現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する

ここから本文です

プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する

掲載 1
プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する

世界で人気のカテゴリー、スズキが実現したモデル

 いま、世界のバイクファンの注目を集めつつあるのがプレミアムクラスの「クロスオーバー」モデルです。スズキによれば、プレミアムクラスの販売総数がおよそ20万台で、そのうちクロスオーバーモデルが占める市場が3万台程度と1割を超えています。

【画像】スズキ「GSX-S1000GX」(2024年型)の燃費性能は? 実際に走って計測した画像を見る(15枚)

 このモデル達の特徴は、アップライトなポジションながら、スポーツバイクと同様の前後17インチワイドラジアルを装着し、パワフルなエンジン、最先端の電子制御技術を搭載しているなどです。

 スポーツバイクとアドベンチャーの良いとこ取りというキャラクターで、オフロード性能はアドベンチャーバイクほど求めないという立ち位置なのです。

 スズキの新型「GSX-S1000GX」も、「グランドクロスオーバー(GX)」を意味するその名前から解るように、「GSX-S1000GT」をベースに、スズキでは初搭載となるセミアクティブ電子制御サスペンションをはじめ、専用のスタイルで世界観をキッチリと造り上げています。

 水冷直列4気筒DOHC4バルブエンジンは、最高出力110kWと最大トルク105N.mを生み出し、スムーズネス、扱いやすさはすでに定評のあるユニットです。カウル、電子制御など多くの装備を持つため、車重は232kgとなっています。

 その燃費スペックは、60km/h定地燃費値(2人乗り)が20.8km/l、WMTCクラス3-2の燃費値が17.0km/lとなっています。ハイオクガソリン指定の燃料タンク容量は19Lと、長距離移動を速く、快適に、さらにリッチな時間を、というバイクと言えそうです。

 the「燃費」企画では、市街地、高速道路、快走路とシーンを分けて実走行燃費を計測しています。過去記事で他モデルと比較できるよう毎回同じルートを交通の流れに合わせて走行しています。平均燃費、距離はトリップメーターに表示された値を記載しています。

 標準装備のETC2.0車載器にカードを入れて、サクッと燃費計測に出かけたのです。

リッター4気筒あるある!? 渋滞気味では燃費が伸びず

 the「燃費」の市街地計測は、都内外苑周辺から出発します。青山一丁目交差点から国道246号で赤坂、皇居方面へ。桜田門を経て大手町のオフィス街に入り、一時停止が多くある路地を巡ってから銀座方向へ。そのまま晴海を経て最終的に首都高湾岸線沿いを走る国道357号の東雲付近まで、12.5kmで計測しています。

「GSX-S1000GX」は、ライディングフォームが高いアイポイント、かつリラックスしたもので市街地走行がラク。前後に150mmのストロークをもつサスペンションと電子制御セミアクティブの組合せも印象的。

 スズキドライブモードセレクター(SDMS)で「C(コンフォート)」を選択すれば、サスペンションの動きも滑らか制御となり、アスファルトの継ぎ目、マンホールの段差も見事に吸収してくれます。それでいてブレーキング時に大きなピッチングを出すことも無く、まるで舗装したての道路を走っているかのよう!

 本題の燃費ですが、市街地で信号待ち、渋滞での1速移動が多かったこの日、燃費値が伸びることはなく、12.5kmの距離を40分弱で移動して13.3km/lとなりました。

 この取材後、自宅までの20.7kmを別のルートで走行した参考データとしては16.0km/lを記録。道路状況によって変わるという好例だと感じました。

高速道路計測では、移動アベレージで意外に変わる

 高速道路での燃費計測は2区間で計測しています。1区間目(往路)はアクア連絡道「木更津金田IC」から館山道の南端「富浦IC」直近のコンビニまでの53.8km、2区間目(復路)は「富津中央IC」から館山道に流入し、「木更津JCT」からアクア連絡道を経由して「木更津金田IC」までの25.3kmで、合計79.1kmの距離です。

