この記事をまとめると
■すべてのダイハツ車の出荷停止によってディーラーは大混乱に陥っている
キチンと契約しているのにダメってなぜ? 月極駐車場でも車庫証明がとれないケースに要注意!
■印鑑証明などの有効期限のある申請手続き書類は納車が遅れると再取得が必要となるケースもある
■セールスマンも書類を預かるタイミングをずらして対応せざるを得ない状況だ
納期が遅れている間に書類の有効期限切れ
2023年12月20日、ダイハツの不正行為について調査を依頼されていた第三者委員会が記者会見を行い、それまで判明していた以外に新たな不正が174件見つかったことが明らかとなった。そして同日よりダイハツ車すべての出荷停止が行われた。
また、2024年1月29日に豊田自動織機が「エンジン国内認証に関する調査結果」として発信したリリースによると、トヨタ車のなかでハイエース、グランエース、ランドクルーザープラド、ダイナ(含む日野デュトロ)、ハイラックス、ランドクルーザー向けとして出荷しているディーゼルエンジン3機種について、検査不正があったとしてエンジンの出荷を停止、そして対象エンジン搭載車種も出荷停止となった。
ダイハツで出荷停止ということは、トヨタ向けにOEM(相手先ブランド供給)車となる、乗用車ではライズとルーミーの出荷も停止された。ライズは2023年12月以前に不正が発覚しており、新規受注はおろか、すでに受注していて納車を待つお客に対して受注キャンセルを行うなど混乱していたが、ルーミーは納期も短めでトヨタのなかでは売れ筋モデルであった。
そんななか、あとはキャリートラックに載せ、当該ディーラーへ陸送するだけという車両も出荷停止となったという。販売現場ではすでに納車へ向け新規登録手続きの準備を進め、印鑑証明など必要書類をお客から回収済みで申請手続き待ちというケースも頻発した。
「納車まであとわずかという段階で出荷停止となったケースも多くありました。その後の予定は先が見えない状況となり、そこで心配となるのがお客から預かった登録に必要な書類の有効期限です。印鑑証明などの有効期間は3カ月となっています。メーカー側の事情で出荷停止となり、そのために有効期限切れとなったら書類を再回収しなければならないのですから、簡単にお客へ『また取り直してください』ともいえないし、当然かかる費用の負担もお願いできないとセールスマンは頭を抱えています」とは事情通。
ここ最近はトヨタグループの不祥事が原因となり、ダイハツ車やトヨタ車が出荷停止となっているが、事情はともかくとして他メーカーであっても、自然災害の影響で一部部品の供給が止まっることもあるだろうから、「出荷停止」という事態が他ブランドでもまったくないとも言い切れない。
「ベテランセールスマンに聞くと、すでに印鑑証明などを用意して商談に臨むお客もいるとのことですが、そのようなときには出荷停止や納期遅延といった特別な事態になっていなくとも有効期限が気になるとのことです。何もなくても、いまや新車の一般的な納期は短くとも2カ月は見てもらっています。できれば契約が成立してから手配して欲しいとのことでした」(事情通)
ダイハツや豊田自動織機による影響は、なかなか先が読めず詳細な情報もおりてこないようなので、販売現場では困り果てているといった状況となっているようである。
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みんなのコメント
ディーラーはメーカーとは異なる会社(基本的に系列会社でもない)だから、損害賠償も訴えることはできるはずだが、それをやると今後のメーカーとの付き合いに支障が出るだろうから無理なんだろうねえ。