現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > トヨタに続き、プジョーとBMWもル・マンの水素カテゴリーに関心。ポルシェは「主な焦点ではない」

ここから本文です

トヨタに続き、プジョーとBMWもル・マンの水素カテゴリーに関心。ポルシェは「主な焦点ではない」

掲載 10
トヨタに続き、プジョーとBMWもル・マンの水素カテゴリーに関心。ポルシェは「主な焦点ではない」

 ル・マン24時間レースをオーガナイズするACOフランス西部自動車クラブは近年、水素技術を推進しており、2026年にはひとつのカテゴリーとすることを目指している。

 トヨタは6月のル・マン24時間で『GR H2レーシング・コンセプト』を発表/展示し、このカテゴリーに本格的な動きを見せた最初のマニュファクチャラーとなったが、プジョーとBMWもWEC世界耐久選手権における水素燃料について、関心を示している。

TOYOTA GAZOO Racing、将来のル・マン参戦を見据えた水素エンジンコンセプトカーを公開

■水素は「理にかなっている」とプジョー

 現在ハイパーカークラスに9X8で参戦しているプジョーのリンダ・ジャクソンCEOは、「我々はとてもオープンだ」と語っている。

「なぜいま、WECなのか? それは我々の電動化戦略の一部だからだ。現時点でそれは、ハイブリッドだ」

「2038年までにカーボン・ネット・ゼロを目指すという我々の目標は、どのような分野であれ、その戦略とリンクしていなければならない。これはステランティス(グループ)の目標だ」

「我々にはすでに、水素燃料電池を使用したプジョー・エキスパートの市販車両がある。したがって、我々はすでにその技術に対して非常にオープンだ。物事は進化していくだろう。どうなるか見てみよう」

「我々はとてもオープンだが、それは電動化戦略やカーボン・ネット・ゼロへの移行というアイデアとリンクしていなければならない」

 ステランティス・モータースポーツディレクターのジャン・マルク・フィノーは、WECの将来の水素カテゴリーへの参戦について、決定はまだ先だが、プジョーにとって 「理にかなっている」と付け加えた。

「面白いかもしれない」と彼は語った。

「いまはハイブリッド技術に集中しなければならない。次のレギュレーションは水素かもしれない。それは理にかなっている」

「だが、次の10年で何がクルマの動力源として最適なのかを知るのは難しい。多くの解決策がある。もちろん、科学的なインプットもあれば、顧客の期待や政治的な提案もあるはずだ」

「だから、今後数年間で、何が最も間違いのない技術になるかを見極めるのは非常に良いことだ。だが、水素でのレースは我々にとって理にかなっているかもしれない」

 プジョー、BMW、アウディ、トヨタは現在、レースプラットフォームとしての水素をテーマにした技術ワーキンググループ会議に参加しているマニュファクチャラーである。

 こうした議論の最近の重要な成果は、電気燃料電池を搭載したものと、トヨタのコンセプトのように水素を燃料とする内燃機関を搭載したものという、2種類の水素動力自動車を認めることである。

 iX5ハイドロジェンで燃料電池技術を開発したBMWは、モータースポーツ部門のボスであるアンドレアス・ルースによれば、「技術的にオープン」であると考えられている。

「BMWにとって水素は、以前から常に大きなトピックだった」とルースは述べている。

「これは、量産車の側において、我々が現在調査しているテーマだ。したがって、レースの側においても確かに我々が検討していることである」

「現時点では、それがどの方向に進むのか、本当に解決策になるのかを見極めるには時期尚早だ。だが、間違いなく我々はそれを調査し、それが我々にどのように関連するかを確認する」

「というのも、BMWにとって最も重要なのは、我々(レース部門)がロードカーとの関連性を持っているということだからだ。その逆もまた然りだ」

「だが、我々がどのような方向に進むことができるかを語るのは時期尚早だ」

 ルースはまた、どの水素技術がこのクラスに最も適しているかを判断するのは時期尚早だと言う。

「確かに、純粋にロードカーとの関連性を考えると、現時点では燃料電池の方が理にかなっている。燃料電池車両がロードカーにあるからだ」

「もし、モータースポーツに適した解決策を考えるとするなら、まだ早すぎる。そこで我々はいま、実現可能性についての調査を開始し、それがどの方向に進むのかを見極めなければならない」

