BMWは、2025年のニュルブルクリンク24時間レースのトップクラスにローヴェ・レーシングのエントリーによる1台の車両で出場すると発表した。彼らは、今年6月に控える過密スケジュールのなかで「前例のない組織上の課題」により、参加台数を縮小することとなった。
■ニュル24時間は「非常に残念なスケジュール」
過酷な“3週連続24時間レース”も影響。BMW、2025年ル・マンへの3台目のハイパーカー投入を断念
ローヴェの98号車BMW M4 GT3は、優勝経験を持つアウグスト・ファーフス、ケルビン・ファン・デル・リンデに加え、ラファエル・マルチェッロ、イェッセ・クローンが加わるという、ファクトリードライバー4名によるエントリーとなる。
この1台体制は、2020年以来のニュルブルクリンク総合優勝を目指すBMWとしては昨年から大幅に縮小されたものとなる。昨年はローヴェが2台、そして現在ではBMW陣営を離れたチームRMGから1台という、計3台体制を採用していた。
2025年6月は14~15日にル・マン24時間レース(WEC世界耐久選手権)、その翌週にニュルブルクリンク24時間レース(IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ)、さらにその翌週の28~29日にスパ24時間(IGTC/GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ)と、3週連続で欧州の主要24時間レースが行われる。これについては、参加するメーカーやチームからさまざま反対意見も挙がっている状況だ。
ローヴェについては、ニュルとスパが連続した週末に開催されるという、例年にない忙しさの影響を受けることになる。
チーム代表のハンス・ペーター・ナウンドルフは、昨年このカレンダーが初めて確定した際にすでに反対を表明しており、その結果、チームはその後、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップへの参加台数も減らしている。
「基本的には、BMW M4 GT3 EVO、経験豊富なチーム、強力なドライバーラインナップにより、2020年以来初めてニュルブルクリンクで勝つためのすべての前提条件がそろっている」とナウンドルフは述べている。
「それが我々の目標だ。ローヴェ・レーシングは14回目の参戦となるが、元ニュルブルクリンク優勝者のアウグスト・ファーフスとケルビン・ファン・デル・リンデ、ラファエル・マルチェッロとイェッセ・クローンという我々のドライバーは、他のクルーを恐れる必要はない」
「同時に、レースカレンダーは、7日間でふたつの24時間レースで表彰台のトップに立つというユニークな機会を与えてくれている」
「これらは良いことだが、ニュルブルクリンク24時間レースの非常に残念なスケジュールにより、前例のない組織上の課題に直面していることも、率直に言わなければならない」
「ニュルブルクリンクの素晴らしいファンに1台のクルマしか見せられないのは残念だが、スパ・フランコルシャン24時間レースとの二重の負担を考えると、これ以外は不可能だった」
■M2レーシングも「開発の一環」でニュル出場へ
さらにBMWは、2026年にカスタマー向けのエントリーレベルの車両として提供される予定の新しいM2レーシングモデルも、開発の一環としてニュルブルクリンク24時間に参戦させることを確認した。
「世界でもっとも過酷な耐久レースで、BMW M4 GT3とBMW M4 GT4のEVOバージョンが初めて活躍するのを見るのを、とても楽しみにしている」と、BMW Mモータースポーツのカスタマーレーシング責任者であるビョルン・レルマンは述べている。
「ニュルブルクリンク24時間レースは、毎年BMW Mモータースポーツのカスタマーレースの絶対的なハイライトだ。過去55年間での20回の総合優勝と数え切れないほどのクラス優勝がそれを物語っている。BMWとノルドシュライフェは切っても切れない関係にあるのだ」
「まだ開発中のBMW M2レーシングがレースで活躍するのを見るのは、間違いなくまた素晴らしい週末となるだろうし、それはひとつのハイライトだ」
[オートスポーツweb 2025年03月19日]
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