 往路は制限速度80km/hから始まり、館山道に流入してからは100km/hへ、南下して「富津中央IC」を過ぎると片側1車線となり、制限速度は80km/hから70km/hへと下がります。

 復路では、100km/h制限からはじまりアクア連絡道に入ると80km/hとなります。両区間とも館山道ではアップダウンの連続という特徴を持ちます。

「GSX-S1000GX」の高速道路移動は、クルーズコントロールを使いながら楽勝の一言。おそらく海外ではパワフルなエンジンを活かして150km/h巡航だって楽勝でしょう。

 ETC2.0車載器も標準装備なので、増加するインターチェンジ出入口の「ETC専用」化の波にも動じません。

 燃費の傾向としては、移動速度が次第に低くなる往路が21.3km/lで、復路が19.5km/lと移動速度によって明確に変化するタイプでした。平均では20.4km/lとなっています。

走りの手応え、満足感にナットク!

 ツーリング先のワインディングを想定した快走路での燃費計測は、次の3区間で行なっています。

 1区間目は「富浦IC」出口直近のコンビニをスタートし、国道127号から県道296号にアクセス、そして「安房グリーンライン」を南下して房総半島の南端エリアまでの22km。

 2区間目は房総半島南端にほど近い海岸線から千倉まで海岸線沿いを移動し、国道410号、県道34号を経由して「大山千枚田」までの38.8km。

 3区間目は「大山千枚田」から県道34号、県道182号などを経由し館山道「富津中央IC」入口までの25.8kmで、合計86.6kmの距離で計測しています。

 どの区間も平坦部分とアップダウンを織り交ぜたルートで、ワイディングも楽しめる房総ツーリングの代表的な道です。

 性能重視に造られた「GSX-R」用エンジンをベースに、ツーリング適性を高めた「GSX-S1000GX」のエンジンは、房総の道の流れに合わせて走る限り、その性能の2~3割を使っているに過ぎない印象です。流れが良いと加減速も少なく持ち前のコーナリング性能もあり、ツーリングペースでも楽しめることが解りました。

 結果は、1区間目が21.2km/l、2区間目が20.3km/l、3区間目が21.3km/lとなっています。

 直列4気筒1000ccクラスエンジンのため、50km/hも出ていれば6速だけで走れるのですが、適宜ギアセレクトをした方が燃費値は良いようで、信号待ち、速度変化があるにもかかわらず、60km/h定地燃費値の20.8km/lを超える平均20.9km/lを記録したことには驚きました。

4気筒で時流の先端に乗る、ならばこれはアリ、なバイク

 ツーリングを含めたバイクのスポーティさと快適性、最先端装備での満たし。そのどれもが揃う「GSX-S1000GX」では、市街地、高速道路、快走路を合わせて距離178.2kmの総平均が18.2km/lとなり、WMTCの燃費値17km/lを軽く超えてきました。途中、60km/h定地燃費値を超えることもあり、性能と燃費のバランスに偽りなし。楽しいバイクでした。

■スズキ「GSX-S1000GX」(2024年型)燃費結果総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)走行距離:178.2km市街地:13.3km/l高速道路:20.4km/l快走路:20.9km/l平均:18.2km/l

