現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > パワートレインに勝るシャシー ポールスター2 BSTエディション270へ試乗 専用ダンパー獲得 後編

ここから本文です

パワートレインに勝るシャシー ポールスター2 BSTエディション270へ試乗 専用ダンパー獲得 後編

掲載
パワートレインに勝るシャシー ポールスター2 BSTエディション270へ試乗 専用ダンパー獲得 後編

インテリアは通常の2とまったく同じ

シャシーへ専用チューニングが施された、ポールスター2 BSTエディション270のインテリアは、通常とまったく同じ。270台の限定を示すプレートもないし、BSTのロゴがシートに刺繍されているわけでもない。特別な内装トリムを得ているわけでもない。

【画像】専用ダンパー獲得 ポールスター2 BSTエディション270 競合するBEVと写真で比較 全127枚

それでも、車内には特別感が漂っている。ドライビングポジションは、25mmも車高が落とされたことで明確に低い。ダッシュボードやタッチモニターのメニューはシンプルにデザインされ、自然にくつろげる。

素材やテクスチャーには過度な華やかさがなく、肌触りが心地良い。コーナリングスピードは高められているはずだが、シートは標準のまま。基本的には問題ないが、もう少し横方向のサポート性が高いアイテムなら、理想的だったかもしれない。

インフォテインメント・システムも直感的に操作できる。ドライブモードの設定を変えるのに、悩む必要はない。回生ブレーキの効きやパワーステアリングのアシスト量だけでなく、ブレーキペダルを放した時にクリープ走行させるかなどを、簡単に選べる。

ただし、前後の駆動用モーターのトルク割合を変化させたり、スタビリティ・コントロールを完全に無効にすることはできない。運転の魅力を高めるアップデートを主張するなら、追加されていてもいい項目だと筆者は思う。

操縦性の精度は向上 強いアンダーステア

ポールスターには、ドリフト・モードは似合わないかもしれない。しかし、限定モデルをオーダーしたドライバーが、アクセルオン時のバランスを任意に変化させたいと考えないわけではないだろう。

クルマとの一体感を高められるし、一層ポールスターを好きになる要素にもなり得る。内燃エンジンより駆動用モーターの方が、この手のチューニングは難しくないと思うのだが。6万8990ポンド(約1110万円)という英国価格を踏まえれば、尚のことだ。

2 BSTエディション270が得たオーリンズ社製の調整式ダンパーによって、乗り心地と姿勢制御をドライバーは細かく調整できる。レートの高いスプリングに、専用ホイールとタイヤが融合し、操縦性の精度は明らかに向上している。

ステアリングホイールを介して、手のひらへ伝わる感触も増している。しかし、フロントタイヤが主役のような、安定志向のバランスまでは変わっていない。発進直後から、運転体験の中心にあるようだ。

試乗した日は寒く路面が濡れており、ピレリPゼロ・タイヤの能力を充分に発揮できる条件ではなかった。それを踏まえつつ、試乗車のダンパー・セッテイングでは、一貫してアンダーステア傾向が強い様子。思い描いた通りの初期の旋回を得にくい。

速度を調整し、ラインを保持しながらコーナーの頂点を過ぎても、出口へ向けてパワーオンで姿勢を変化させていくことも難しい。少なくともボディロールは抑え込まれ、グリップ力が高められているのは体感できるのだが。

シャシーの能力がパワートレインより数段上

フロントアクスル側の駆動用モーターのトルクを弱め、リアアクスル側へより仕事をさせるようにできれば、操縦特性の明確な違いを得られるだろう。ポールスターは、そこまで踏み込むことはなかったようだ。2113kgという車重も依然として感じさせる。

サスペンションのストロークが短くなったにも関わらず、乗り心地は驚くほどしなやか。完璧に磨き込まれているわけではないが、従来のパフォーマンスパッケージより落ち着きが増している。

2 BSTエディション270が得た変化に、欠点のような部分は見当たらない。それゆえに、ドライバーズカーとして、シャシーの能力がパワートレインより数段上にあるように感じられる事実が惜しい。

好条件のもとで、改めて評価する価値はある。しかし、人工的な高度の制御技術なしに、軽くないBEVを限界領域で楽しめるようにすることは簡単ではないのかもしれない。有能なポールスターをもってしても。

ポールスター2 BSTエディション270(英国仕様)のスペック

英国価格:6万8990ポンド(約1110万円)
全長:4606mm
全幅:1859mm
全高:1479mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:4.4秒
航続距離:455-487km
電費:4.9-5.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2113kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:75kWh
急速充電能力:150kW(DC)
最高出力:475ps(システム総合)
最大トルク:69.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

