エコカー人気が平成セダンの価格を下落させた
10年前は新車価格が600万円~1000万円と、高くて買えなかった国産高級セダンの中古車が、いまや100万円前後の価格帯になっている。大柄で威風堂々のボディや3.5リッターや4リッター超えの大排気量エンジンによる余裕の走り、ラグジュアリー感溢れるインテリアなどに、当時は多くの人が憧れを抱いた。
それらモデルの中古車価格が下落した主な要因は、燃費や取り回しの良さ、エコカー減税など税金の安さを重視する現代のニーズに合わなくなったこと。だが、それらに目をつぶりさえすれば、当時に憧れを抱いたクルマが手頃な価格で手に入る。ここでは、そんな平成の高級セダンの中から、おすすめのクルマを紹介する。
今回、車種を決める時は「上級のLサイズセダンでありながら、人気車ではないこと」を条件にする。人気車は低年式でも、ドレスアップを楽しむユーザーの間で需要が多い。セルシオなどは低年式でも中古車価格が上昇してきているので、あえての不人気車を選ぶのが賢明といえるだろう。
ただし年式が極端に古いと、走行距離も伸びており、部品交換などのコストも高まってしまう。購入後の出費が増えたら意味がないから、最低限度の品質を保てる10年落ち(2009年式)以降を選びたい。
日産シーマ(4代目)
・狙い目:2009年式 ・中古車相場:80万~100万円
その典型が日産のシーマ。10年落ちとなる2009年式の4代目が、80万~100万円で販売されている。エンジンはV型8気筒4.5リッターだから動力性能は申し分なし。
プロジェクターランプを集中配置したヘッドランプと大柄なボディなど、外観も迫力満点。大排気量エンジンと充実の装備を持つクルマを、安く手に入れたいユーザーには格好のモデルといえるだろう。まさに憧れのセダンが中古車だから購入しやすくなったという典型だ。
トヨタ・クラウンマジェスタ(4代目/5代目)
・狙い目:2009年式 ・中古車相場:90万~120万円
トヨタのクラウン・マジェスタといえば、クラウンの上級シリーズ。V型8気筒エンジンを主力に、高い動力性能と静かで滑らか吹き上がりに定評がある。しかも、同じトヨタの高級車であるセルシオやレクサスLSに比べると、中古車相場の暴落ぶりも際立つ。
10年落ちとなる2009年式で、マジェスタはフルモデルチェンジを実施。従って2009年式には、4.3リッターエンジンを搭載する4代目と、4.6リッター(ただし4WDは4.3リッターを継続)の5代目が混在する。
4代目とそのキープコンセプトとなる5代目初期型の相場は変わらず、中古車価格はいずれも90万~120万円だ。なお、相場価格は4代目、5代目の違いよりも、走行距離や車両の程度に左右されると言っていいだろう。
レクサスGS(初代)
・狙い目:2009~2010年式 ・中古車相場:90~130万円
レクサスはトヨタが展開するプレミアムブランドで、GSはISとLSの間に位置する上級セダン。日本におけるレクサスは2005年に導入が開始されたが、初代GSは当初からラインアップに入っていた。
初代GSのエンジンはV型6気筒3.5リッター、3.5リッター・ハイブリッド、V型8気筒4.3リッター(後に4.6リッターに拡大)の3つ。V6の3.5リッターは最も買いやすいものの、余裕のある走りと好燃費を両立したハイブリッドや、後期型になって上質さに磨きをかけたV8エンジン搭載モデルなどの上級グレードも安価に購入できる。
その中古車価格は、2009~2010年式が90万~130万円。見た目の古さは否めないものの、比較的に割安で手に入る。
ホンダ・レジェンド(4代目)
・狙い目:2009~2010年式 ・中古車相場:80万~130万円
レジェンドといえば、言わずと知れたホンダの最上級セダン。2004年に登場した4代目は、V型6気筒3.5リッターのエンジンを搭載して発売された(後に3.7リッターに拡大)。
後輪左右の駆動力配分を電子制御で調節できる4WDのSH-AWDを採用し、走行安定性を向上。ボディサイズの割に良く曲がり、峠道をスポーティに走ることも可能だ。
ただし、人気に関しては新車販売時から低迷。そんな”恩恵”もあり、先進的なメカニズムを採用しながらも中古車価格は暴落している。
日産・ティアナ(2代目)
・狙い目:2009年式 ・中古車相場:50万~80万円
ティアナは、前輪駆動のプラットフォームを備えた大型セダン。室内空間は特に広く、大人が4人で乗車しても長距離を快適に移動できる。内装の質も相応に高いが、フロントマスクなどの外観は、華やかさを求められる高級セダンとしては地味。
そのために新車時から人気は伸び悩び、2009年式の中古車価格も50万~80万円とかなり安くなっている。居住性や実用性を重視するユーザーにはとても買い得といえるだろう。
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