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33歳、フェラーリを買う──Vol.2 そのフェラーリ、安くなりませんか?

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33歳、フェラーリを買う──Vol.2 そのフェラーリ、安くなりませんか?

29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?

5万kmの個体

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【前回】Vol.1 転機はある日、突然やってくる

1本の電話から、ふたたびフェラーリ購入に向けて突き進むことになった。

電話のあったその日夜、早速、実車確認のため南麻布にある「SKY TIMELESS Azabu」へ、向かった。

SKY TIMELESSは、アストンマーティンやマクラーレンなどのディーラーを運営するSKY GROUPに属する中古車販売店だ。同社が扱わないブランド(フェラーリもそうだ)でも、下取りなどで入庫すれば販売するという。

到着後、案内された駐車場に停まっていたのはボディがホワイト、ルーフがブラックの2トーンカラーのフェラーリ「カリフォルニア」だった。

夜だったので遠目から見る限り、状態は良さそうだったが、近づくとそうでもないことがわかる……。

ブラックのホイールは3本に傷があり、そのうちの1本はリムではなくスポーク部に巨大な傷があった。はたして、どうやったらこんな傷がついてしまうのか不思議でならない。訊くと、機械式駐車場のパレットサイドにヒットさせたらしい。くわえてフロントタイヤの溝はツルツルだ。ほとんど残っていない。

かつて乗っていた360モデナは、ワンオーナーだった上、約19年間で2万km弱しか走っていない個体だっただけに状態は良かった。目立った傷はないし、室内のレザーの状態も良好。古いフェラーリの定番とも言うべき、ダッシュボード表皮の浮き上がりもほとんどなかった。

しかし目前にあるカリフォルニアは走行距離約5万kmという、フェラーリにしては過走行というのもあってヤレが目立つ。

前出のホイールの傷を筆頭に、ボディ各所に小傷はあるし、インテリアはダッシュボード表皮の浮きはあるし、プラスチックパーツのベタつきもある。

少ない経験で申し訳ないが、自分がこれまで数多くの中古フェラーリを見てきたが、どれも基本的に丁寧に乗られてきた個体ばかりだ。そう考えるとこれは、異色ともいえる。フェラーリを購入しても乗らないオーナーが多く、10年超、20年超の中古車個体でも走行距離がたったの1万km~2万km台をよく見かける。当然、内外装の状態もいい。ゆえに、わがカリフォルニアとの落差を感じられずにはいられない。ただし、走行距離が短いからといって状態が良いとも限らない。

目前のカリフォルニアは、付帯していた整備記録簿を見る限り重篤なトラブルが発生した形跡はナシ。これまで3人のオーナーが乗り継いできたようだ。ファースト・オーナー時はマメに整備された記録が残っていたが、以降は不明。近年、個人情報流出を防ぐべく、整備記録内容を破棄するケースがあるため、もしかすると保管していないだけかもしれない。

DCTに感動!次にエンジンを掛けてもらった。内外装の状態はさておき、フェラーリを購入する上で1番大切だと個人的に思うのは内燃機関のコンディションだからだ。

わが360モデナと異なり、キーを捻るのみでは始動せず、キーを捻ったのちにステアリングホイールに設置されたスイッチを押さねばならない。

そういえば乗降時、ステアリングが跳ね上がる機能も搭載されていたのには驚くとともに、「こんな余計な機能が付いていたら、故障のリスクが高まるじゃん……」と、ちょっぴり不安になる。360モデナと較べ、大幅に快適性が向上した分、電装部品も大幅に増えているのだ。

もちろん、それらパーツの信頼性も360モデナ当時より高まっているというが、はたして……故障時の修理費用が高額だから気が気ではない。すっかり“フェラーリ恐怖症”に陥っている。

それでも一発で掛かったV8自然吸気エンジンの官能的なサウンドを聴くと、「やっぱり欲しい……」と、惚れてしまうのだから、あぁ自分はフェラーリが大好きなんだなぁとしみじみ思う。

今夜の商談では空吹かしも厳禁で、試乗も狭い駐車場をぐるっと1周まわるだけ。それでも存分にフェラーリの魅力を味わえた。低回転域でもフェラーリの魅力は褪せない!

