■近年のクルマはなぜ似たような車種ばかり!?
古い街並みを撮影した写真に映り込む1970年頃までのクルマは、後ろ姿だけで車種を特定できます。フェンダーの一部が見えているだけで、車種がわかることも多いです。ところが最近のクルマは車種どころか、自動車メーカーすらもパッと見ではわかりづらくなりました。昔のクルマは外観の個性が豊かでしたが、今は画一化され見分けにくくなっています。
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なぜ、近年のクルマは似たような車種ばかりになってしまったのでしょうか。
商品ラインナップに「魂動デザイン」と統一したデザインテーマを取り入れ、世界的に高評価を得て全商品が成功したいい例がマツダです。「魂動デザイン見たときに、心や魂を動かせるデザイン。それが基本です」と話すのは、新型「マツダ3」のチーフデザイナー土田康剛氏。デザインによってメーカーの方向性を見せていく良い流れができたと思います。
かつての自動車メーカーはいろいろなボディ形状を模索していましたが、近年では人気を高められるデザインがわかってきたので、見せ方も似通っています。
また今は自動車メーカーごとの統一された表現も重視され、フロントマスクなどは意識的に共通化しています。そうなれば画一化はさらに進みます。
クルマのデザインが安定期に入った影響もあるでしょう。1970年頃までは、10年前のクルマは古く見えましたが、今は時間の経過に伴うデザインの変化が小さいです。トヨタ「エスティマ」、日産「キューブ」、三菱「パジェロ」などは、現行型の発売から10年以上を経過しながら、今でも販売されて古さをあまり感じません。
フルモデルチェンジを行っても先代型との違いがわかりにくい車種も増えました。たとえば先ごろBMW3シリーズがフルモデルチェンジを行って7代目に進化しましたが、外観写真をはじめて見た時は「これが新型?」と、筆者(渡辺陽一郎)は思ってしまいました。マイナーチェンジのようにも見えてしまいます。デザインの進化が安定期に入った証です。
デザインの変化が乏しいことは、クルマの売れ行きにも影響を与えます。機能の向上とあわせてデザインが目立ってカッコ良くなれば、購買意欲も高まりますが外観の変化が乏しいと買いたい気持ちも盛り上がりません。
そうなると外観のデザインを大幅に刷新すれば、売れ行きも一気に伸びるのでしょうか。現行トヨタ「プリウス」が外観デザインを思い切り個性的にしたのも、何となくわかる気がします。先代「プリウス」は、いかにもエコカーを感じさせる無難な形状で爆発的に普及しました。そこで現行型は、無難では振り向かないユーザーを取り込むべく、プラットフォームの一新による走行安定性の向上と併せ、個性的で楽しいクルマをめざしたのです。しかしこれが裏目に出てしまいました。
とはいえ必要なチャレンジだったでしょう。「ここまで思い切ってはダメ」という限界も分かったからです。
■近年のカーデザインには甚大な欠点が!?
そして近年のカーデザインには、甚大な欠点があります。側方や後方の視界が大幅に悪化したことです。
まずはドライバーの囲まれ感を強めるデザインが流行して、サイドウインドウの下端が持ち上がり、側方視界が悪くなりました。昔のクルマはサイドウインドウを開き、ドアパネルに肘を乗せて運転できましたが(もちろん運転方法としては大間違いです)、今のクルマはミニバンや一部のSUVを除くと肘を掛けられません。肘が大きく持ち上がってしまいます。
これに加えてサイドウインドウの下端を後ろへ向けて持ち上げる「ウェッジシェイプ」も流行しているため、斜め後方も見にくいです。リアウインドウもこれに合わせて高さを決めるから、真後ろの視界も悪くなりました。シートに座ると、クルマに潜り込んだ感覚になります。
ちなみにサイドウインドウの下端を持ち上げていない車種では、ドライバーが後ろを振り返った時に、ボディの側面に立つ事故率の高い小学校1年生の平均身長(116.5cm)が辛うじて見えます。
しかしサイドウインドーの下端を持ち上げた形状だと、この身長では後席側のドアパネルに隠れやすいです。サイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げるのは「危険なボディ形状」でもあるのです。
この悪しき傾向が前述したデザインの画一化に組み込まれ、今では日本車、輸入車を問わず、後方の見にくい危険なボディ形状が増えてしまいました。
この欠点を補う装備として、後方の様子を映すバックモニターがあります。モニター画面はインパネやルームミラーに組み込まれるため、後方を見ている時はチェックができません。
そこでドライバーがモニター画面を見ながら前を向いて後退すると、これも危険です。後方の左右から急速に接近する自転車などは、モニターが映す範囲に入らず、見落としてしまいます。後退は後ろを向いて行うのが基本なので、モニター画面もリアウインドウの手前あたりに装着して後ろを向いた状態でも見えるようにすべきですが、その配慮は一切ありません。
これでは工業デザインとして失格です。カッコ良さや美しさと、視界という安全にかかわる優れた機能を両立させねばならないからです。
最近のクルマは、コンセプトのひとつに「原点回帰」を挙げることが多いですが、もっとも原点に回帰すべきはカーデザインでしょう。前後左右が良く見える安全な視界と、個性の際立つ魅力的な外観デザインを取り戻して欲しいです。
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