6速MT搭載! 超レトロな新型「“丸目”スポーツカー」発売へ! “最新・高性能モデル”に匠の手作り「旧車ボディ」採用! 斬新すぎる「新型モデル」M55が凄い
6速MT搭載! 超レトロな新型「“丸目”スポーツカー」発売へ! “最新・高性能モデル”に匠の手作り「旧車ボディ」採用! 斬新すぎる「新型モデル」M55が凄い
くるまのニュース
歴史ある筆記体ロゴとモダンなスタイル! トライアンフが25年に向けたモダンクラシックな限定車「ICON EDITION」を発表
歴史ある筆記体ロゴとモダンなスタイル! トライアンフが25年に向けたモダンクラシックな限定車「ICON EDITION」を発表
バイクのニュース
全長4.9mの新スポーツバック/アバント アウディ新型「A6」に後輪駆動のエントリーモデルが欧州で追加 気になる価格とは
全長4.9mの新スポーツバック/アバント アウディ新型「A6」に後輪駆動のエントリーモデルが欧州で追加 気になる価格とは
VAGUE
レクサス『LBX』、内外装の質感高めた新グレード「Elegant」追加 420万円から
レクサス『LBX』、内外装の質感高めた新グレード「Elegant」追加 420万円から
レスポンス
【ホンダCB400Four回顧試乗】中免ライダーの憧れ「ヨンフォア」は初の4気筒400ccモデルだった
【ホンダCB400Four回顧試乗】中免ライダーの憧れ「ヨンフォア」は初の4気筒400ccモデルだった
モーサイ
無限、2025年の卓上カレンダーを発売。SFとスーパーGTのマシンが疾走感あふれるイラストに
無限、2025年の卓上カレンダーを発売。SFとスーパーGTのマシンが疾走感あふれるイラストに
AUTOSPORT web
ドイツ御三家もポルシェも中国では厳しい戦い! もはやプレミアムセグメントでさえ中国のEVメーカーが席巻
ドイツ御三家もポルシェも中国では厳しい戦い! もはやプレミアムセグメントでさえ中国のEVメーカーが席巻
THE EV TIMES
ラッセル、裁定の一貫性を保つために「ちゃんと給料を貰う、常設のスチュワードが必要な時期が来ている」
ラッセル、裁定の一貫性を保つために「ちゃんと給料を貰う、常設のスチュワードが必要な時期が来ている」
motorsport.com 日本版
【トライアンフ】ダニエル・クレイグ氏がオークションに出品したボンド仕様の特別限定車が過去最高額の6万ポンドで落札
【トライアンフ】ダニエル・クレイグ氏がオークションに出品したボンド仕様の特別限定車が過去最高額の6万ポンドで落札
バイクブロス
ホンダ斬新「大きなSUV」がスゴイ! 高級感漂う「シンプルデザイン」&“Honda”ロゴ強調! 「日本車でイチバン」売れている米国で大人気な「プロローグ」とは?
ホンダ斬新「大きなSUV」がスゴイ! 高級感漂う「シンプルデザイン」&“Honda”ロゴ強調! 「日本車でイチバン」売れている米国で大人気な「プロローグ」とは?
くるまのニュース
キャデラック初のフル電動SUV『リリック』、高性能版「Vシリーズ」設定へ
キャデラック初のフル電動SUV『リリック』、高性能版「Vシリーズ」設定へ
レスポンス
BMW、新型『M1000RR』を発表。2025年モデルは最高出力218hp、ウイングレットも強化。価格と発売日は未定
BMW、新型『M1000RR』を発表。2025年モデルは最高出力218hp、ウイングレットも強化。価格と発売日は未定
AUTOSPORT web
車いすを後付けで電動化、ヤマハ発動機が10年ぶりに刷新 完成車の販売は終了へ
車いすを後付けで電動化、ヤマハ発動機が10年ぶりに刷新 完成車の販売は終了へ
レスポンス
「東京湾アクアライン」封鎖です! 神奈川⇔千葉の大動脈が半日通行禁止 PA「海ほたる」も
「東京湾アクアライン」封鎖です! 神奈川⇔千葉の大動脈が半日通行禁止 PA「海ほたる」も
乗りものニュース
“GT-Rエンジン”搭載! 日産「“4人乗り”スポーツセダン」がスゴイ! ド迫力ワイドボディ&2000馬力発揮でめちゃ楽しそうな「アルティマニアック」とは
“GT-Rエンジン”搭載! 日産「“4人乗り”スポーツセダン」がスゴイ! ド迫力ワイドボディ&2000馬力発揮でめちゃ楽しそうな「アルティマニアック」とは
くるまのニュース
アロンソ、ブラジルでもメディアデーを欠席。腸内感染症の治療のため一時的にヨーロッパへ/F1第21戦
アロンソ、ブラジルでもメディアデーを欠席。腸内感染症の治療のため一時的にヨーロッパへ/F1第21戦
AUTOSPORT web
2024年MotoGP第19戦マレーシアGP TV放送&タイムスケジュール
2024年MotoGP第19戦マレーシアGP TV放送&タイムスケジュール
AUTOSPORT web
バブル時代の象徴フェラーリ「テスタロッサ」は「赤」以外が高額に! ブルーの個体は4000万円以上で落札…クラシケ認定も高評価
バブル時代の象徴フェラーリ「テスタロッサ」は「赤」以外が高額に! ブルーの個体は4000万円以上で落札…クラシケ認定も高評価
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索
ロゴの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村