現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

ここから本文です

デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

掲載 173
デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

 新型クラウンクロスオーバーから全幅が1840mmに!! そして間もなく登場予定のクラウンセダンに至っては1890mmと巨大に。これまで頑なに全幅1800mmを守ってきたのにここまで拡大してユーザー的に大丈夫なのか!?

文:佐々木亘/写真:ベストカーWeb編集部

デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

■クラウンは日本の高級車から世界へ!! 全幅1800mmを守り続けたワケとは

先代クラウンまでは全幅1800mmであり、歴代モデルすべてにおいてこの数値を上回ることはなかったのだ

 現行型の16代目クラウンシリーズは世界へ羽ばたくクルマだ。言い方を変えれば、先代モデルまでは、日本国内のことしか考えなくていいクルマであり、全幅1800mmという不文律が存在した理由もここにある。

 クラウンは日本の狭い道路に合わせて1800mmという全幅を維持してきたのだ。

 実際に日本の道路は、センターラインのある2車線道路の場合、最も狭い道幅は片側2.75mだ。そこから0.25m刻みで広がっていき、最も幅の広い道路が道幅3.5mの高速道路となる。

 道幅2.75mの道を全幅1800mmのクルマが走行した場合、道路の中央を走行すると片側に47.5cmの余裕が生まれる計算。ドアミラーは片側11cm程度であり、実質的な余剰空間は片側で36.5cmだ。

 車両全幅を拡大するということは、ドライバーから車線内の余裕を奪うことと同義。全幅が広げられたクルマを「運転しにくい」という感覚は、この余剰空間の少なさから生まれる。

 そこで比較的狭い道でもすれ違いなどで苦労しないよう、クラウンは頑なに1800mmという全幅を守ってきたのだ。

 しかし、16代目クラウンはグローバル展開を進める。もう日本だけを見てきたクラウンではない。

 全幅を拡幅すれば、車内の空間は広くなり、トレッド幅が広がって運動性能も高まる。高級車としては良いこと尽くしの全幅の拡幅は、新型クラウン投入において、至極当然の流れなのだ。

■ユーザーも販売店も悲観せず!! むしろセダン復活に歓喜の声多数

まさかのクロスオーバーで登場したとともに全幅を1840mmに拡大!! ところがユーザーは意外にもサイズアップに悲観せず

 クラウンの全幅拡大について、トヨタ販売店の反応は悪くない。トヨタラインナップの中で、既に1800mmの全幅を超えるクルマは多数存在し、クラウンが不文律と言われた全幅1800mmを越えたところで、大きな驚きはなかった。

 セダンラインナップではカムリが1840mm、MIRAIは1885mmと、全幅1800mmを越えるクルマが既に存在する。

 SUV・ミニバンなども全幅1800mmを超えるクルマが増えており、全幅の数字にこだわる必要性は小さくなってきた。

 また、クラウンセダンの全幅は1890mmとなる予定であり、レクサスLS(全幅1900mm)と肩を並べるクルマになったという見方もできる。

 クラウンの車格が、数値の上でも高まるのは売り手にとって喜ばしい事実。これで欧州セダンに対してもクラウンで勝負できる。

 高級セダン市場での復権を狙う意気込みが、トヨタ販売店からは強く感じられた。

 また、クラウンユーザーに話を聞くと、65歳以上のドライバーでは全幅の拡大を好ましく思わないという声が一部あったが、思ったほど否定的な声は出てこなかった。

 クラウンがセダンで戻ってくるという嬉しさの方が大きいようで、幅広ボディには「慣れるだろう」という楽観的な見方も強い。

■全幅拡大で見えてくるのはクラウンの若返り

クラウンスポーツこそ若返りの象徴な気もするが、果たしてどうなるか!?

 全幅が大きくなることで生じるのは、車両感覚の変化だ。車内から真っ直ぐ前を見たときにAピラーが視界に入りにくくなり、車両の四つ角、特に左前方の位置感覚がズレる。

 クラウンセダンは先代から90mmも拡幅するため、運転席からの車両感覚はかなり変化するだろう。

 しかし、ドライバビリティを高める工夫は、クラウンクロスオーバーでも感じることができた。

 クラウンセダンにおいても、大きさを感じさせない工夫が各所に施され“らしさ”が残ることを期待したい。

 ただし、ボディの肥大化で、クラウンは老若男女問わずに運転できるクルマではなくなったと思う。

 とくに年齢を重ねたドライバーにとっては、運転するのが難しいクルマになるだろう。

 クラウンは年齢を重ねた先で乗るクルマではなくなった。「いつかはクラウン」という概念も、時代とともに変えていく必要がある。

 販売現場で話を聞く限りでは、全幅1,890mmを受け入れるクラウンファンは多かった。

 ロー&ワイドでかっこよく、特に若年層や中年層が好意的に受け止め、登場を楽しみにしている印象を受ける。先代クラウンで掲げたクラウンの若返りが、やっと16代目にして実現しそうだ。

 狭いと言われる日本の道路でも1800mmオーバーのクルマが当たり前に走行する時代になっている。

 もちろんクラウンが全幅1800mmを超えるのは大いにアリだ。数値に縛られることなく、クラウンセダンには「日本を代表するクルマ」として、世界と戦ってもらいたい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

173件
  • 1890はさすがにデカ過ぎ。
    普段乗りにも困る、お店の駐車場とかもギリギリ。
  • マンションの機械式駐車場が上限1850mmなので
    私の選択肢からは外れることになりました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村