アプリリアのニューモデル「RS660」と「トゥオーノ660」。パワフルかつ軽量コンパクトなパッケージは日本の道路環境にもぴったり。試乗記と各部の装備チェックをお届けしよう。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、関野 温、森 浩輔
アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」インプレ・解説(太田安治)
エンジン、車体を共有し違う個性に仕立てた2台
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アプリリアは90年代からWGPで大活躍し、現在はモトGPクラスでも成績急上昇中のイタリアンブランド。フラッグシップモデルはV型4気筒1100ccエンジンを搭載したスーパースポーツのRSV4と、そのネイキッドバージョンであるトゥオーノ1100だが、今年からミドルクラス版として並列2気筒660ccエンジンのRS660とトゥオーノ660が加わった。
両車はエンジンから車体まで基本的に共通。フルカウルにセパレートハンドルのスーパースポーツスタイルがRSで、アップタイプのバーハンドルを装着し、アッパーからセンターまでのカウル面積を減らした変則ネイキッドスタイルに仕立てられているのがトゥオーノとなる。
エンジンは1100cc版V型4気筒の前側2気筒を活かして開発された並列2気筒。スペック上はRSが100馬力、トゥオーノが95馬力だが、公道とショートサーキットでは差を感じられなかった。というよりも両車とも体感的なパワーは数値以上。低中回転域から強大なトルクを発揮し、5000回転あたりから弾けるような吸排気サウンドを轟かせつつ猛然と速度を乗せていく。トラコンを切ると派手なウイリー状態になるほどだ。
エキサイティングな走りはさすがイタリアン
両車とも乾燥169kg、装備183kgという軽い車体に太い低速トルクなので発進に気を使わずに済み、6速・40km/hからでも加速する粘り強さを備えているので市街地でも扱いやすいが、高回転まで回して楽しむには相応の技術と自制心が必要。この国産のミドルクラスにはないエキサイティングで手強い特性がアプリリアらしい魅力だと思う。
RSはミニサーキットと峠道での走りもチェックできた。ルックスからも想像できるようにコーナリング性能はスーパースポーツらしいもの。旋回中の安定性、深いバンク角でのタイヤグリップ感も高い。サスペンション設定は公道走行を主眼に置いた設定で、4気筒600ccの国産スーパースポーツよりも前後サスがしなやかに大きくストロークして峠道の荒れた路面でも車体が弾かれにくく、精神的にも肉体的にも楽だ。
驚いたのは電子制御の充実ぶり。パワーモードとトラクションコントロールはいまや当然として、6軸IMUを採用してエンジンブレーキ、コーナリングABS、ウイリー制御、クルーズコントロールまで採用している。
クイックシフターはアップ/ダウン両対応で、最新リッターSSと同等の高度なシステム構成。走行シチュエーションに合わせて設定できるのが楽しいし、ライディングスキルに自信がないライダーなら、自分が扱いやすい特性に変更すれば安心して扱える。
一方のトゥオーノは市街地と峠道メインで試乗した。ハンドルが高い分、上体の荷重がフロントタイヤに伝わりやすく、ややソフトに設定された前後サスと併せて加減速時の車体姿勢変化はRSよりも大きめ。深いバンク角での旋回性、安定性はRSにやや劣るが、峠道レベルなら神経質さがなく、かえって乗りやすい。
ストリートユースでも突き上げが少なく、低中速時のハンドル操舵力も軽いので快適だ。ウインドスクリーンが小さいため上体が受ける走行風量はRSより大きいが、高速道路の120km/h区間を走り続けてもこれといって負担を感じることはなかった。
一般論としてはRSがスポーツ走行向き、トゥオーノはストリート向きだが、動力性能は同等だから、公道走行がメインならルックスと前傾姿勢の許容範囲で選べばいい。
ちなみに、RSが標準装備しているシフターや6軸IMUはトゥオーノではオプションで、装備すると両車の価格はほぼ同じになる。個人的には快適性も安全性も高まるという理由から装備をお勧めする。
アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」カラーバリエーション
【RS 660】
エイペックスブラック
ラバレッド
アシッドゴールド
【トゥオーノ 660】
コンセプトブラック
イリジウムグレー
アシッドゴールド
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元サイトで投票・回答アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」ライディングポジション・足つき性
RS 660
シート高:820mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
ステアリングのトップブリッジにセパレートハンドルがセットされているが、生粋のスーパースポーツモデルほど低くないので状態の前傾度はほどほど。シートは肉厚で乗り心地良好だが、820mmの高さがあるので足着き性は良くない。
トゥオーノ 660
シート高:820mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
シート高820mmはRSと共通だが、柔らかめの前後サスで乗車時の沈み込み量が多いうえ、高めのハンドルに手を添えると上体が起き気味になるので足着き性はRSより若干良好。高速道路クルージングも快適なポジションだ。
アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」各部装備・ディテール解説
アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」主なスペック・価格
RS 660
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
トゥオーノ 660
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真25枚】アプリリア「RS 660」「トゥオーノ 660」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、関野 温、森 浩輔
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