの充電効率だけを追求する欧米の姿勢は、今後いずれかの段階で見直しが行われるかもしれない。ちなみに中国は、CHAdeMOを基にしたGB/T方式を採っている。

充電方式の違いに話がそれたが…、日本のEV補助金制度は、EVを地域の蓄電池として、統合的な電力運用や災害対応などへも役立てていきたいという広範な視点に立った普及制度にもなっていることを知っていて欲しい。

差がある地方自治体による補助

以上が、国の補助金制度で、ほかに自治体独自の補助金制度を施行しているところがある。補助制度が厚いのは東京都だ。EVを個人で購入した場合は最高45万円が支給される。ただし、45万円の対象となるのは、V2Hへの対応か、車内のコンセントから交流100/1500Wの電気を外部へ取り出せる機能を持つことが条件になる。輸入車ではV2Hへの対応は限られるが、車内の100Vのコンセントから車外へ電気を取り出せる機能は取り付けられている例があり、それであれば45万円支給される可能性が高い。

そうした外部給電機能を持たないEVは、35万円に減額となる。それであっても、購入時の諸経費のうち消費税分を補填したり相殺したりできるかもしれない金額を補助される価値は大きいだろう。

東京都の補助金は、EVのほかにプラグインハイブリッド車(PHEV)にも最高で45万円、燃料電池車(FCV)には最高110万円の支給がある。

EVの購入に加え、再生可能エネルギーの導入を行うと、上記の補助金額に個人の場合で15万円の上乗せが行われる。ここでいう再生可能エネルギーとは、現実的には太陽光発電の自宅への設置だろう。

東京都の補助には事業者向けの対応もある。個人に比べ金額は低くなるが、事業所などでEVを導入したり、太陽光発電を設置したりすると、同様に補助が行われる制度となっている。

自治体によるEV補助金制度は、たとえば大阪府でさえ独自の制度を実施しておらず、地域の導入意欲や予算規模によって大きく差がある。国の補助金は全国一律だが、自治体の状況は地域で異なるため、購入時には自分で検索するだけでなく、販売店などからも情報を入手しながら検討するといいだろう。

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みんなのコメント

25件
  • 補助金の原資は当然国民の税金
    なんで他国のしかも敵対特亜国が儲ける為に税金を使うのか全く理解出来ない
    そもそもEVなど金余ってる道楽者が買う車
    そんなものに補助金出すぐらいなら車関連の二重課税を緩和しろ
  • 電気自動車の補助金、エコカー減税をやめれば、暫定税率撤廃できるんじゃない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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