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【10年ひと昔の国産車 31】レクサス HS250hは既存のレクサス車とは異なる方向にあるクルマだった

掲載 更新 9
【10年ひと昔の国産車 31】レクサス HS250hは既存のレクサス車とは異なる方向にあるクルマだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「レクサス HS250h」だ。

レクサス HS250h(2009年)
レクサス初のハイブリッド専用車にして、同ブランド初の4気筒エンジン搭載車となるHS250h。これまでのレクサス車のハイブリッド システムはパワーブースター的なものが多かったが、HS250hのシステムはプリウス同様に「あくまで燃費最優先のセッティング」と開発者は述べている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

結果、HS250hの走りの感覚、とくに加速の印象はこれまでのレクサスのハイブリッド車とは大きく異なっていた。端的に言えば、GS450hやLS600hのような「無尽蔵のトルクがモリモリと上乗せされるような異次元感覚」は持ち合わせてはいない。一方で、エンジンが始動をしようが停まっていようが、圧倒的な静粛性を保ち続けるのは、さすがレクサス。このあたりは、アクセルペダルの踏み込み量に応じてノイズレベルを高めるプリウスとは大きく感覚の異なる部分だ。

フットワークは、17インチを履いた標準サス仕様がもっともトータルバランスに長けた印象。18インチを履くと、ばね下の動きの軽快さや継ぎ目乗り越え時のショックが気になる。18インチにこだわりたいのなら、専用チューンが施された足まわりのバージョンSがオススメ。こちらだと、標準サス+18インチという組み合わせよりもバネ下の動きのスッキリ感が向上し、走りの軽快感が高まるからだ。

3ボックスセダンという形態を採りつつも、ショートノーズ&ショートデッキのフォルムで個性をアピールするエクステリアに対して、インテリアのデザインは色使いも含めてより大胆だ。

ダッシュボードのセンターから手前側へと滑り台のごとく迫り出したセンタークラスター。もっとも高い位置にはナビゲーション用モニターを配し、手前にはRXで初採用されたマルチメディア コントローラーのリモートタッチをレイアウト。視覚系と操作系がしっかり分けられ、使い勝手は上々だ。内装の仕上がりレベルは、レクサス クオリティで文句なし。

HS250hというクルマは「今という時代が後押しをした、レクサス ブランドならではの、新しいハイブリッドモデル」といえるだろう。つまり、プリウスとHS250hのキャラクターはまったく違うともいえるが、一方で共通をするのはそのハイブリッドシステムが「燃費最優先」というセッティングでリリースされた点だ。これからの時代には高価なプレミアムモデルであっても、そこには環境性能の高さを徹底して重視するユーザーが確実に存在するということをレクサスは誰よりも早く予想し、かつHS250hのリリースによってどこよりも早く対応したというわけだ。

HS250hというモデルの真のスゴさは、じつはこんなところにあるのかもしれない。

■レクサス HS250h バージョンL 主要諸元
●全長×全幅×全高:4700×1785×1505mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1640kg
●エンジン種類:直4 DOHC+モーター
●排気量:2362cc
●エンジン最高出力:110kW<150ps>/6000rpm
●エンジン最大トルク:187Nm<19.1kgm>/4400rpm
●モーター最高出力:105kW<143ps>
●モーター最大トルク:270Nm<27.5kgm>
●システム総出力:140kW<190ps>
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:23.0km/L
●タイヤ:225/45R18
●当時の車両価格<税込み>:535万円

[ アルバム : レクサス HS250h はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

9件
  • HV専用車だったので、モデルのスタート価格が高く、ジャーマン3の安く設定されたエンジン車に比較され、カタログ時点で候補から外される結果になったらしい。
    車としては、非の打ち所がないくらい欠点隠しに走って、この車の魅力って何、魅力がないのが最大の欠点となってしまった。マイナチェンジで少し変更したけど時既に遅しだったなあ。
  • FWDサルーン。

    現行カローラセダンと見比べますと、このあたりのサイズでセダンを構築する場合。

    3ボックスそれぞれのパートに振り分けるボリュームをトヨタはほとんど変えていない事が解ります。

    この比率でカッコ良く見せる手法をトライし続けたのだと認識します。

    カムリとは少し異なるプロポーション。
    サルーン系モデルへの意地を見ます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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