今季のSUBARU BRZ GT300は苦しんでいる。第3戦の鈴鹿を終えた時点でドライバーランキングは16位、チームランキングはポイントを取っているチームの中では最下位の26位に沈んでいる。
今季から予選方式やタイヤの持ち込み本数の変更など、多くのルール変更があり、オフシーズンにはこれまでにない走り込みを行ない、走行データも十分集めることができていた。それにも関わらず、上位に絡めない状況なのだ。
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GTE主催のGT300専有テストがスポーツランドSUGOで行なわれたうまく噛み合わない今季の内容は、ルール変更とは直接関係するものではなく、レースでは起こりがちな「予期せぬこと」に見舞われているからだ。開幕戦こそ予選3位を獲得するも決勝では他のマシンとの接触から、マシントラブルが発生し大きく順位を落とした。
第2戦の富士スピードウェイでは決勝レースで、ガス欠という予期せぬことが起きた。そして第3戦の得意とする鈴鹿は予選2位からの優勝を目指すものの、信頼性抜群のヒューランド製レース用ミッションが壊れるという予期せぬことが起きたのだ。
その結果、冒頭のような順位になっており、今後のシーズン中盤から後半にかけては、強いBRZ GT300を取り戻したいと考えているに違いない。
またしても予期せぬことが・・・
なかなか見ることができない心臓部。フェンダーも外されフレームやサスペンション構造がよくわかるスーパーGTでは、第4戦の富士スピードウェイのレース前にエントラント協会が主催するテストがスポーツランドSUGOで行なわれ、BRZ GT300も参加していた。
小澤正弘総監督に話を聞くと「まず9月に行われる予定のSUGO大会に向けて、マシンの合わせ込みをするのがテストの狙いです。それと今季は歯車が噛み合わない状況で、信頼しているものがうまく回らない感じでしょうか。このあたりも丁寧に進めていってミスのないようにしたいと思います。とは言っても、ここまで人的ミスは起こっていなくて、キチンとできていたんですけどね」と不運としかいいようのないこれまでのレースだ。
馬の背コーナーでクラッシュ。もっともハイスピードな場所だけに心配されたが、山内はすでに戻っておりケガはなかったテストは2日間行なわれセッション1~4回が予定されている。その最初のセッションで山内英輝がドライブ中にブレーキトラブルが発生し、クラッシュしてしまった。幸い山内に怪我はなく、またマシンはセンション2を修理に費やし、そのため走行しなかったが、残りのセッションは走ることができた。
小澤総監督は「今日のトラブルもまさに、信頼のおけるパーツだけに厳しい状況になってます」と肩を落とす。まさに予期せぬことであり、対応の仕方すら明確な答えが出せないような状況だったのだ。それでもテスト2日目のセッション3、セッション4とも、常に上位のタイムをマークし、トップタイムも記録するなど予定していたテストのある程度はこなせた様子だった。
マシン修復パーツが運び出され、翌日には何もなかったかのように綺麗なマシンになって戻ってきた修復作業には小澤正弘総監督もお手伝い2日目はいいテストになった
セッション3の最初はレインコンディションで、今季からウエットタイヤが新しいトレッドデザインのタイヤを投入しており、そうしたニューフェイスのテストもできた。またドライアップしていく状況の中で、どこまでウエットタイヤでタイムが出せるのか?というテストも行ない、とてもいいデータを取ることができたようだ。
2日目のテストは予定項目を順調にこなせた様子。(左)井口卓人、(中)山内英輝、(右)R&D SPORTのトラックエンジニア井上徳(さとし)氏これまでドライアップするコンディションでは、スリックに交換するタイミングの判断が難しかったというが、今回のテストでちょうどそうした状況になったため、いいデータ取りができたというわけだ。
ドライアップしていくコンディションでスリックへの交換タイミングを見極めるデータが取れたというテストは山内と井口が交代でチェックを繰り返す最終セッションでは完全なドライで、気温も上がり路面温度も最高42度まであがり、SUGOで予定しているタイヤのセットアップも目星がついたという。
BRZ GT300は予選は速く、決勝は逃げる展開としており、今季も従来どおりの作戦になりそうだ。ただ、これまでは給油に時間がかかり、ピットストップで順位を落とすことが多く、ひとつの課題だった。しかし、今季は給油機にあるリストリクターが緩和されたことで、従来よりは給油時間を短縮できるようになっている。
2日目はいいテストとなった様子で、山内英輝(右)リザーブドライバー奥本隼士の表情も明るいそのため作戦の幅も広がり、チャンスは多くなるはずで、そうした展開とするためにもマシントラブルは一掃し、万全の状態で臨むことを目指している。
次戦は8月2日、3日の富士スピードウェイで行なわれる第4戦350kmレース。ポールポジションと表彰台はもはや必須条件と言えるレースを迎える。今季、再び輝きを取り戻せるのか注目したい。
スバル/STI motor sports通信
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一回勝てば何とかなるのでしょうが。地道に一つ一つやるしかない。