くわえて、DCTのなんたるスムーズなことか! F1マチックのようにギクシャクする場面は皆無。車庫入れもスムーズに前進・後進の微調整が出来る。360モデナでは、クラッチ交換が高額となるため、半クラ状態が続く後退は極力しないよう心がけていた。ゆえに、車庫入れは常に一発真剣勝負。駐車する前、イメージトレーニングと現場確認を何度もおこない、「よし、いれるぞ」と、気合を自身に注入したものだ。

それがカリフォルニアでは、普通のクルマとおなじようにステアリングを切り返しながら駐車できるのだから驚く。

DCTは、クラッチ板が2枚もあって、それらを高度なコンピューターで精密制御するから摩耗が抑えられるのだ。対するF1マチックはクラッチ板が1枚で、今となってみれば優秀とは言えないコンピューターが制御するから摩耗が早いのも当然である。

しかも、憧れのバックカメラも搭載されているではないか! 360モデナは費用が嵩むのもあってバックカメラの後付けは見送った。結果、自宅マンションの駐車場で、隣のクルマにぶつけてしまった。カリフォルニアなら、そういった事故は起こさないだろう。しかも、バックソナーまで付いている。

電動開閉機構も念のためチェック。スイッチを押し続けるとスムーズにルーフは開閉する。ただ個人的には、複雑なシステムで構成されるルーフの開閉機構は、トラブルの元凶だけに不要。

もっとも、オープンカーにハマった時期もあった。20代の前半、どうしてもオープンカーが欲しくなり、「スマート・カブリオ」(2代目)を購入。フルオープンのためには、サイドバーを手作業で外さなければならず、面倒だった。そこで2代目のボルボ「C70」にチェンジ。当時、流行っていた3分割のメタルトップを備えた4人乗りオープンモデルだ。居住性や積載能力もオープンカーにしてはマズマズだったし、ルーフを格納すれば開放感抜群。1年中、ほぼオープン状態で乗っていた。

が、ある日、急に飽きてしまった。理由はわからないけれど、ルーフを格納するのが億劫になった。ボルボC70の次も、DSの「DS 3カブリオ」を購入したが、ソフトトップをおろしたのはわずか数回。以降、オープンモデルとは疎遠だ。

したがって、カリフォルニア購入によって約8年ぶりにオープンカーライフが始まる。

1000万円オーバーでは……とりあえず実車を確認後、店舗に移り見積書を確認する。支払い総額の欄には1070万円と記されていた。しかも現状渡しである。

おもわず、「1070万円は高い!」と、声がでてしまった。なぜなら内外装のコンディションが芳しくなかったからだ。ホイールの傷を筆頭に、小傷、内装のベタつきなど気になる部分が多すぎた。

走行距離が近しいほかの個体を調べると1100万円前後だった。実車を見たわけではないが、中古車情報サイトに掲載されている写真を見た限りでは、SKY TIMELESS Azabuの個体よりはどれも状態は良さそうだった。

見積もりに含まれていたタイヤ交換(フロント2本)が15万円というのも正直「高いなぁ」と、思った。僕がリクエストしたわけではないけれど、溝がほとんどないゆえに計算にくわえたらしい。調べるとカリフォルニアに適したミシュラン「Pilot Sport 5」だとネット上で1本4万円前後。2本で8万円前後だから工賃込み10万円ほどでおさまりそうだ。

納車費用5万5000円も気になる。自ら店舗に出向いて引き取りに行くにもかかわらず、納車費用はカットできないという。

総合的に判断し1070万円は高い、と、思わざを得なかった。そこで、「総額1000万円以下になれば考えます。900万円なら即決します!」と、少々無理を言った。

すると担当者は「900万円はさすがに難しいと思いますが……本日不在の上長に一旦確認し、連絡いたします」と、戻された。

心の中で「お、アンダー1000万円の可能性があるのか!」と、小躍りしつつも、仮に900万円台を提示されたらあとには引けないなぁ……と、焦り始めた。

はたして、価格はいかに? 続きは次週!

【過去記事】33歳、フェラーリを買うVol.1 転機はある日、突然やってくる

文と編集・稲垣邦康(GQ)

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