2024年7月3日、フォルクスワーゲンが「ニューモデルプレスプレゼンテーション2024」をグランドハイアット東京で開催。フォルクスワーゲンジャパンの新ディレクター、イモ・ブッシュマンさんの紹介とともに、なんと4車種の新型を発表。そのラインナップはT-Cross、ティグアン、ゴルフ、パサートという布陣である。
画像の人物は前任ディレクターのアンドレア・カルカーニさん
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まず、大注目なのが、フォルクスワーゲンといえば・・・のゴルフである。2024年は初代ゴルフが誕生してから40年目にあたる記念すべき年で、現行ゴルフ(2024年7月現在)は8代目となり、ゴルフ8と呼ばれている。それが、今回のマイナーチェンジによってゴルフ8.5(仮称)に進化したのである。もちろん、ハッチバック、ワゴン版のヴァリアント、そしてGTIを含むフルラインナップとなり、発売は2025年1月(出荷)を予定しているという。
マイナーチェンジされたゴルフの標準モデル(ハッチバックとヴァリアント)は、パワーユニットの3気筒マイルドハイブリッド1Lターボ(Active)を廃止。すべて48Vマイルドハイブリッドの1.5L eTSIエンジン、116ps、22.4kg-m、および150ps、25.5kg-mに統一。クリーンディーゼルのTDIは2L、150ps、36.7kg-m。2Lエンジンの8.5 GTIは特筆モノで、そのスペックは265ps、37.7kg-mと、ゴルフ8 GTIの245psから20psアップが計られている!!
新型GTI
電動化、デジタル化はさらに進み、標準車にマイルドハイブリッドのe TSIエンジンを積んでいるのはもちろん、夜、一目でゴルフ8.5だと分かる、日本向けフォルクスワーゲン初のイルミネーション付きVWエンブレムが装着されているのが大きな特徴だ。
実用性の進化もある。それは、ゴルフ8で不評だった、インフォテイメントシステムのタッチバーだ。ゴルフ8ではバックライトがなく、夜の操作性で問題があったのだが、12.9インチの大画面になったゴルフ8.5ではそこがバックライト付きとなり、操作性が向上、というか、当たり前に使えるようになっている。また、IDA(アイダ)と呼ばれる音声認識=ボイスアシスタントも強化。インフォテイメントやエアコンなどのコントロールが「ハロー・アイダ」、または「ハロー・フォルクスワーゲン」で起動する。
なお、コロナ禍以降、ゴルフの供給が滞っていたものの、ゴルフ8.5が発売される2025年には、供給が安定するとのことだ。
いち早く、新型が発売されるのが、輸入SUV販売台数、3年連続NO.1の座に輝いたT-Cross。9月下旬以降に出荷される見込みで、バンパー、エクステリアのライト類を一新。フロントは水平基調のLEDヘッドランプを、リヤコンビランプはXに光るLEDランプを採用。T-Crossの特徴でもあるボディカラーも新色を3色追加。インテリアではダッシュパッドにソフト素材を用いるとともに、フロントシートヒーターを採用している。
さらに、先進装備としてT-Cross初となるLEDマトリックスヘッドライトIQ LIGHTを搭載し、全グレードに同一車線全車速運転支援システムのトラベルアシストを標準装備。レーンキープアシストシステムも採用している。なお、ポロ同様に、電子パーキングブレーキは未採用。レバー式パーキングブレーキが継続採用されている。
次に紹介するのは、フルモデルチェンジを受けてオールニューとなったフォルクスワーゲンの人気SUV、3代目ティグアンである。フォルクスワーゲンと言えば、世界でゴルフがもっとも売れていると思いがちだが、じつは2019年以降、フォルクスワーゲンのベストセラーモデルはティグアンなのである。
新型ティグアンは内外装を一新するとともに、上級セグメントの装備を奢り、日本でも人気のクリーンディーゼル+4WD、およびティグアン初の48Vマイルドハイブリッド機構を採用したガソリンエンジンのふたつのパワートレインを用意。ボンネット位置を高めたことでSUVらしい力強さが増強され、しかし燃費にも貢献する空気抵抗値=CD値は2代目の0.33から0.28に向上。これまでのMQBアーキテクチャーからMQB evoとなり、アダプティブシャシーコントロールはDCCからDCC proに。マトリックスヘッドライトはIQ LIGHTからIQ LIGHT HDに。インフォテイメントシステムも新世代のMIB4へと進化しているのである。
また、センターコンソールのドライビング・エクスペリエンス・コントロール(オーディオの音量や運転モードの選択などが可能)を採用するとともに、ベースグレード以外のグレードには空気圧式マッサージ機能を運転席、助手席に用意。レザーシートパッケージになれば、空気圧式マッサージ機能だけでなく、外気温を検知してシートヒーター/ベンチレーションを自動作動させることもできるというから、まさに上級セグメントの装備が充実する。なお、新型ティグアンの出荷開始は2024年11月以降を予定している。
最後に紹介する大物が、9代目となってフルモデルチェンジされるパサート。今回はセダンを廃し、人気のワゴン=ヴァリアントのみとなり、ボディサイズは全長4915×全幅1850×全高1500mm、ホイールベース2840mmと、先代の全長4790×全幅1830×全高1470mm、ホイールベース2790mmから、とくに全長、ホイールベースを拡大。ひとクラス上のセグメントに相当するボディサイズが与えられたことになる。
ティグアン同様にMQB evoアーキテクチャーを採用するのはもちろんで、ひとクラス上のゆとりある室内空間、居住性、ステーションワゴン最大級のラゲッジスペースを実現している。何しろ、先代でも広すぎた!?ラゲッジルームは40L増しの最大1920L(後席格納時)へと増大しているのである。
パワーユニットは48Vマイルドハイブリッドとなった1.5L eTSI(FF)と2L TDIクリーンディーゼル+フルタイム4WDの4MOTION、そしてプラグインハイブリッドのeHybridの3タイプを用意している。
ということで、2024年後半から2025年初頭にかけて、フォルクスワーゲンは4車種もの新型車を一気に投入。フォルクスワーゲンから目が離せなくなっている。
余談だが、これまで、「ゴルフは8.5まで。9代目はない」とされていた。つまり、電動化戦略から、EVのID.4がその代わりになるとウワサされていたのだ。が、どうも、ゴルフの存続が完全になくなってはいないと伝え聞く。それはそうである、フォルクスワーゲンのアイコンとも言えるゴルフがなくなるのは、ビートル同様、あまりにも寂しい。世界中でフォルクスワーゲン=ゴルフだと思い描く自動車ファンは圧倒的なはずで、自身、1985年型のゴルフII MTに始まり、ゴルフ7の完成度に感動して2014年型ゴルフ7ヴァリアント・ハイラインを長期に渡って愛車とし、今は3台目のフォルクスワーゲンとして2020年型ゴルフヴァリアント・ハイラインマイスターに「これが最高」と大満足しつつ乗り続けている筆者にとっても、フォルクスワーゲンからゴルフがなくなるのを、どうしても阻止していただきたいと思い、願っているところである。新型ティグアン、パサートの試乗も楽しみだが、ゴルフ8.5の進化ぶりも大いに気になるところ。試乗が叶ったら、改めて試乗レポートをお届けしたい。
文/青山尚暉
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みんなのコメント
50年の間違いだよね。
久々のVW渾身作の予感がプンプンしてならない。いずれは自分も購入予定だが脚がかなり凝っているところが魅力たっぷり!今から楽しみでしか無い。