駐車場事情に最適な全高1550mm以下
最近、ボクのモータージャーナリスト&ドッグライフプロデューサーという仕事柄もあって、都市部在住の知り合いから、SUV購入の相談をよく受ける。アウトドア好きから愛犬とよくドライブに行く人までそれぞれだが、立派な体格の本格SUVをオススメしにくい事情がある。
【アウトドアで使えるSUVクーペ】オシャレでコンパクトな3台の積載能力を比較してみた
駐車場の問題だ。自宅マンションの駐車場や会社の駐車場、はたまたよく利用する都市部の駐車場に全高制限があり(多くは1550mmまで)、例えば、個人的に国産SUVとしてイチオシのトヨタRAV4や三菱アウトランダーPHEV、ダイハツ・ロッキーなど、意外と身近なSUVでもNGとなってしまう。
そこで、立体駐車場の入庫容易性を含めた都市部での使いやすさに加え、モータージャーナリストが薦めるのだから、走りもいいSUVをピックアップしてみた。しかし、クロスオーバーモデルまで含めると、今では商品性のためか全高1550mm以下のSUVが多いのも事実。国産車ではマツダCX-3(1550mm)、マツダCX-30(1540mm)、トヨタCH-R(1550mm)、レクサスUX(1540mm)、スバルXV(1550mm)など豊富な顔ぶれだ。 輸入車では、BMW X2(1535mm)、メルセデス・ベンツGLA(1500mm)、アウディQ2(1500mm)、VWのヴァリアント系としてゴルフのオールトラック(1500mm)、パサート・オールトラック(1535mm)、ボルボV60クロスカントリー(1505mm)など、クロスオーバーモデルからワゴン派生モデルまで、かなり多彩なモデルが揃う。 走行性能はどれも文句なしで、マツダ車はクリーンディーゼルが選べるし、トヨタ系には燃費性能抜群のハイブリッドも揃う。輸入車ならブランド力とともに、例えコンパクトなモデルであっても、同クラスのセダンやハッチバックモデルに比べ、SUVならではの存在感、迫力は文句なし。ただし、価格がネックである。
なかでもオススメしたい3モデルは?
【スバルXV】
そこで、お買い得でもあり、都市部で使いやすく、走りもよく、さらにアウトドアを楽しむ際に遭遇しがちな悪路や雪道にも強い国産SUVという選択。筆頭は意外かもしれないが「スバルXV」(1.6i-L以上のグレード)になる。 ハッチバック車のインプレッサスポーツがベースとあなどるなかれ。全車スバル自慢のシンメトリカルAWDであり、最低地上高200mmかつ、1.6i-L以上のグレードにはフォレスターにも搭載される、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロール。悪路からのスムーズな脱出を実現する”X-MODE”を備え、筆者の体験では、片輪雪道、片輪雲泥路という坂道を、なんとサマータイヤのままグイグイと登れ、安心感たっぷりに下りることができたほどだ。 さらに2リッターエンジン=水平対向BOXERユニットの豊潤で濃厚なエンジンフィールは、スバルの実用車最上と言っていい。個人的には”ベスト・オブ・実用スバル車”なのである。
【マツダCX-30】
都会を、リゾート地を美しく、スタイリッシュに疾走できる国産クロスオーバーSUVと言えば、魂動デザインのマツダ「CX-30」ではないだろうか。最低地上高は175mmとそれほどではないものの、4WDを選べば”人馬一体”の運転感覚、操縦感覚と相まって、まさに美しきオールラウンダーとなりうる。 特にクリーンディーゼルの重厚にして高級感溢れる走行性能は、ガソリンモデルでは得られない”スカイアクティブD”ならではの魅力。扱いやすさ、先進安全運転支援機能、コネクティッド機能も文句なしである。
【ボルボV60クロスカントリー】
予算に余裕があり、輸入車も視野に入れるなら、アウトドア派や愛犬家にぴったりの1台として大いに薦められるのが「ボルボV60クロスカントリー」だ。全高1505mmは都会での駐車もしやすく、全幅こそ1895mm(カタログ上)とワイドだが、実際には全幅1850mmのV60をベースにクロスオーバーモデル化しているため、V60と基本的なボディサイズ(ドアミラー幅含む)や運転感覚は同一である。 駆動方式についてもV60には設定されないAWDであり、最低地上高210mmを確保。ラゲッジルームの使い勝手から荷物の出し入れ(ラゲッジフロアの低さによる)、世界最高峰の先進安全運転支援機能、前席マッサージ機能などによるロングドライブでの疲労度の少なさや悪路走破性まで、文句のつけようなし。 まさに都会に住むアウトドア派や愛犬家ユーザーにとって、最上の1台となりうるに違いない。非ドイツ車のボルボというブランドの選択も、粋でなかなかではないだろうか。
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