こんな記事も読まれています

爆買いしても大丈夫! 収納力バツグンで快適&便利なスズキのビッグスクーター「バーグマン400 ABS」に乗ってみました!
爆買いしても大丈夫! 収納力バツグンで快適&便利なスズキのビッグスクーター「バーグマン400 ABS」に乗ってみました!
バイクのニュース
バイクで走るには最悪の雨! それでもスポーティな走りが楽しめるからやめられないDUKEの意欲作とは!?
バイクで走るには最悪の雨! それでもスポーティな走りが楽しめるからやめられないDUKEの意欲作とは!?
バイクのニュース
全面新設計のロイヤルエンフィールド「ヒマラヤ」 旧車的で牧歌的な資質は維持しているのか?
全面新設計のロイヤルエンフィールド「ヒマラヤ」 旧車的で牧歌的な資質は維持しているのか?
バイクのニュース
気軽に乗れちゃうハーレーって!? ハーレーダビッドソンの水冷パラレルツインエンジンを搭載した「X500」に、アクティブ女子の指出瑞貴が乗ってみました!
気軽に乗れちゃうハーレーって!? ハーレーダビッドソンの水冷パラレルツインエンジンを搭載した「X500」に、アクティブ女子の指出瑞貴が乗ってみました!
バイクのニュース
カワサキ「Z2」再生 なんだか遅い!? 試運転で見えた気になるポイント~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol,2
カワサキ「Z2」再生 なんだか遅い!? 試運転で見えた気になるポイント~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol,2
バイクのニュース
カクカクSUVな新型「タンク」登場!  豪華内装×オフ仕様!? 川も渡れる…「700」を中国で試乗
カクカクSUVな新型「タンク」登場! 豪華内装×オフ仕様!? 川も渡れる…「700」を中国で試乗
くるまのニュース
コンパクトボディとエキサイティングなスポーツライディングを実現! スズキが「GSX-R1000」2025年モデルを北米で発売
コンパクトボディとエキサイティングなスポーツライディングを実現! スズキが「GSX-R1000」2025年モデルを北米で発売
バイクのニュース
【車両重量920kg】 第4世代スズキ・スイフト クルマとの対話を楽しむMT仕様のコスパ良し
【車両重量920kg】 第4世代スズキ・スイフト クルマとの対話を楽しむMT仕様のコスパ良し
AUTOCAR JAPAN
【国内試乗】国内導入第3弾はミッドサイズのスポーツサルーン「BYDシール」
【国内試乗】国内導入第3弾はミッドサイズのスポーツサルーン「BYDシール」
LE VOLANT CARSMEET WEB
ヤマハMT-03/MT-25 ABS 2024年モデルにダークグレーの新色登場。価格据え置きの全3色展開で7月30日発売
ヤマハMT-03/MT-25 ABS 2024年モデルにダークグレーの新色登場。価格据え置きの全3色展開で7月30日発売
モーサイ
トライアルブーム再燃!? 世界タイトルを獲得したホンダが作り上げた往年の公道トライアル車とは
トライアルブーム再燃!? 世界タイトルを獲得したホンダが作り上げた往年の公道トライアル車とは
バイクのニュース
ハスクバーナ2025年モデルのモトクロスマシン国内導入発表 フルサイズは2スト含め3機種
ハスクバーナ2025年モデルのモトクロスマシン国内導入発表 フルサイズは2スト含め3機種
バイクのニュース
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア! 穴の空いたマフラーを交換ついでにもっとカッコイイ物にアップデートします 【vol.13】
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア! 穴の空いたマフラーを交換ついでにもっとカッコイイ物にアップデートします 【vol.13】
バイクのニュース
【10年ひと昔の新車】スバル エクシーガ tSは、走りをきわめた「おとなのミニバン」だった
【10年ひと昔の新車】スバル エクシーガ tSは、走りをきわめた「おとなのミニバン」だった
Webモーターマガジン
LBXの影にしたくない! 小改良 レクサスUX 300hへ試乗 第5世代HVで198psに 喜び多き所有体験
LBXの影にしたくない! 小改良 レクサスUX 300hへ試乗 第5世代HVで198psに 喜び多き所有体験
AUTOCAR JAPAN
ホンダやヤマハが実用化しているマイルドハイブリッド! クルマの「ストロングハイブリッド」との違いは?
ホンダやヤマハが実用化しているマイルドハイブリッド! クルマの「ストロングハイブリッド」との違いは?
バイクのニュース
【スズキ GSX-8R 試乗】フラッグシップよりも重要なもの…鈴木大五郎
【スズキ GSX-8R 試乗】フラッグシップよりも重要なもの…鈴木大五郎
レスポンス
一度は乗ってみたい! 多種多様なバイクの種類
一度は乗ってみたい! 多種多様なバイクの種類
バイクのニュース

みんなのコメント

1件
  • ga.
    このタイプなら一択と言って良いくらいデザインが良いねー

    勿論、スズキだからエンジンも良いけどねー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村