「もちろん、常に何が起こっているのか、どの方向に進むのかを見たいと思うものだ。本当にそうなるのかどうか、常に大きな疑問符がつきまとう」

「それはまた、BMWグループがどの方向に進みたいのかにも左右される」

「明日決まるようなことではない。どちらかというと長期的なもので、ACOのロードマップによれば2030年頃だと思う。まだ少し時間はある」

「だが、開発も“一日にして成らず”なので、ある時期から検討を始めなければならない」

■ポルシェ、アウディ、ランボルギーニの動向は?

 プジョーとBMWが耐久レースでの水素技術導入にオープンであるのに対し、ポルシェは合成eフューエルに重点を置いていると、モータースポーツ担当副社長のトーマス・ローデンバッハは述べている。

 WECでLMDhマシンを走らせているドイツのメーカーは、フォーミュラEにも参戦しており、短距離スポーツカーレース用の電気技術を開発している。

 欧州連合(EU)は2035年にICEエンジン搭載車の新車販売を禁止するが、ドイツ政府はこの動きに反対し、カーボンニュートラルに設計されたeフューエルを使用すれば、ICEは引き続き有効であることを要求している。

 ローデンバッハは「現時点では、水素はブランドとしての戦略の主な焦点ではない」と述べた。

「モータースポーツは常に、ロードカーに関連することに集中すべきだということを忘れてはいけない。我々はeフューエルを推進し、サポートしている。それは基本的に水素であるが、eフューエルに置き換えたものだ」

「だから、我々は検討するつもりだ。まだ、決定してはない。いまのところ、(水素が)主な焦点ではないが、いずれ分かるだろう。まだ少し先の話だ。決してあり得ない、とは言えない」

 一方、同じフォルクスワーゲン・グループのアウディとランボルギーニは、少なくとも短期的には限定的な関心を示している。

 アウディスポーツのカスタマー・レーシングのボスであるクリス・ラインケは、「我々はワーキンググループのミーティングに参加している」と語っている。

「しかし現時点では、これは純粋にリソースの問題であり、このような戦略的ベンチャーに対する我々の能力はLMGT3にフォーカスしているため、(水素については)むしろ少し遠巻きに見守っているところだ」

