■最新モデルのD型は走行性能が進化した!
2ドアスポーツクーペ「BRZ」は、スバル唯一のFR(後輪駆動)レイアウトを採用したモデルです。
初代モデルは2012年に登場。トヨタ「86(ハチロク)」とは兄弟車となり、トヨタとスバルが共同開発した後輪駆動モデルということでも話題になりました。
2021年7月には現行の2代目モデルがデビューしており、初代モデルと同じく、トヨタとスバルでクルマのベースを共有。それぞれの個性を際立たせた走行性能を追求しています。
【画像】カッコいい! これがスバルの「4人乗りスポーツカー」です! 画像を見る
年次改良でさまざまなアップデートがおこなわれているBRZですが、2024年7月に発表されたD型ではMT車専用の「SPORTモード」が新たに採用されました。
SPORTモードに切り替えると、全回転域でアクセル操作に対してエンジンが忠実に反応し、アクセルコントロール性が向上。アクティブサウンドコントロールもSPORTモード用となり、運転する高揚感をさらに盛り上げます。
またAT車の改良は、マニュアルダウンシフト制御をドライバーの操作や路面状況などから総合的に回転数制限範囲を判定する設定とし、オーバーレブの危険性がない状況においてドライバーの意思でダウンシフトができるように回転数の領域を拡大しました。
D型ではほかにも、「R」「S」「カップカーベーシック」グレードにおいて、ダンパー減衰力特性を最適化。「STIスポーツ」を含む全グレードで電動パワーステアリングのアシスト特性を見直すことで、操縦安定性や乗り心地を進化させています。
また、2023年の年次改良(C型)では、MT車にも運転支援システム「アイサイト」が搭載されました。
AT車には現行モデル登場時からアイサイトが搭載されていたのですが、MT車用のシステムを新たに開発。
プリクラッシュブレーキや追従機能付きクルーズコントロール、車線逸脱・ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、後方ソナー警報機能のクリアランスソナーが備わり、安全性能や快適性能が向上しました。
加えて、C型では最上級グレードの「STIスポーツ」が追加されるなど、バリエーションの拡充も図っています。
そんなBRZではどのようなモデルが売れ筋なのでしょうか。
C型の受注状況を見ると(2023年9月22日~2024年5月31日)、最も人気なのは全体の60%を占める「STIスポーツ」です。次いで中級グレードの「S」(25%)、エントリーグレードの「R」(15%)となっています。
トランスミッションの比率はMTが71%と圧倒的。現行BRZが登場した当初はMT比率が62%だったのですが、C型からアイサイトが搭載されたことにより、高速道路でも快適に走行できるとあって、購入者の多くがMTを選択していることが伺えます。
購入者層を見ると、50代が29.6%と多くを占めているのですが、その次に20代も19.5%とかなりの割合を占めています。
クルマの電動化により、将来的にMT車が消滅する可能性があり、BRZに限らず、若い世代でMT車への人気が高まっているとされています。
また、BRZは「2+2」の4人乗りとはいえ、後席は非常に狭いことからファミリー向けではなく、今のうちにピュアスポーツに乗っておきたいという若者が増えているといえるでしょう。
※ ※ ※
一番人気のSTIスポーツでは、ブラックのドアミラーとシャークフィンアンテナを装着したほか、ホイールはツヤありのダークメタリックとするなど各所に黒を採用した特別な装いとなっています。
また、ヘッドライトの「BRZ」ロゴをチェリーレッドとし、「STI」エンブレムを前後に装着するなど、STI(スバルテクニカインターナショナル)がチューニングした証が加えられました。
インテリアは、STIスポーツならではの「ボルドー×黒」の内装色を採用。シートのサイドサポートには「STI」のエンボス加工が施されたほか、スタートスイッチやメーターにもSTIのロゴが入れられ、エンジン始動時にメーターに表示されるアニメーションもSTIスポーツ専用としました。
足回りでは、日立アステモ製SFRDフロントダンパーに加え、ブレンボ製のブレーキとゴールドキャリパーが設定されます。
なおC型では、メーカーオプションのブレンボブレーキとキャリパーが早々に完売してしまい、装着できなかった人が続出しました。
D型のSTIスポーツにも同様の装備がオプション設定されているのですが、スバルによると「前回よりも多めに準備している」とのこと。気になる人は、早めに販売店に相談してみると良いでしょう。
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「SPORTモードに切り替えると、全回転域でアクセル操作に対してエンジンが忠実に反応」ということは、ノーマルモードではアクセル操作にまるで鈍感な反応しか示さないということですね。