2023年5月23日より販売開始となった、三菱の新型軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」が、絶好調だ。発売開始前に16,000台もの予約注文を得たそう。しかも、ターボエンジン仕様の4WDが最も多いという(通常2割程度の4WD比率が、なんと6割!! 軽スーパーハイトワゴンジャンルでは異例中の異例)。そんなデリカミニに、今回公道試乗させていただくことができた。大胆なフェイスチェンジが大いに注目されたなか、走りはどのように進化したのか。ご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:MITSUBISHI、ベストカーWEB編集部/撮影:池之平昌信、吉川賢一
鍵は「三菱らしさ」!! 新型デリカミニは走りもデザインも売れっぷりも予想の斜め上!!
オフロードにも強い、三菱らしい自慢の足に!!
同社の軽スーパーハイトワゴン「eKクロススペース」をベースに、流行りの「SUVテイスト」へと大きく改良が施されて登場した三菱「デリカミニ」。SUVテイストの軽自動車といえば、ダイハツの「タントファンクロス」や、スズキの「スペーシアギア」など、人気モデルが続々と登場している、いま大注目のカテゴリー。冒頭でも触れたように、このデリカミニも、キャッチーなネーミングも相まってか販売が好調のようだ。
デリカミニは、ベース車に対し、フロントとリアのバンパーやホイールデザインを変えたほか、前後フェンダー部分をブラックアウト化させ、4WDには大径タイヤを装着したことなどによって、本家デリカD:5にも通じるSUVらしい力強さを演出。半円形のヘッドライトは目力が強く、格子状のフロントグリルも、三菱らしいデザインだ。
三菱久々のヒット作「デリカミニ」。テレビCMで話題の「デリ丸。」も試乗会に登場。キュートしていた。関連グッズ、ぜひ販売してほしい
特筆すべきは、テストコースで念入りにチューニングしたという「4WD専用の足周り」だ。大径タイヤと高い車高に合わせ、ショックアブソーバー特性を念入りにつくりこんだことで、圧雪路や砂利道だけでなく、オフロード路面もかなりイケる仕上がりとなっているそう。また、兄弟車である日産ルークスにはない、ヒルディセントコントロールも備えているという。
設計および実験を担当した、三菱自動車 車両技術開発本部 操安・乗心地技術開発主任の河出光晴氏によると、「デリカミニで出来ることはすべてやり切りました。その結果、オフロードにも強い、三菱らしい自慢の足になりました」とのこと。この河出氏はデリカD:5開発も担当されたそうで、「三菱らしい足」の研究開発に熱いエンジニアだ。さっそくその4WDで公道走行へ出発した。
軽スーパーハイトワゴンの新型デリカミニ。フロントには「DELICA」のイニシャルが刻まれている
リアにも「DELICA」の文字が。その横に、小さく「mini」の文字が並んでいた
もともと使い勝手の良かったインテリアは、eKスペースからの変更箇所はないとのこと
フロントドアの開口角度が90度近い。荷物の出し入れや、汚れたときの掃除にはとても便利
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デリカD:5そっくりのストローク感ある走りが魅力
試乗車は、ターボ付きの4WD仕様。試乗日の気温は25度、天候は曇りで路面はドライという好条件(梅雨の合間の曇り日)であった。装着タイヤはダンロップ「エナセーブEC300+」で、4WDのタイヤは60扁平の165/60R15となる(2WDは165/55R15)。タイヤ直径が10ミリほどアップするので、軽めのハイリフトがなされた印象だ。
スタート地点がキャンプ場ということもあり、砂利道やアスファルト舗装が割れた道など、荒れた路面を走ったが、4WDのデリカミニは、タイヤが突起を上手く抱え込んで衝撃をいなしている。タイヤ扁平を上げたことでエンベロープ特性に優れる(=トレッドが突起を包み込む特性)ことに加えて、チューニングされたショックアブソーバーがいい仕事をしているのだろう。
ただ、大きな起伏では、ボディはロールやピッチ方向に「グラッ」と大き目のモーションを起こす。きれいに舗装された道も車速を上げ下げしながら試乗したが、強くブレーキを踏むとピッチは大きめに出る乗り味だ。このあえて動かす方向にセッティングされているようすは、どことなく、デリカD:5のフィーリングに近い(潤沢なサスストロークによって揺れ感が強め)。
このことについて、試乗後に前出の河出氏に尋ねたところ、「クルマがどういった状況にあるか、インフォメーションがよく伝わるよう、あえて狙っています」とのこと。この「三菱らしさ」にあふれた乗り味からは、ルークスのOEMで終わらせたくはないという、三菱エンジニアの意地が感じられた。また、ターボエンジンも十分パワフルで、大人3人乗車であっても余裕の加速だ。スピードが乗ってきたら、Mパイロットをオンにしてゆったりクルーズモード、というのもいいのではないだろうか。
カラーバリエーションの一部。最人気のボディカラーは、アッシュグリーンとブラックマイカのツートン、2番手は、3番手は、だそうだ
少々値は張るが、それなりの価値は十分にある!!
ちなみに、テレビCMでお馴染みのキャラクタ「デリ丸。」は、2023年6月中旬時点では、世界でたったひとつ(一匹)だそう。今後は増産されるとのことで、この「デリ丸。」の今後も非常に楽しみなところ。
デリカミニの価格は、ノンターボ車が2WDで180~198万円、4WDで201~214万円、ターボ車は、2WDが188~207万円、4WDが209~223万円だ。訴求グレードのターボ4WDだと、本体だけで200万円オーバーを覚悟することになるが(ナビシステムをつけるとプラス20万円以上)、冒頭で紹介したとおり、プラス価格を出してでも買いたいというユーザーはたくさんいるようす。デリカミニは、見た目だけではない、骨太の中身も備えた、いま大注目の軽スーパーハイトワゴンだ!!
(※編集部注/大径タイヤと専用ショックアブソーバーの採用で後席の乗り心地がちょっとだけ心配だったのですが(座面がダイブダウンするし)、実際に乗ってみるとまったく問題なし。シートの肉厚もあって、リラックスして座っていられました。これは広大なスペースもあって、お子さんも嬉しいはず)
純正アクセサリーでカスタマイズされたデリカミニ。そのキャラクタを生かしたオフ系カスタムは、どれも似合っていた!!
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みんなのコメント
どこぞのメーカーのように燃費命で市場を取る戦略にうっかり乗っかると、そもそも質実剛健的な車しか作れないメーカーだから無理して燃費偽装なんてマネをする。
当時の経営者がこの企業の特性を理解していなかったのだろうなあ。技術はさぞ苦労しただろうに、気の毒に。
ただ、余りに売れちゃうとマネタが市場を奪いに来るのは、寡占企業の市場戦略だから燃費や価格にこだわらずに性能で勝負すると面白い商品が期待できそう。
まさか、仕事を途中でやめたわけじゃないだろうな?