 また、2024年にLMDh車両をデビューさせるランボルギーニ・モータースポーツの責任者であるジョルジオ・サンナは、次のように語った。

「技術的な面では、あらゆる可能性を調査している。しかし現在のところ、我々は中期的な未来であるハイブリッド化に集中している」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約138万円! 全長4m以下のホンダ「超小型セダン」がカッコいい! MTもある「アメイズ」インドで爆売れ! どんなモデル?
約138万円! 全長4m以下のホンダ「超小型セダン」がカッコいい! MTもある「アメイズ」インドで爆売れ! どんなモデル?
くるまのニュース
キジマから GSX-8S/R用カスタムパーツ5アイテムが発売!
キジマから GSX-8S/R用カスタムパーツ5アイテムが発売!
バイクブロス
圧倒的加速の[GT-R]は価格も別格! そもそもターボの[定義]ってなに?
圧倒的加速の[GT-R]は価格も別格! そもそもターボの[定義]ってなに?
ベストカーWeb
「幻の最終戦」で悪い流れをどう断ち切る? 豪雨から快晴で劇的展開!! KONDOレーシング56号車はもてぎでどう走った?
「幻の最終戦」で悪い流れをどう断ち切る? 豪雨から快晴で劇的展開!! KONDOレーシング56号車はもてぎでどう走った?
ベストカーWeb
ストロール、フォーメーションラップでのコースオフはブレーキトラブル? しかしなぜかグラベルにハマる……クラック代表「予想外のこと」
ストロール、フォーメーションラップでのコースオフはブレーキトラブル? しかしなぜかグラベルにハマる……クラック代表「予想外のこと」
motorsport.com 日本版
高速のカーブが走りやすいのはアウトバーンゆずりの大発明のおかげ! 誰もが知らずに恩恵を受けている「クロソイド曲線」とは
高速のカーブが走りやすいのはアウトバーンゆずりの大発明のおかげ! 誰もが知らずに恩恵を受けている「クロソイド曲線」とは
WEB CARTOP
究極の『インテグラ・タイプS』爆誕か!? アキュラ「HRCプロトタイプ」公開へ…SEMAショー2024
究極の『インテグラ・タイプS』爆誕か!? アキュラ「HRCプロトタイプ」公開へ…SEMAショー2024
レスポンス
モロゾフがフォルクスワーゲンコラボ「Love Beetle」2025年バージョンを発表!食べも飾っても楽しめるバレンタインギフトだ
モロゾフがフォルクスワーゲンコラボ「Love Beetle」2025年バージョンを発表!食べも飾っても楽しめるバレンタインギフトだ
Webモーターマガジン
角田裕毅、序盤3番手走行も赤旗が不利に働き7位「走りには満足。結果に複雑な思いだが、入賞できたことは嬉しい」
角田裕毅、序盤3番手走行も赤旗が不利に働き7位「走りには満足。結果に複雑な思いだが、入賞できたことは嬉しい」
AUTOSPORT web
【MotoGP】ヤマハに復活の兆し? クアルタラロ、電子制御の改善を実感「パフォーマンスはずっと良くなった。良いステップだ」
【MotoGP】ヤマハに復活の兆し? クアルタラロ、電子制御の改善を実感「パフォーマンスはずっと良くなった。良いステップだ」
motorsport.com 日本版
2026年レギュレーション調整で“コンセプト違い”のマシンが生まれる? F1チームは歓迎
2026年レギュレーション調整で“コンセプト違い”のマシンが生まれる? F1チームは歓迎
motorsport.com 日本版
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
くるまのニュース
欧州ではすでに新型が登場! アドベンチャー大型スクーターの大ヒットモデル ホンダ「X-ADV」はどう変わる?
欧州ではすでに新型が登場! アドベンチャー大型スクーターの大ヒットモデル ホンダ「X-ADV」はどう変わる?
VAGUE
コンセプトはGo Ahead! トムスが40系『ヴェルファイア』用「スタイリングパーツセット」を発売
コンセプトはGo Ahead! トムスが40系『ヴェルファイア』用「スタイリングパーツセット」を発売
レスポンス
ハミルトン、低調メルセデスF1での残り3戦はヤケクソ? フェラーリ移籍を前に「今はクリスマスを楽しみにしている」
ハミルトン、低調メルセデスF1での残り3戦はヤケクソ? フェラーリ移籍を前に「今はクリスマスを楽しみにしている」
motorsport.com 日本版
[自動車ディーラー]が運営母体? [神戸マツダ]が整備専門学校を開校へ
[自動車ディーラー]が運営母体? [神戸マツダ]が整備専門学校を開校へ
ベストカーWeb
13年放置のホンダ「ライフ ステップバン」を仲間とともにレストア…現代風にアレンジしたおしゃれなカスタムメニューを紹介します
13年放置のホンダ「ライフ ステップバン」を仲間とともにレストア…現代風にアレンジしたおしゃれなカスタムメニューを紹介します
Auto Messe Web
「カワサキ プラザ横浜戸塚」がリニューアルオープン!楽しいモーターサイクルライフをサポート!  
「カワサキ プラザ横浜戸塚」がリニューアルオープン!楽しいモーターサイクルライフをサポート!  
モーサイ

みんなのコメント

10件
  • EVしか作れないテスラは論外
  • 投資先を絞らなくてはならないポルシェ、ランボルギーニが、手を出せる領域ではないね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村