■派手さはないが「道具感」がイイ
トヨタ「ランドクルーザー」(ランクル)シリーズは、トヨタのSUVラインナップの中でもフラッグシップモデルに位置し、高い悪路走破性を持つ本格四輪駆動車です。
現行型は2021年に登場した通称「300系(ランクル300)」ですが、最安モデルは比較的手が届きやすいといえる510万円からの設定です。どのようなグレードなのでしょうか。
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ランクルの歴史は1951年登場の「BJ型ジープ」まで遡ります。1954年には2代目にあたる「BJ20型」の生産が開始され、この時初めて「ランドクルーザー」の名称が使われました。
以来約70年もの間、悪路走破性や信頼性の高さから国内だけでなく世界でも評価され、シリーズでは累計約1060万台(2021年6月末現在)を生産し、世界170の国と地域で展開されています。
現行となるランクル300は2021年8月に登場。
ランクル最大の特徴である信頼性・耐久性・悪路走破性は継承しつつも、軽量化や衝突安全性能を向上させたTNGA GA-Fプラットフォームを採用。また、先進運転支援「トヨタ セーフティ センス」の装備などの刷新が図られました。
ランクルシリーズは歴代の全モデルで根強いファンを持ちますが、現行型でも2021年8月の発売直後とともに注文が殺到。
世界的な半導体不足による部品供給の不透明性や、コロナウイルス感染拡大による生産ラインの停止など、複合的な要因によって長納期化がすすみ、2023年7月現在も受注を停止しています。
そんなランクル300系ですが、最廉価グレードは510万円(消費税込)の「GX」です。
GXは5人乗り・3.5リッターのV型6気筒ガソリンエンジンのみの設定で、7人乗りやディーゼルエンジンは用意されていません。
最廉価モデルとだけあって、ほかのグレードよりもエクステリア上で差別化が図られています。
ホイールは小ぶりな18インチを装備し、上級グレードに用いられるクロームメタリック塗装ではなく、一般的なシルバー塗装が施されています。
さらに、フロントグリルやサイドウインドウモールもメッキ加飾は省かれ、GXではそれぞれシルバー・ブラックとシンプルな装いです。
また、唯一サイドステップが装備されず、サンルーフもオプション設定されていません。
インテリアでは、3列・7人乗り仕様が設定されず、5人乗り仕様のみ用意されていることに加え、エクステリア同様に加飾は大幅に削減。シートも本革ではなくファブリック素材で、電動調整機能はなく手動調整式です。
インパネやドアトリムなどは、上級グレードでは通常ウッドパネルやサテンメッキなどが装備されますが、GXではつや消しブラックやシルバー塗装となっています。
ランクルらしさのひとつであるわかりやすい豪華さというよりも、どちらかというと機能美を感じさせる実用的な内装に仕上がっています。
一方で、コストを抑えた点は表面的なところにとどまり、走行性能ではマルチテレインセレクトやトランスファー付き4WDシステムは標準装備、トヨタ セーフティ センスやブラインドスポットモニターなどの先進運転・安全装備も標準装着されています。
さらに、GXのみ設定されるオプションとして、砂や泥で汚れた際にすぐに掃除できる「樹脂製フロアカーペット」が用意されており、まさに「道具」としての機動性を高めたモデルといえます。
高級SUVというイメージが強いランクルですが、3列シートが必要なく、タフギアとして使いこなすのであれば、GXは十分良い選択肢になりうるでしょう。
※ ※ ※
なおランクル300はトヨタの公式サイトに、以下の文言が記載されています。
「ランドクルーザーは、日本のみならず世界各国でも大変ご好評いただいており生産能力を大幅に上回るご注文をいただいているため、現在ご注文を停止させていただいております。
ご注文再開につきましては、今後の生産状況等を踏まえ、改めてご案内申し上げます」
登場から2年が経過しようとしていますが、未だに生産が追いついていないことから、ランクル300の新車購入を検討しているのであれば、早めに販売店へ問い合わせることが良さそうです。
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みんなのコメント
リセールとかは考えず、普通にランドクルーザーとして乗りたい。
ラグジュアリー感や快適装備はいらない。