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「SLK」のルーツを辿るとポルシェに行き着く!? バリオルーフで革命を起こした90年代的アイコン2シーターオープンの先見性とは

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「SLK」のルーツを辿るとポルシェに行き着く!? バリオルーフで革命を起こした90年代的アイコン2シーターオープンの先見性とは

伝統の名を受け継ぐコンパクトオープンスポーツ

1996年、メルセデス・ベンツが発表した折り畳み式のバリオルーフを備えたトレンドセッターである「SLK(R170)」は、2シーターロードスターの愛好家の関心を大いに集めた。何故なら、たったひとつのスイッチ操作でフルオープンにもクーペにもなったからだ。じつにトータルバランスが良く、コンパクトでオールシーズン楽しめるバリオルーフを装備したメルセデス・ベンツSLKはもう2度と現れないと思う。

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現在、2シーターでフルオープンエアを楽しめるモデルは、ソフトトップを採用する「メルセデスAMG SL43(2+2)」のみ存在している。以前、5代目「SL」のR230モデル(2001~2011年)は、SLKクラスで先行装備されたバリオルーフを装備していたが、2008年10月に廃止されてから久しい。そこで、このバリオルーフを装備した山椒は小粒でもピリリと辛いSLKにスポットを当て紹介しよう。

時代の最先端を行っていたSLKのルーツとは

メルセデス・ベンツ モータースポーツの歴史に関心のあるエンスージアストなら、SLKの名前から1920~1930年代のSSKやSSKLを連想するに違いない。また、有名なフェルディナンド・ポルシェ博士が当時のダイムラー社に籍を置いたわずか5年間に造り上げた、いわば置き土産としても有名だ(1923年から1928年まで在籍)。名ドライバー、ルドルフ・カラチオラなどと共に世界のレースを席巻したメルセデス・ベンツの伝説的なスポーツカーである。

その伝統はやがて、SLの名を持つスポーツカーに受け継がれた。1954年、ニューヨークのモーターショーでセンセーショナルに同時デビューした300SLと190SLだ。ガルウイングドアを持つ300SLは、すでにそのレース仕様のプロトタイプがル・マンやミッレ・ミリアなどのレースで栄光を勝ち取るなど、世界最高峰のスポーツカーとして誕生した(6気筒3Lで量産車として世界初のガソリン直噴エンジン搭載)。ちなみにSLの意味はドイツ語のSuper Leicht(超軽量)の略である。

一方、オープンボディに4気筒1.9Lエンジンを搭載した190SLには、メルセデス・ベンツのもうひとつの夢が込められていた。より多くの人々が、オープンエア・モーターリングの愉しさを味わえる美しく個性的なロードスターを提供することだった。事実、190SLは1955年の生産開始と同時に世界中の街中を走り始め、人々の共感と羨望のまなざしを浴びる存在となった(1955~1962年まで2万5577台生産)。

そして、この190SLこそが今回紹介するSLKのルーツだ。このSLKの接尾辞“K”はドイツ語のKurzで短いを意味し、事実SLよりもさらにショートである(後述で詳細を紹介)。

コンパクトオープンの代名詞となったSLKのコンセプト

このSLKはCクラスベースの2シーター軽量オープンカーとして登場した。まず1994年、生産化に先駆けて試作モデルが発表され、幾多のテストを繰り返して1996年に量産が開始された。

1996年、メルセデス・ベンツはロードスターファンだけでなく、その革新的なコンセプトで世界を驚かせた。新しいSLK/R170モデルシリーズは、折り畳み式のバリオルーフを装備しているので、オープンからクーペに25秒以内で変身することができた。また、安全性の分野など幾多のイノベーションで高い評価を得ている。

SLKはロールオーバーテストに至るまで、関連する全てのクラッシュテストで優れたパフォーマンスを発揮。マグネシウムなどの素材を使用した軽量構造のコンセプトにより、SLK200の基本バージョンの重量はわずか1270kgにまで軽量化された。

