アルファ・ロメオは4モデル体勢へ
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
アルファ・ロメオの第3四半期の経営レポートによれば、将来の製品計画を大幅に縮小化し、計画されていたスポーツカーのGTVと8Cも白紙化したようだ。
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のマイケル・マンリーCEOは、電話会議の中で次のように述べたという。「(アルファ・ロメオのモデル計画を)大幅に縮小し、設備投資も削減します」
この内容は投資家への決算発表の中で粛々と発表され、収支報告の中でも議論されたという。アルファ・ロメオは将来的に、4モデル体勢へと合理化する計画だと考えられる。つまり、ジュリア、ステルヴィオ、トナーレの3車種に、間もなく登場すると噂される小型SUVとなる。
これは同時に2018年6月に発表された5カ年計画で発表された、新しいスポーツクーペのGTVと、8Cの後継モデルが、一時的に棚上げか白紙化されたことも意味する。BMW 5シリーズのライバルとなる、ジュリアより一回り大きいサルーンの計画も同様だ。
FCAとPSAとの経営統合に向けた合理化
実際にこれらのモデルへは言及されていないものの、現在までのところ白紙化された可能性が高い。2018年に発表された5カ年計画は、同年に亡くなったFCAの前CEO、セルジオ・マルキオンネの元で立てられた。
その後、経営を受け継いだマンリーCEOは、アルファ・ロメオとFCAが欧州で招いた大きな損失への対応に当たってきた。アルファ・ロメオのモデルラインナップに対する計画変更は、FCAとPSAとの経営統合に影響を受けたと考えられる。経営統合の発表は、アルファ・ロメオの決算発表の直前というタイミングだった。
FCAとPSAが統合することで、世界で4番目に大きな自動車製造グループが誕生する。統合した場合、CEOに任命されるのは現PSAグループのカルロス・タバレスCEOだと目されている。彼は効率と収益率を高めるため、大胆なコストカット策を実施することで有名な人物だ。
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