2026年からF1のテクニカルレギュレーションが大きく変更される。このレギュレーション変更は、パワーユニットに関する部分が中心だが、車体も小型・軽量化されることになる。
これについてFIAのシングルシーター部門の責任者を務めるニコラス・トンバジスに話を聞いた。
■2026年のF1マシンはこうなる! 新規則発表、ふたつの新機能と小型&軽量化でよりエキサイティングに
F1マシンは、年を追うごとに重く、巨大化している。車両重量は1990年代初頭は500kg程度だったが、特に2010年代に入るとその重量は加速度的に増加していき、今では798kg。実に約300kgも重くなっている。それに伴い、車両のサイズも拡大。オーバーテイクが難しい一因となっている。
そんな問題に対処するため、新規格のPUが導入される2026年シーズンからは、F1マシンのサイズや重量も削減することになった。
「クルマの重量を減らす策がたくさんある。重量制限は依然として厳しく、それを下回る開発をするのは簡単ではない。しかし燃料なしの状態で、マシンの重量を30kg削減できると考えている。レーススタート時にはそれ以上……おそらく50kg程度にはなるだろう。これは大きな進歩だと思う」
トンバジスはmotorsport.comにそう語った。
「そして、マシンの基本的な寸法も小さくなる予定だ。それが、正しい方向性だと感じたからね。最近では、他の全てのレギュレーションにも取り組んでいて、空力に関するレギュレーションは最終決定に近付いている」
ホイールは現在の18インチから16インチに変更する案も出されていたが、これは18インチのままで維持。ただその一方で、ホイールの幅やタイヤの外径は小さくするという。また車両自体も小さくなる。
「ホイールリムの直径に関しては、18インチのままだ、ただホイールもタイヤも、幅に関しては今よりも狭くなる。フロントタイヤは、幅が305mmから280mmに狭くなり、外径も15mm小さくなる。一方でリヤは外径こそ変わらないものの、405mmから375mmに幅が狭くなるんだ」
「車両の長さは、3.6mから3.4mに短くなる。幅も2mから1.9mに狭まることになった」
ただトンバジスは、これでも小型・軽量化には十分ではないと考えているようだ。
「理想を言えば、あと100kg軽量化できればよかったと思うし、我々もその方がいいと思っている。しかしバッテリーの容量が増え、電気モーターのパワーも増したため、重量は自然に増加してしまうことを意味している。安全性も引き上げなければいけない。だから、達成できる軽量化には限度がある」
「チームは重量増を抑えるために多額の費用を費やし、一生懸命努力している。だから、これ以上軽量化するのは不可能だったと思う。例えば、ハイブリッドエンジンから離れない限りはね」
それでもトンバジスは、F1の存在意義のためにも、ハイブリッドシステムを捨てるべきではないと考えていると主張する。
「しかしハイブリッドを捨てるのは、F1を守るため、そして世界で起きていることとの関連性を考えれば、正しいことではないと思う。V10エンジンに回帰することなどはできないと思う」
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