2004年までに、初代SLK/R170モデルシリーズは31万1000台以上がブレーメン工場で製造された。初代SLK/R170モデルシリーズ(1996~2004年)、2代目SLK/R171モデルシリーズ(2004~2011年)、そして3代目SLK/R172モデルシリーズ(2011~2016年)の合計3世代で、このコンパクトなオープントップのメルセデス・ベンツロードスターは、71万台以上が販売されている(2016年6月からSLCとして改称)。

初代はすでに人気のヤングタイマーであり、その結果、すでにその存在は第2段階に入っている。ドイツの業界誌「Motor Klassik」は2019年4月に次の様にコメントしている。

『このロードスターの名前は、設計段階でエンジニアがメルセデス・ベンツSLに敬意を表して「SLK」と呼んだ時に付けられた』

事実、全長3995mmのこのSLK/R170モデルシリーズは、当時のSL/R129モデルシリーズよりも約500mm短かった。

歴代SLKシリーズを振り返る

ここで、日本市場中心に歴代SLKを整理してみると下記の通りである。

初代SLK/R170モデルシリーズ(1996~2004年)

日本では1997年に4気筒のSLK230コンプレッサーとSLK230AMGを販売開始。しかし、この年のモデルは前年度から予約注文が殺到し、年度分が早々と完売となったため、この年の注文分は翌年の1998年に納車された。

2000年にマイナーチェンジされSLK230系が消滅し、CクラスやEクラス共通の3.2L V6エンジンを搭載したSLK320とAMGモデルのSLK32AMGが新たに設定されている。

2代目SLK/R171モデルシリーズ(2004~2011年)

2004年にモデルチェンジされた2代目の特徴は、何と言ってもそのエクステリア。スーパースポーツ「SLRマクラーレン」を彷彿させるデザインのフロントノーズだ。日本では新世代の3.5L V6エンジンを搭載したSLK350と、5.4L V8エンジンを搭載したAMGモデルのSLK55AMGが販売された。

バリオルーフの開閉時間を22秒に短縮させているが、加えてこの2代目のハイライトはオプションのエアースカーフだ。世界で初めてシートバックレストとヘッドレストの間から温風を乗員の首元に届け、標準装備のドラフトストラップと組み合わせることで、外気温が低い時でも快適なオープントップでの走行を可能にした。また、このSLK55AMGがCLK55AMGに代わり、2005年シーズンのF1のセーフティカーとして採用されている。

3代目SLK/R172モデルシリーズ(2011~2016年)

2010年後半、約7年ぶりにフルモデルチェンジされ、2011年1月に正式発表された。エクステリアはフロントノーズのデザインがSLS AMGを連想させるものとなった。

2011年9月のフランクフルトモーターショーで、最強モデルSLK55AMGと歴代SLK初となるターボディーゼルエンジンモデルのSLK250CDI ブルーエフィシェンシーが発表された。

日本での発売は2011年5月から始まった。まずSLK200ブルーエフィシェンシースポーツ、SLK200ブルーエフィシェンシー、SLK350ブルーエフィシェンシーが、翌2012年5月にはAMGモデルのSLK55AMGが導入された。2013年10月、バリオルーフはさらに魅力的に進化し、ルーフを閉じても青空を楽しめるマジック・スカイコントロールパノラマミックバリオルーフへと進化している。

その後、幾多の改良が施され特別仕様も発表され、またグレードも変更された。そして、2016年6月に大幅改良が行われ、SLCクラスへと名称が変更されたことで、SLKクラスとしての販売は終了した。

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みんなのコメント

8件
  • 初代のslk230に乗ったことがあります。
    内装の色も赤とベージュのツートンでおしゃれなのに車両価格が400万円後半くらいでお買い得な印象でした。
  • 二代目SLKはインパクトあったな
    でもやっぱりファッションカーなんだよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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