ベントレーがハイパフォーマンスオープントップモデルの新型コンチネンタルGTスピード コンバーチブルを発表。高度なシャシー技術に改良版の6リットルW12エンジン、全7色のルーフカラーを採用
英国ベントレーは2021年4月13日(現地時間)、オープントップ最高峰のグランドツアラーとなる新型コンチネンタルGTスピード コンバーチブル(Continental GT Speed Convertible)を発表した。
ベントレーが誇る高性能グランドツアラーのコンチネンタルGTに最強バージョンの「スピード」が復活。6リットルW12エンジンは659psの最高出力を発生
2009年デビューの初代(呼称はGTCスピード)、2013年デビューの2代目に続く、第3世代のコンチネンタルGT スピード コンバーチブルは、ベントレー自ら“コンチネンタルGTシリーズで最もドライバー重視のコンバーチブル”と謳うオープントップ最高峰のグランドツアラーに仕立てたことが特徴である。
まずパワーユニットには、チューンアップを図った6リットル(5950cc)W型12気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力はコンチネンタルGTコンバーチブル比で+24psの659ps/5000~6000rpm、最大トルクは900Nm/1500~5000rpmを発生する。また、高効率化を目的に気筒休止システムも内蔵し、エンジンコントロールユニットが状況に応じて片側バンクの6気筒すべてを停止させることで燃料消費を効果的に抑制。さらに、車両が静止しているときに加えて停車直前にもエンジンが止まるストップスタートテクノロジーも組み込んだ。一方、トランスミッションには専用セッティングの8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)をセット。「スポーツ」モードではシフトアップのタイミングを遅らせるとともにシフトダウンを早め、ターボチャージャーがパワーバンドに長く留まるようチューニングする。性能面では最高速度が335km/h、0→100km/h加速が3.7秒を実現した。
高性能エンジンを支えるシャシーに新技術を積極的に導入した点も要注目だ。まず、高速走行時のハンドリング性能と安定性、そして低速時の取り回し性を向上させた新設計のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングを採用。合わせて、48Vのアクティブアンチロール制御システムのベントレー・ダイナミックライドとエレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャル(eLSD)をステアリングに連動させ、操舵フィールや機動性を向上させる。一方、駆動機構には前後トルク配分とトラクション制御のプログラムの見直しを図ったアクティブAWDを採用。走行安定性と乗り心地を重視した「コンフォート」、トルクをリア寄りに配分する走り重視の「スポーツ」、乗り心地と走りを絶妙にバランスさせたベントレーシャシーチームが推奨する「ベントレー」といった各ドライブモードの制御において、動的性能をより最適化させた。さらに、ドライバーが可能な限り自由な走りを楽しめるように設定したエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)も採用している。
制動機構に関しては、新設計のカーボンセラミックブレーキをオプション設定したことが訴求点。カーボンシリコンカーバイド製ブレーキディスクに、前10ピストン/後4ピストンのキャリパーを組み合わせ、優れた耐フェード性と制動力を確保する。ばね下重量を33kg以上軽減し、かつブレーキダストが少なくなることも、新ブレーキの特徴だ。
エクステリアについては、筋肉質で存在感のあるコンチネンタルGTコンバーチブルのスタイリングを、より力強い印象に昇華させたことがトピックだ。具体的には、ダークティント化したフロントグリルおよびバンパーロアグリルや造形の美しいスポーツタイプのドアシル、フロントフェンダー部に配したクロームの“Speed”バッジ、“ジュエル”タイプのフューエルフィラーキャップとオイルフィラーキャップなどを標準装備。また、ヘッドライトにはハイビームアシスト付きフルLEDマトリクスヘッドランプを、リアコンビネーションランプにはフルLEDランプを組み込む。さらに、足もとにはダークティントで統一した専用22インチ鍛造アロイホイールを装着。ブライトシルバー仕上げまたはブラックグロス仕上げのホイールも選択可能だ。
一方、オープンボディ自体はコクピットまわりを入念に強化したうえで、Z形に折りたたまれる最先端の電動ソフトトップを配備。開閉は19秒ほどでこなし、50km/h以下であれば走行中の開閉も可能だ。また、密閉システムの改良と音響処理を実施し、従来モデルと比べて一般的な巡航速度での騒音レベルを3デシベル低減。加えて、ルーフの遮音材と開閉機構の組み合わせを刷新し、先代コンチネンタルGTクーペと同等の室内静粛性を確保した。ルーフカラーについては全7色を設定。英国伝統のツイードを現代的にアレンジした柄のほか、ブラックやブルー、クラレット、グレーなどが選択できる。ルーフライナーの仕上げはニューレッドやマグノリアなど、全8種類をラインアップした。
オープンボディと溶け合うようにアレンジしたインテリアは、スピードモデル専用のカラースプリットやトリム、そしてハンドクラフトされた素材が絶妙に調和し、ラグジュアリーとパフォーマンス、そして開放感を高度に融合させたキャビン空間を創出する。室内はレザーとアルカンターラで手仕上げされたデュオトーンカラースプリットで彩り、ステアリングホイールも同様のカラーで統一。イルミネーション付きベントレートレッドプレート&“Speed”プレートも装備する。ウッドパネルはPiano Blackが標準で、無償オプションとしてCrown Cut、Dark Stain Burr Walnut、Dark Fiddleback Eucalyptusを用意。また、メインハイド15色とセカンダリーハイド11色を採用したほか、アルカンターラをレザーに置き換えることも可能だ。さらに、センターコンソールのオプションとしてエンジンターン加工を施したダークティントのアルミニウムを設定した。
4シーター構成のシートには、ベントレーの“ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド”キルトを配備。ヘッドレストには“Speed”ロゴの刺繍を刻印する。また、アルカンターラとレザーのモノトーンカラースプリットを無償オプションとして設定した。さらに、快適機構として従来モデルよりも効率の向上と作動音の低減を図ったヒーター&ベンチレーター付きコンフォートシートとネックウォーマーを採用。ネックウォーマーのダクトに沿って取り付けられたクロームのセンターベーンはベントレー特有のブルズアイベントを思わせる造形で仕立て、スタイリングのアクセントとしても昇華させる。ほかにも、ステアリングホイールヒーターやアームレストヒーターといったアイテムも設定し、どのようなシーンでも至高のオープンスポーツドライブが満喫できるようにアレンジした。
なお、新型コンチネンタルGTスピード コンバーチブルの日本での受注はすでに開始しており、車両価格は3730万円に設定。ユーザーへの納車は2021年秋以降を予定している。
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